早くも12月となりました。小学校高学年や中学生がいる家庭では、「そろそろ通塾でも?」という話題が出る事もあるでしょう。

一言で「塾」といっても様々な類型があります。個別指導か集団指導か、基礎的な事項を教える補習塾か難関校の受験を目指す進学塾か、徒歩や自転車通塾か電車通塾か、通塾日数や頻度等々、個別の性質には大きな違いがあります。

高校受験を意識して通塾する場合に重要なのは「各塾の合格実績」です。まだ小学生や中学1-2年生では漠然としている(中学校の先生「秋にようやく志望校を考え出す中学3年生も多い」とも)でしょうが、何となくでも「○○高校に行きたい」「数年後には××大学とかに行ければ」との思いがある方もいるでしょう。

各塾の合格実績は各々のウェブサイトに掲載されています。大阪府内にある代表的な塾や情報発信に熱心な個人塾等が公表(一部に推計値あり)している資料から、大阪府内を代表する進学校たる文理学科設置校(北野高校・天王寺高校・大手前高校・茨木高校・三国丘高校・高津高校・四條畷高校・豊中高校・生野高校・岸和田高校)の合格者数を拾い上げました。

塾名/高校名北野天王寺大手前茨木三国丘高津四條畷豊中生野岸和田合計備考
馬渕教室268187229224182111176193118461734
駿台・浜学園3690126252推計値
第一ゼミナール34112714442045457256
立志館3176335599294
SUR2248184212254
能開センター353217224857148
開進館16916
開成教育グループ317189329107295130
臨海セミナー189
京進2136
ニコニコ個別213
啓明塾123
究永舎11125
Z会進学教室42442117
類塾不明
その他12385820110145169293593
定員3203603603603203603603603603603520

こうしてみると、馬渕教室からの合格者が他塾を圧倒しているのが分かります。文理学科合格者の内、約半数が馬渕教室の出身者です。特に北野高校や占有率が8割を超えています。「北野高校付属馬渕教室」と揶揄されるほどです。

天王寺高校も馬渕教室が約半数を占めていますが、第一ゼミナール・立志舘・SUR・能開センター・開成教育グループの出身者も少なくありません。北摂・大阪市北部が地盤の馬渕教室に対し、南部にも地盤や拠点がある他塾が対抗している構図です。

追跡しきれなかったのは大手前高校・高津高校・四條畷高校合格者が在籍していた塾です。これらの高校に合格した中学生は、上記以外のどういった塾へ通塾していたのでしょうか。ご存じの方は教えて下さい。

各高校へ多くの合格者を輩出している塾には、それぞれの高校毎に必要な合格水準や卒塾生の声と言った貴重な情報が集まります。その評判を聞きつけた中学生等が入塾し、更に合格者(占有率)が増えるというサイクルが生じています。

大阪府の高校受験制度は複雑です。府立高校は学区が拡大された影響もあり、中学校の進路指導はあまり参考になりません。残念ながら塾の方が具体的かつ詳細な資料を保有しています。事実上、多額の学校外教育費が必要となる制度となっています。少子化が進む一因です。