令和6年度 子ども・子育て支援調査研究事業 教育・保育施設等における食事中の誤嚥事故防止対策に関する調査研究事業報告書」が公表されています。

令和6年度 教育・保育施設等における食事中の誤嚥事故防止対策に関する調査研究事業
https://www.irric.co.jp/reason/research/index.php#section5

朝日新聞にて「食事のどに詰まらせる事故防げ パッとみて分かる、保育園向け新手引」「保育園のおやつで息子失った母「せめて学びを」 願いが国を動かした」として紹介されています。

「教育・保育施設等における~」を銘打っていますが、一般的な子育て家庭でも非常に役立つ内容となっています。いくつかご紹介します。

最も重要なのは食材整理表でしょう。使用を避ける食材や調理を工夫する食材が網羅されています。0-1歳児のみならず、4-6歳児でも注意が必要です。



https://www.irric.co.jp/pdf/reason/research/2024_research_report_3.pdf

使用を避ける食材として列挙されているのは、もち・白玉団子・乾いたナッツ・豆類・ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ・個装チーズ・うずらの卵・アメ類・ラムネ・いか・こんにゃくです。家庭でも使いやすい食材が多いです。やむを得ず提供する場合には、1/4カットや加熱が求められています。

こうした食材を提供する場合は気を遣っています。気道に詰まるのが本当に怖いので、必ず小さくカットしています。カットばさみを重宝しています。

窒息事故が非常に多いリンゴは具体的な加熱方法を動画にて示しています。家庭でここまでするのは少し大変かもしれませんが、リンゴはそれだけの危険性を伴う食材です。

リンゴの加熱方法
https://ovp-player.smartstream.ne.jp/ms-ad-hd/output/player/e2f1737eb77d4118ac1c05f46aec55b6/index.html?mp=d4a44269acd04ce78796c206276948f6&ts=1738287455

食事を提供する方法もポイントです。

家庭では「ゆとりある時間」「食事前に水分を摂る」「眠る・怒る・泣くで食事中断」「遊ばない・喋らない」「正しい姿勢」が重要ですね。

我が家では特に「食事前に水分を摂る」を徹底しています。以前にお世話になっている保育園のベテラン保育士から「給食の前に必ずお茶を飲ませています」と聞いて以来、家庭でも真似しています。

栽培活動や行事でも注意が必要です。

https://www.irric.co.jp/pdf/reason/research/2024_research_report_4.pdf

「節分の豆」に関する認識は広まっています。過去には窒息する事故がありました。

節分の豆は5歳以下に食べさせない、飲食後の激しい運動に要注意(松江市の節分事故報告書・消費者庁)

家庭では豆を投げたりする機会はないのですが、外部の行事(地域の節分祭等)で子供に固い豆が配布される事があります。子育て世帯と比べ、町内会や行事を取り仕切る高齢男性に危険性の認識が欠けているからでしょう。

栽培活動は盲点でした。思い返してみると、確かに保育園ではミニトマトを栽培していません。サツマイモやナス等、調理に一手間が必要な野菜ばかりです。

保育所等と家庭では子供の過ごし方に大きな違いはありますが、食事内容は共通しています。保育所等でも危険な食材は、同じく家庭でも危険です。保育所等で提供を躊躇う食材は、家庭でも躊躇うべき食材です。

忙しい日常生活の中では、危険な食材を見落としてしまうこともあります。先に紹介したパンフレットをキッチンやダイニングに貼り付けておけば、提供する前に気付けるでしょう。