本日12月24日、多くの大阪市立小中学校で終業式を迎えました。我が家の子供も昼過ぎには帰宅し、早々にテレビゲームに向き合っていました。早くも明日からの冬休みに頭が痛いです。
終業式と言えば「通知表」です。多くの学校では学期末の懇談時に通知表の事前開示(内示?)があり、各科目毎の評定等は既に判明しています。こうした評定が付いた理由を説明してくれる先生もいるでしょう。
気をつけて頂きたいのは「評定の見方」です。親世代の頃は「5」は殆ど付かず、圧倒的に多いのは「3」でした。しかし、今の世の中、特に大阪府では大きく異なります。
大阪府では公立高校入試に於いて内申点(評定の合計)を利用します。各学校毎で内申点の付け方に差があると、高校入試の公平さが揺らぎます。
その為、「大阪府公立高等学校入学者選抜調査書評定の府内統一ルール」が定められています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/110179/r7-grade-leafle.pdf
中学3年生は2年生学期末の評定及びチャレンジテストの結果、中学1-2年生は各学年2学期末までの評定及びチャレンジテストの結果から、各校の「評定平均の範囲」を算出します。
各校で実際に付けられた評定平均が範囲内に収まっているかを確認し、もしも収まらなければ評定の方法を見直した上で再び評定を付けるものです。
ただ、これらはあくまで「評定平均の範囲」の話です。保護者や子供にとってより重要なのは「評定の甘さ」です。
物価高ではありませんが、大阪府の評定平均は著しくインフレしています。令和6年度の中学2年生の府全体の評定平均は、主要5教科が「3.51」、それ以外の4教科が「3.60」となっています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/106331/r07mokuhyo_jyunkyo.pdf
公立高校入試に直結する3年生学年末の評定平均や付け方も、中学2年生での評定平均が基準となります。学年が変わっても評定の付け方(根拠となる考え方等)は変わりません。
主要5教科で「5」が25%、「4」が25%も付いています。すなわち上位5割には「5」や「4」が付きます。反対に「1」は6%、「2」は12%しかありません。「1」や「2」が付くのは2割弱のみです。
その間の「3」は32%と最も多いのですが、中央値未満となっています。学力順に並べると「3」は半分未満です。
副教科は更に甚だしいです。半分未満の生徒であっても「4」が付くケースがあります。先生方が極力「1」や「2」を付けたくない心情は理解できますが、「絶対評価」という名の下に評定がインフレしているだけです。
評定から学力や立ち位置を推し量るのは困難です。定期テストや模試の結果を見なければ分かりません。学校外教育を頼りにする一因です。
最上位層のみならず、学力上位層でも評定では差が付きません。公立進学校等の入試では「当日の学力検査での一発勝負」という色合いが濃くなっています。
更に学力最上位層を選抜したい一部の公立高校は、学校特色枠にて内申点を評価しない「内申ゼロ枠」を新たに設けました。
公立進学校への進学を希望するのであれば、「ほぼオール5」が大前提となっています。「3」があると厳しいです。塾の先生からも強く詰められます。
親世代の様に「3はまあまあ、4は上々」という時代ではありません。大阪の実態は「3は真ん中より下、4はまあまあ、5は上々」です。
詳しい数字が気になるのでしたら、個人懇談等の場で先生に「先生の受け持ち教科では、何パーセント程度の生徒に5を付けましたか?」と訊ねてみて下さい。大まかな数字は教えてもらえます。


