大阪市が公表しているデータにより、区毎の入所倍率は判明します。
しかし、入所を希望する区や保育所にて、具体的にどれだけの基準点が必要かは読み取れません。
ただ、大阪市では保育所毎の大まかなデータを公開しているので、このデータを基に区毎の入所者平均点や基準点を推計していきます。

大阪市の保育所待機児童の状況について (pdf, 41.13KB)
待機児童数(区別・年齢別) (pdf, 40.73KB)
各保育所別入所状況(北区~西淀川区) (pdf, 64.23KB)
各保育所別入所状況(淀川区~西成区) (pdf, 78.86KB)
保育所の入所枠の拡大と待機児童数の推移(グラフ) (pdf, 19.24KB)

大阪市の保育所入所待機児童数について(平成26年4月1日現在)より

この様な形で、保育所別の入所状況が公開されています。
年齢別の具体的な点数ではなく、ある点数帯に何人いるかという形式で表記されています。

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各保育所別入所状況(北区)より)

これは北区の保育所別入所状況です。
各保育所別に211点以上、201-210点、191-200点等の点数帯毎にどれだけの新入所者がいたかが表記されています。
たとえば大淀保育所だと、211点以上が2人、201-210点が14人、191-200点が12人と読み取れます。

分析にあたっては、ある点数帯の入所者は全て中間値(191点~200点ならば195.5点)と仮定しています。
また、年齢別の点数も分からない為、全年齢を合算して分析を行っています。
その為、一定の誤差が生じます。
1-2歳児はより高い点数が必要となるケースが多いと推測されます。

区毎の新入所者平均点、及び上位90%(新規入所者の点数上位90%に達した点数帯、つまりおおよその入所基準点)を推計しました。
(昨年の同記事はこちらです。)

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新入所者の平均点及び入所基準点が最も高かったのは天王寺区、次いで中央区という分析結果となりました。
両区とも平均点は196点、基準点は185点です。
こうした区で保育所へ入所するには、0歳児は185点(入所基準点)、1-2歳児は196-200点(平均点)が一つの目安となるでしょう。
保育所によっては200点でも入所できないケースが発生しているでしょう。

天王寺区は0歳児申込の急増が主たる原因だと推測されます。
中央区はH25一斉入所で保育所新設が行われた一方、H26一斉入所では対象とならなかった(2月開所と8月開所予定)為、入所倍率が昨年から上昇しています。
阿倍野区は保育所の新設が追いついていません。
区毎の詳細な分析も今後行っていく予定です。

西・北・福島・都島区の平均点・基準点が低下したのは、保育所の新設が効いています。
来年以降はやや揺り戻しが発生する恐れがありますが、申込者の急増がなければH25程の点数にはならないと推測されます。

入所者平均点が大きく低下したのは鶴見区・大正区・生野区です。
鶴見区は保育所の新設が効き、大正区・生野区は就学前児童数の減少と関係がある様子です。

昨年同様、保育所へ入所するのに必要な基準点は市中心部で高く、北部はやや高い、南部はやや低いという傾向に大きな変化はありません。