大阪市が公表しているデータによって区毎の入所倍率は判明します。
しかし、入所を希望する区や保育所等にて、入所するのにどれだけの点数が必要かは読み取れません。
大阪市では区毎・保育所毎の点数に関するデータを公開しているので、これを基に区毎・保育所毎の入所者平均点や基準点を推計していきます。
大阪市の保育所等利用待機児童の状況について
待機児童数(区別・年齢別)
各施設・事業別新規利用状況(北区~淀川区)
各施設・事業別新規利用状況(東淀川区~西成区)
保育所等の利用枠の拡大と待機児童数の推移(グラフ)
大阪市の保育所入所待機児童数について(平成27年4月1日現在)より
この様な形で、保育所等別の入所状況が公開されています。
年齢別の具体的な点数ではなく、保育所毎・点数帯毎に何人の新入所者がいるかという形式で表記されています。
これは北区の保育所別入所状況です。
各保育所別に211点以上、201-210点、191-200点等の点数帯毎にどれだけの新入所者がいたかが表記されています。
たとえばきたの旭ヶ丘学園の新入所者の点数は、211点以上が1人、201-210点が17人、191-200点が10人だったと読み取れます。
分析にあたっては、ある点数帯の入所者は全て中間値(191点~200点ならば195.5点)と仮定しています。
また、年齢別の点数も分からない為、全年齢を合算して分析を行っています。
その為、一定の誤差が生じます。
1-2歳児はより高い点数が必要となるケースが多いと推測されます。
区毎の新入所者平均点、及び上位90%(新規入所者の点数上位90%に達した点数帯、つまりおおよその入所基準点)を推計しました。
(平成26年度一斉入所に関する同記事はこちらです。)
なお、今年からは保育所・認定こども園に加え、地域型保育事業(小規模保育・保育ママ)も集計対象としています。
その為、昨年の数字との連続性は完全ではありません。
小規模保育施設等も集計対象としている為、新入所者が増加している区が目立ちます。
新入所者の平均点及び入所基準点が最も高かったのは昨年に引き続いて天王寺区でした。
平均点は198点、基準点は195点という高さです。
同区は保留率が西区に次いで2番目に高く、保育所等在籍率は市内2番目の低さです。
平成27年度一斉入所では利用申込数が61人も増加し、保育所へ入所するのに更なる高い点数が必要となったのでしょう。
小規模保育施設等が新設されたものの、保育所の新設が行われなかったのも一つの原因です。
他には中央区・西区・福島区・阿倍野区・都島区の点数の高さが目立っています。
阿倍野区の新入所者の増加・平均点の低下は、恐らくはあい保育園昭和町の新設が原因でしょう。
待機児童が深刻な地域にて保育所が新設される効果は絶大です。
ただ、新設2年目以降は募集数が減少(卒園児相当数のみ)するので、来年は反動でやや入所しにくくなるでしょう。
その反動が生じたのが都島区です。
これらの区で保育所へ入所するには、0歳児は185点(おおむね入所基準点)、1-2歳児は190-200点(おおむね平均点)が一つの目安となるでしょう。
保育所によっては200点でも入所/入所保留が分かれたり、一部では200点でも全く入所できないケースが発生しています。
新入所者数が大きく減少しているのは東淀川区・大正区・平野区です。
これらの区は新規利用申込数・就学前児童数も大きく減少しています。
地域によっては在籍園児数が定員数を大きく割り込んでいると推測されます。
昨年同様、保育所へ入所するのに必要な点数は市中心部は高い、北部はやや高い、南部は低いという傾向に変化はありません。
各保育所毎の点数を見ても概ね固定化されています。