福岡市早良区のマンション6階ベランダから3歳女児が転落死しました。ベランダの柵部分に設けられている格子状の突起をよじ登ったとみられています。

マンション6階から転落し死亡した3歳の女の子 室外機ではなくベランダの格子や手すりなどをよじ上ったか

24日、福岡市早良区のマンションで6階から転落して死亡した3歳の女の子が、ベランダの格子などをよじ上って転落したとみられることが新たにわかりました。

24日午後1時半ごろ、福岡市早良区曙にあるマンションのエントランスの屋根に女の子が転落し、病院に搬送されましたが、頭などを強く打ち約1時間半後に死亡が確認されました。

死亡したのはこのマンションの6階に住む竹内美緒ちゃん(3)で、当時、両親はリビングにいましたが、美緒ちゃんは1人で別の部屋にいたということです。

警察がこの部屋のベランダを調べたところ、室外機には子供が乗ったような形跡はなく、美緒ちゃんがベランダの格子や手すりなどをよじ上り、高さ約1.2メートルの柵を乗り越えたとみられることが新たにわかりました。

警察は、美緒ちゃんが誤ってベランダから転落したとみてさらに詳しく調べる方針です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e0ade6957e3fab40e477f939bed3cd20e55c4f2

お悔やみ申し上げます。

幼児がベランダから転落する事故が後を絶ちません。
【追記】4歳児がマンション9階ベランダから4歳男児が転落死 外壁部分に上りやすい段差あり 那覇市
【4/19追記】広島市で3歳女児がタワマンから転落死 高さ約40センチの踏み台を勝手口からベランダへ持ち出した?

消費者安全調査委員会は「子供が開けられない施錠、窓やベランダに足場を置かない」と早急な対策を促しています。
子供の転落事故対策は「子供が解錠できない施錠・窓近くやベランダに足場を置かない」が重要(転落事例あり)
「窓やベランダの近くに物が置かれていませんか?」「今すぐ対策を」

これらに加え、今回の事故ではベランダの手すりの構造に伴うリスクが顕在化してました。「格子」です。


転落現場となったベランダ(グーグルストリートビューより)

ベランダにある柵や手すりは一定の高さ(120センチ)があります。3歳女児の平均的な身長は約95センチです。頭頂部すら手すりの上に出ません。

しかしながら、この手すりには「格子」の様な模様が水平状に設けられています。目測で約3センチほどの出っ張りがあります。たった3センチだとしても、子供にとっては十分な幅です。

自宅で過ごしていた子供は裸足だったと考えられます。3歳児の一般的な足のサイズは約16センチです。3センチもあれば足の親指が掛かります。ボルダリングの様な感覚で簡単に上方向へ移動できてしまいます。

動機はベランダから遠くを見たかったのかもしれません。目線が出る高さまで上れれば十分に見えますが、もっと見やすい高さまで上りたかったのでしょうか。

顔が出るばかりでなく、上半身が乗り出せる高さまでも簡単に上れます。そうした状態で手すりから下方向でも見ようものなら、あっという間にバランスを崩してしまいます。

「保護者が室内でしっかりと見ておくべきだった」「窓に補助錠を設置すべきだった」という意見は少なくありません。確かにその通りですが、親が常に注意・監視するのは難しいです。どうしても目を離してしまう時間帯もあります。私はしっかりと見るタイプですが、子供の行動に気を遣いすぎる余りに疲れてしまう傾向があります。

補助錠も日常生活にはマイナスです。特に洗濯物干し等で頻繁に出入りする窓に補助錠を付けると、出入りする度に解錠・施錠する手間が生じてしまいます。

一方でベランダの構造は盲点かもしれません。高さが基準を満たしていたとしても、手すりを含む構造体部分に足を掛けられる部分があると、子供は簡単に乗り越えてしまいます。

那覇市で9階から4歳児が転落した事故では、ベランダの外壁部分が二層構造になっていました。子供の運動能力ならば簡単に上れてしまいます。

子育て世帯では「足場になる物をベランダに置かない」という対策は周知されているでしょう。しかし、ベランダの柵部分や構造その物に対する危険性まではなかなか気付きません。仮に気付いても、工事等によって除去するのは困難です。事実上、転居するしかありません。

お住まいの住居のベランダ柵部分に子供が足を掛けられそうな突起はありませんか? 今一度確認して下さい。我が家は大丈夫でした。