H27保育所等一斉入所に関する結果分析、10回目はリクエストにお応えして天王寺区を取り上げます。
大阪市内で保育所へ入所するのが最も困難な区の一つです。

多くのリクエストをお寄せ頂いて恐縮です。
次回以降は旭区・城東区・東成区・住吉区を取り上げる予定です。
リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。

各保育所毎の新入所者数・入所者平均点・入所基準点を取り上げ、H26とH27を比較した上で分析検討を行ってみます。
(入所者平均点・入所基準点の計算方法はこちらに記載しています。)

なお、下記の投稿も参考にして下さい。
【H27保育所一斉入所申込分析】(21)天王寺区(募集数変更後)
【H26保育所一斉入所結果分析】(12)天王寺区

入所基準点付き保育所等マップ(天王寺区)
h27_kekka_tennouji
【H27版】大阪市子育て支援施設マップ(非公式)より

種別名称H27H26
入所者数入所者平均入所基準点入所者数入所者平均入所基準点
民間保育所こでまり保育園18200.619517194.9175
民間保育所すくすく保育園27201.119525199.5195
民間保育所四天王寺夕陽丘保育園28201.319532199.9195
民間保育所松福幼児学園キッズコート天王寺29196.617526196.3195
民間保育所天王寺駅前おおぞら保育園21194.518535189.8175
民間保育所日の出さなだやま園28198.819536193.6165
民間保育所蓮美幼児学園うえしおナーサリー17204.619519205.1205
民間保育所蓮美幼児学園たにまちナーサリー20202.119518202.8195
民間保育所上本町げんき保育園
公立保育所天王寺保育所18200.019521197.4195
公立保育所味原保育所21196.017519198.1195
こども園天王寺和み保育園19191.816515190.8175
小規模A蓮美幼児学園石ヶ辻プリメール4198.0195
小規模CTOTKIDS4180.5155
小規模Cあかつき保育園2190.5175
小規模Cかのん保育園3185.5175

大阪市の保育所等利用待機児童数について(平成27年4月1日現在)より作成

昨年に同じく天王寺区へ転居する子育て世帯は少なくない様子です。
就学前児童数は前年から約3%増加しています(詳細はこちら)。
一方、保育所在籍児童数は4%弱の増加に留まっています。
天王寺区内で平成27年度中に新設された保育所はなく、増加分はほぼ小規模保育・保育ママによるものです。
保育所等在籍率は28.3%、西区と並んで市内で下から2番目です。

この結果、天王寺区における保育所等への入所指標は全てが劇的に悪化しています。
「只でさえ保育所に入りにくかったのに、更に入りにくくなった」という状態です。
新規利用申込者数は418人(前年より+61人)、利用保留数は159人(+65人)、保留率は38.0%(+11.7%)、入所倍率1.61倍(+0.26)という内容です。
つまり、保育所等へ申し込んだ児童の内、5人に2人は何れの施設にも入所できていません。
保留数は市内2位(1位は何と住吉区)、保留率も2位(1位は西区)です。
保育施設の数・定員が決定的に不足しています。

平成27年12月に上本町げんき保育園が開設する予定ですが、それでも全く足りていません。
ファミリー向けの大規模マンションの建築に合わせ、保育施設の整備が適切に進められていません。
平成20年以降、天王寺区内では概ね2年に1施設のペースで保育所が新設されてきました。
しかし、それ以前は保育所が余りに少なく、最近の保育所志向に追いつけていないと考えられます。
昔から幼稚園志向が強い地域だったのでしょう(公立幼稚園も多いです)。

また、天王寺区役所周辺には保育所等が無いのも重要なポイントです。
何れかの市営施設に併設できていれば・・・・と感じてしまいます。
その為か、やや近い四天王寺夕陽丘保育園や天王寺保育所は入所するのが極めて困難となっています(後述)。

こうした結果、H27一斉入所において、天王寺区は新入所者の推定平均点が最も高い区となりました(詳細はこちら)。
何と198.29点です。
実際には「フルタイム共働き(200点)でなければ、保育所へ入所出来る可能性は極めて低い」と言わざるを得ません。
天王寺区へ居住して保育所へ入所するには、十分な覚悟が必要です。

各保育所毎の数字を見ていきます。
全ての保育所・半数の小規模保育の入所者平均点が190点を超えています。
特にこでまり保育園・すくすく保育園・四天王寺夕陽丘保育園・蓮美幼児学園うえしおナーサリー・たにまちナーサリー・天王寺保育所は平均点が200点超、入所基準点が195点という結果でした。
0歳児は200点がほぼ必須、1-2歳児は何らかの加算点があっても厳しい結果だったと推測されます。
1-2歳児募集が少ない保育所では、兄姉が在籍していても入所できなかった児童が発生したと聞きました。

小規模保育も同様の傾向です。
特に蓮美幼児学園石ヶ辻プリメールは入所者平均198.0、基準点195と、保育所と変わらない数字です。
他の小規模保育も入所に高い点数を要する所ばかりです。

天王寺区にお住まいで保育所等への入所を検討している方は、区内と同時に区外の保育所等もご検討下さい。
具体的には隣接区たる浪速区・生野区・中央区(前2区は比較的入所しやすい)や、通勤先周辺にある保育所等が対象となるでしょう。
また、谷町線沿線であれば、多くの保育所を新設した都島区も良さそうです。

尋常でない勢いで保育所等が天王寺区内に新設されない限り、入所が困難な状況に変化はないでしょう。
H27一斉入所での倍率は、0歳児が1.27倍、1歳児が2.28倍、3歳児が3.67倍でした(詳細はこちら)。
高得点者の多さ・小規模保育の少なさから、保育所等への入所が中央区・西区より困難だという印象です。
倍率以上の厳しさを感じます。