2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第13回は中央区です。リクエストを頂きました。



※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数等は申込者数に含んでいます。

昨年と比較して、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、保育士等優先枠の申込は緑で表示しています。

申込数は2年連続増、1歳児申込は過去最多

中央区の申込数は前年より10人増の624人、募集数は19人増の660人となりました。申込数は2023年度一斉入所で562人まで減少しましたが、それ以降は2年連続で増加しています。ビジネス街や繁華街を抱えるという地域特性から、コロナ禍からの景気回復に敏感に対応したのが一因でしょう。

昨年から大きく増加したのは1歳児です。申込数は44人増の278人でした。同区の1歳児の申込数としては過去最多です。0歳児申込数も16人増加しています。

区全体の入所倍率は0.95倍でした。比較される事が多い北区や西区より高く、都心部の中では入所しにくい地域となっています。毎年の様に新しい保育所等が新設されていますが、ここ1-2年はそれを上回る勢いで申込数が増加しています。

特に厳しいのは谷町四丁目を中心とする上町台地北部にある保育所等です。2025年度一斉入所で申込倍率2倍を超えた4保育所等の内、3保育所等が谷町四丁目周辺にあります。

反対に長堀通以南の上町台地南部や阪神高速1号線以西の船場では、申込倍率1倍前後という保育所等も多いです。こうした構造物が心理的障壁ともなっています。

同区は地域型保育事業が多いのも特徴的です。区内にある保育所等の内、半数近くが0-2歳児の保育を行う地域型保育事業です。第1希望は5歳児までの保育を行う保育所やこども園に偏りやすいのですが、同区では地域型保育を第1希望とする申込も少なくありません。

地域型保育事業も二極化しています。蓮美幼児学園いずみプリメール・てんとうむし園の様に第1希望で定員をほぼ充足している施設がある一方、第1希望での申込が殆どない施設もあります。

いずみプリメールは数多くの保育施設・幼児教育施設を運営している蓮美幼児学園グループに属し、てんとうむし園は充実したブログを日々更新しています。こうした特色等が子育て世帯を引きつけているのでしょう。

本町敬愛保育園(マンション入居者優先)は第1希望殺到、非居住者の入所は困難

まずは申込倍率が著しく高い保育所等の数字を見ていきます。

先に指摘した通り、申込倍率が2倍を超えたのはゆめ中央保育園・ブライト保育園大阪谷町・アーバンチャイルド保育園上町・本町敬愛保育園でした。

初めの3保育所等は官庁街・ビジネス街の中心たる谷町四丁目周辺にあります。毎年の様に非常に多くの方が第1希望としている保育所等です。

異色なのは本町敬愛保育園です。同保育所は船場地域にあるシティタワー大阪本町の1階部分に入居しており、マンション居住者は優先的な利用調整の対象となります。

住んでいるマンションの1階部分に保育所等があり、かつ優先的に調整されるのであれば、子育てしている居住者が第1希望とするのは当然です。0歳児募集予定数5人の内の3人、同1歳児5人の内4人が優先利用として申し込みました。非優先利用での募集枠は殆どなく、入所は極めて困難です。

1歳児1.37倍、2歳児は募集施設少

次は年齢毎の数字です。

区全体の0歳児入所倍率は0.61倍でした。申込者全員が入所できる倍率ですが、第1希望には偏りがあります。2倍を超えたのはアーバンチャイルド保育園上町と本町敬愛保育園です。

厳しいのは1歳児です。申込倍率1.37倍です。大阪市平均1.3倍を上回っています。その多くは、上町台地に集中しています。

2倍を超えたのは、ゆめ中央保育園(7.5倍)・【仮称】蓮美幼児学園もりのみやキンダースクール(3倍)・ブライト保育園大阪谷町(5.5倍)・ぴっころきっず谷町園(2.5倍)・うれしい保育園玉造(2.33倍)・なにわのもり保育園(2.67倍)・アーバンチャイルド保育園上町(2.25倍)・谷町中央保育園(2.80倍)・クオリスキッズ谷六保育園(2.25倍)・本町敬愛保育園(4倍)でした。

上町台地北部や以東の地域を表している「谷町」「森ノ宮」「玉造」という名称が散見されます。船場地域にあるのは本町敬愛保育園だけです。

こうした保育所等ではフルタイム共働き・第1希望でも入所できないケースが生じ得ます。きょうだい・認可外保育施設・単身赴任加点がある児童の申込が少なくありません。

一定以上の点数がなければ、こうした保育所等を第1希望とするのは躊躇われます。相対的に入所しやすい、地域型保育事業や上町台地北部以外にある保育所等も選択肢となります。

申込倍率は決して高くないものの、2歳児と3歳児は注意が必要です。募集を行っている保育所等が少なく、申込が集中した一部の保育所等が著しく高い倍率となっている為です。

2歳児ではあゆみ保育園・アーバンチャイルド保育園上町・谷町中央保育園で申込倍率が3倍を超えています。募集予定がないゆめ中央保育園やブライト保育園大阪谷町にも多くの方だ第1希望として申し込んでいました。

実は2歳児入所は非常に難しくなっています。募集人数が少なく、選択肢が限定されています。3歳児入所の方が募集を行う保育所等が多く、選択肢は広がります。幼稚園へ進級する為に退所する児童も少なくなく、実募集数は上振れします。

ただ、3歳児入所では地域型保育事業の卒園児加点を有する児童が数多く申し込みます。何らかの加点がない申込者は不利となりがちです。特に地域型保育事業が多い中央区では顕著です。

他区より中央区が恵まれているのは、企業主導型保育や認可外保育施設が非常に多い点です。もしも認可施設へ入所できなかったとしても、代わりとなる保育施設は見つけやすい地域です(費用は嵩みますが)。

また、大阪市は企業主導型保育に通う第2子の保育料も無償化する方針を打ち出しました。

大阪市長「第2子保育料無償化の企業主導型保育での実施の検討を指示」(全文あり)

今後は認可保育所等のみでなく、企業主導型保育も認可保育の一種別として考える時代がやってくるかもしれません。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は西区を予定しています。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

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