保育所等に限らず、家庭等でも起きかねない事故です。保育園にて手指消毒用のアルコールを手に付けて舐めた女児が急性アルコール中毒を発症し、緊急搬送されました。

今年3月、島根県雲南市立の保育園で、新型コロナ対策用の消毒液をなめた女の子が、意識を失い、救急搬送されていたことが分かりました。 

雲南市によりますと、この女の子は3月28日の午後3時半ごろ、園内で「目がぐるぐるする」と訴え、体に力が入らず、自分で立てなくなったということです。

親が市内の医療機関へ連れて行きましたが原因が分からず、女の子は意識を失ってしまったため、出雲市の島根県立中央病院に救急搬送されました。

女の子は午後9時半頃に目を覚まし、「手指消毒用のアルコールをたくさん舐めた」と話したため、検査したところ、「急性アルコール中毒」と診断されました。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/41888?display=1

目がグルグルし、自分の力で立てなくなったら一大事です。誰もが早急に医療機関を受診するでしょう。当初は意識があったので親と共に医療機関(かかりつけ医?)を受診しましたが、意識を失って救急搬送されました。命の危険を感じた瞬間です。

島根県立中央病院での措置が功を奏したのか、女児は夜までに意識を回復して会話が出来る状態となりました。

原因はあっけないものでした。「消毒用アルコールの誤飲」です。プッシュ型のボトルから手に吹き出されたアルコール消毒液を、何度も舐めていました。

同日夜になって会話ができるようになった女児は「昼寝の時間に、消毒用アルコールを手に付け、数回なめた」と話した。血液検査などから、同病院は急性アルコール中毒と判断した。

女児が在籍する保育園では、プッシュ型のボトルに入った消毒液を、4歳と5歳の児童には自由に使わせていたという。同園から報告を受けた市は翌3月29日、園児らの手が届かないところで消毒液を保管し職員の監督下で使わせるよう、保育施設へ求めた。

https://www.nikkansports.com/general/news/202205130001254.html?mode=all

大人は全く想像できない行為と結果です。まさかアルコール消毒液を舐めるなんて、そして舐めた程度で急性アルコール中毒を起こしてしまうとは。

実は市販されているアルコール消毒液の濃度は非常に高いです。たとえばビオレu手指の消毒液は約60%です(測定方法によってバラツキあり)。

「ビオレu 手指の消毒液」や「ビオレガード 薬用消毒スプレー」のエタノール(アルコール)濃度を教えて?
https://www.kao.com/jp/qa/detail/22108/

ビールのアルコール濃度が約5%です。それと比べると、非常に高い濃度です(単純比較できるわけではありませんが)。

また、子供の体重は軽いです。女児の体重は約15~20kg程度でしょう。少量のエタノールでも容易に中毒症状を引き起こしてしまいます。

対応策はシンプルです。「子供の手の届かないところに置き、大人の監督下で使わせる」ことです。子供に自由に使わせるのはNGです。

念の為にお世話になっている保育所を確認したところ、いずれも子供の手が届かない場所に消毒液が置かれてました。一安心しました。

ただ、家庭では手が届く場所に置いています。使用する度に子供に声を掛けられるのは辛いです。