平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第16回もリクエストにお応えして浪速区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。
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昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

区全体としては、概ね前年通り

浪速区の申込数は前年より41人増加し、募集数は30人増加しました。募集数の増加分は地域型保育事業の充実と新設された桜川保育園によるものです。

申込数が特に増加しているのは、前年から25人も増えた2歳児です。これには明確な理由があります。H27一斉入所の1歳児入所申込数がH26より31人も増加し、入所できなかった1歳児(当時)が多く発生した為です。なかなか入所できず、H28一斉入所の2歳児クラスへ多くが申し込んだのでしょう。入所倍率も跳ね上がっています。

2歳児申込数が特に増えているのは、区南西部にある大国保育所(+12)・浪速第1保育所(+5)・浪速第5保育所(+5)です。前2保育所はH27一斉入所での1歳児申込数が極めて多かったです。

大浪通の北側は入所困難

浪速区での保育所入所等を観察していると、大きく2つの地域に分けて考えられます。

1つは大浪通より北、道頓堀に近い地域です。この地域は国鉄関連施設跡等の再開発が盛んに行われており、次々とタワーマンションが建設されています(詳細はこちら)。大阪市内で保育所入所が最も困難な西区に近い事から、道頓堀川を超えて浪速区内の保育所へ登園している児童も少なくないでしょう。その為、この地域で保育所へ入所するのは極めて困難な状況になっています。

浪速区で最も入所倍率が高かった浪速さくら保育園もこの地域にあります。入所倍率はほぼ前年通りの1.86倍でした。0-1歳児の申込数が増加しています。西区内に分園があり、両区から児童が登園していると考えられます。

桜川保育園の1歳児は驚きの高さ

次に高かったのは、平成28年1月に開所予定の桜川保育園の1.68倍です。驚く事に、1歳児は募集数1人に対して第1希望申込数は27人もいました。入所倍率27倍は市内最高でしょう。ただ、平成28年1月の年度途中入所申込が9月14日までとされており、多くの方がH28一斉入所申込と重複して申し込んでいるでしょう。開所当初の0歳児募集予定数6人を控除した21人が事実上の第1希望申込数だと推測されます。それでも多いですね。

桜川保育園は数多くのタワーマンションが建設されている地域の斜向かいにあり、多くの児童が第1希望として申し込むのは当然でしょう。ファミリー向けのタワーマンションが建設されて多くの児童が保育所・小学校等へ登園するのは明白にも関わらず、必要な施設整備を行っていない地域が極めて多いです。都市計画と保育所・学校施設整備の連携が行われていない、という印象です。

再開発地域内にある蓮美幼児学園みなとまちナーサリーは入所するのが極めて困難な保育所でした。しかし、桜川保育園やもとまちさくらさくほいくえんの新設、また5歳児までの保育を行う保育所への希望が高まっている点などから、徐々に第1希望申込数・入所倍率が低下していています。浪速区・隣接する西区東部に私立幼稚園が極めて乏しいのも無視できません。

上記3保育所へ入所するには、高い点数が必要とされるでしょう。フルタイム共働きとしての点数が要求される保育所・クラスが多くを占めると予想されます。

また、上記地域に隣接するもとまちさくらさくほいくえんや小田町保育所の入所倍率も高くなっています。再開発地域や周辺に数多くある市営住宅に住んでいる方の申込が多そうです。小田町保育所への申込数は3年前から半減しているのは、もとまちさくらさくほいくえんへ分散したのが大きな理由でしょう。

東部・南部はやや入所しやすく

一方、区東部・南部の保育所は比較的入所しやすくなっています(2歳児を除く)。特に愛染橋保育園・大国保育所は1歳児の第1希望申込数が大きく減少しています。一部の保育所へ1-2歳児の申込が多く集まっていますが、第2希望以下の保育所・地域型保育事業を含めれば、殆どの児童は登園可能なエリアにある保育所等へ入所できるでしょう。

この地域で見逃せないのは、日本橋5丁目に開設されるこぐまの森保育園日本橋園です。恵比寿町駅・新世界に近い小規模保育施設です。1-2歳児の募集数も多く、利便性の高さが感じられます。

この地域では数多くの市立保育所が休園・廃園され続けてきました。数字を見る限り、これ以上の休廃園は必要ないでしょう。逆に、大規模な再開発が行われる場合には保育所の設置が迫られそうです。

昨年の記事(参考)
【H27保育所一斉入所申込分析】(14)浪速区
【H27保育所等一斉入所結果分析】(17)浪速区

次回の予定

次回は生野区、その後は住之江区・天王寺区・東淀川区・東住吉区・港区を予定しています。何とか12月4日の申込変更期限までに掲載したいと考えています。

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