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(大阪市浪速区 なんばセントラルプラザ リバーガーデン)

タワーマンション新築による保育所等の不足に要注意(上)の続きです。

タワーマンションが建設されると地域人口が増加して賑やかになる一方、子育て世帯にとっては保育所等へ入所できるかが心配な所です。
次は平成27年度(2016年3月まで)に完成が予定されているタワーマンションの一覧です。
計画・建設中のタワーマンション(建設ニュース)より引用します。

【完成直後・建設中(2016年3月までに完成予定)】

名称戸数所在地完成予定
クラッシータワー南船場146中央区南船場12015/6
プラウドタワー安堂寺100中央区安堂寺22015/7
なんばセントラルプラザ リバーガーデン553浪速区湊町22014/9
2015/8
ピアッツァタワー上本町127天王寺区上本町52015/9
クラッシィタワー淀屋橋216中央区淡路町32015/12
阿波座ライズタワーズ フラッグ46565西区江之子島22016/1
ジオタワー南堀江205西区南堀江42016/2
ブランズタワー・ウェリス心斎橋NORTH246中央区東心斎橋12016/2

サンクタスタワーほどの巨大物件はありませんが、中央区・西区を中心に多数のタワーマンションの建設が予定されています。タワーマンションが建設された地域にある保育所には転居・出産等で急増した多数の乳幼児の申込が集中してしまい、只でさえ保育所不足が深刻化していた地域で更に保育所が足りなくなってしまいます。

幾つかのタワーマンションを例に取り、平成27年度一斉入所における状況を踏まえつつ、平成28年度一斉入所にどの様な影響が生じるかを推測してみます。

クラッシータワー南船場(中央区南船場1)

地下鉄長堀橋駅の北東すぐの場所です。既に完成・入居が始まっており、保育所等への年度途中入所・平成28年度一斉入所へ申し込む方は少なくないでしょう。

この街区に保育所等はありません。松屋町駅前にある蓮美幼児学園まつやまちナーサリー、南久宝寺町にあるマザーシップ船場保育園・御堂筋本町ちどり保育園・おひさまルーム本町園(小規模保育)が最寄りです。また、来年4月にやや南の島之内1丁目にて保育所の新設が予定されています。

これら保育所はいずれも入所者平均点が190点を超えており、入所基準点も低くありません。ただ、御堂筋本町ちどり保育園が新たに開所したのとビジネス街・繁華街に近すぎる為か、中央区東部(谷町界隈)ほど保育所へ入所するのは難しくない様子です。

入居者が申し込む保育所等は上記の5施設に分散する為、それぞれの保育所等への影響は軽微なものと予想されます。余談となりますが、最寄駅や通勤先へ向かう途中に保育所等がないと、登園する為に大回りを強いられてしまいます。クラッシータワー南船場から谷町・本町方面へ自転車等で通勤される方は預けやすい場所に保育所等がありますが、地下鉄で通勤する方には不便な場所と言えるでしょう。

なんばセントラルプラザ リバーガーデン(浪速区湊町2)

2014年と2015年、2期に分けて工事・分譲等が行われた様子です。桜川保育園の周辺を歩き回った際は既に本体工事は完成しており、外構部分等の工事が行われていました。

リバーガーデンは旧国鉄用地(清算事業団)に建設されており、周囲には高層マンションが建ち並んでいます。この一角だけに未来都市が出現したのかと錯覚する光景です。

この街区では8年前に蓮美幼児学園みなとまちナーサリーが新設され、保育を行っています。しかし、マンション群の入居者と比較して、圧倒的に定員が不足しています。平成27年度一斉入所の新入所者数は9人、平成26年度は7人でした。

極端に少子化が進行していた市内中心部で子供が増える一方、共働き世帯の子供が日中を過ごすのが保育所等です。入所するのに必要な点数も極端に高く、0歳児はフルタイム・1-2歳児は何らかの加算点が必要だと推測されます。西区・中央区・天王寺区に匹敵する難しさです。

余りに深刻な状況の為か、リバーガーデンの向かい側で保育所の新設が進められています。今年10月の開所を予定している桜川保育園です。ただ、読者の方から「開所が遅れそう」という声を頂き(ありがとうございます)、浪速区のホームページでも入所案内が掲載されていません。

リバーガーデンの入居者の多くが第1希望とするのは、恐らくは桜川保育園でしょう。マンションから見える場所にある新設保育所であり、0-5歳児の保育を一貫して行い、通勤先・なんば駅へ向かう途中に何ら無理なく立ち寄れます。また、蓮美幼児学園みなとまちナーサリーも第1希望・第2希望となるでしょう。保育が2歳児までという点が引っかかってしまいます。

タワーマンションが新築されても新たに保育所が開設されるので、この街区から保育所へ入所するのに必要な点数は従前から大きな変化はないでしょう。逆に言うと、保育所が新設されても必要な点数は高止まりが予想され、フルタイム共働き以外の世帯からの入所は引き続き困難だと考えられます。

この2保育所へ入所出来なかった場合は大変です。なんば駅から離れた方向にある、生活圏が全く異なる地域の保育所・小規模保育が候補となります。駅チカ・都心部のタワーマンションに居住したメリットが大きく減衰されるでしょう。

阿波座ライズタワーズ フラッグ46(西区江之子島2)

平成27年度中に大阪市内にて完成する最大級のタワーマンションです。価格帯は子育て世帯の手が届く範囲にあり、ファミリー層が少なくないマンションではないでしょうか。しかしその半面、保育所事情が最も心配されるタワーマンションです。

四方を川・高速道路で囲まれていて、特に木津川・土佐堀川がある西部・北部へはやや移動しにくい立地と言えます。高潮対策の為でしょうか、橋の傾斜が厳しく、子供を乗せた自転車で橋を渡るのに気力と体力が必要です。
すぐ近くに波除学園分園ぴよこじま・YMCAあわざ保育園・あい・あい保育園阿波座園(小規模保育)がありますが、いずれも0-2歳児までの保育しか行っていません。
0-5歳児の保育を行っている保育所等へ登園する場合、少なくとも1駅以上先となってしまいます。
そして、1駅以上離れた場所(東・南・東南方面)は、大阪市内で保育所へ最も入所するのが困難な地域の一つです。
入所基準点195点、入所者平均点が200点を超える保育所が殆どで、フルタイム共働き(1-2歳児は更なる加算点)が最低条件と言えるでしょう。

最寄りの保育所がない為、タワーマンションからの入所希望者は多くの保育所へ分散すると考えられます。
しかし、そもそもの入居者が多く、各保育所の定員も多くない為、決して無視できない影響が各保育所へ及ぶでしょう。
その合計値は西区全体の申込者の増加となって現れます。

来年4月に西区役所の近くに新たな保育所が設置される予定です。
しかし、これまでの西区での保育所申し込み状況等を見る限り、依然として極めて厳しい状況に変わりはないでしょう。
来年2月の一斉入所で多くの方が保育所等へ入所できないのは残念ながら間違いありません。
仮に入所できても、マンションから離れた場所へ自転車等での登園を余儀なくされるでしょう。
通勤先とは反対方向という可能性もあります。
保育所等を利用する場合、目の前にある阿波座駅を利用できない可能性が高いです。

阿波座ライズタワーズ フラッグ46にお住まいを予定されている方、保育所等はどの様にお考えでしょうか?
よろしければお話を聞かせて下さい。