2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第7回は天王寺区です。リクエストを頂きました。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

第1希望が一部の保育所やこども園へ過集中

天王寺区の申込数は前年より14人減の649人、募集数は84人減の632人となりました。募集数が急減したのは、2025年度一斉入所では新設保育所の募集が無い為です。

2024年度一斉入所では3保育所(うれしい保育園堂ヶ芝・木下の保育園天王寺・うれしい保育園上本町)が新設されました。いずれの保育所等でも新設1年目は全定員を一斉に募集しますが(例外あり)、2年目以降は下の年齢からの持ち上がりを控除した人数となります。比較対象となりうるのは2023年度一斉入所での数字です。

2年前と比べて大きな変化が生じているのは3歳児です。申込数が2023年より41人増、2024年と比べても20人増となりました。募集数は55人と限られており、入所倍率が2.29倍へと倍増しました。鶴見区について市内ワースト2位です。

遠因は2022年度一斉募集に遡ります。その前後の年と比べ、入所申込を行った0歳児が際だって多かったのです。その流れは2023年度1歳児入所や2024年度2歳児入所と引き継がれ、2025年度3歳児入所にも影響しました。理由は不明ですが、天王寺区では2021年上半期にベビーブームが生じていました。

天王寺区は幼稚園が多い地域なので、最終的な3歳児募集数はもう少し増えます。しかしながら、全ての3歳児が入所できるとは限りません。特に卒園児加点がない園児は厳しい結果が予想されます。

0-2歳児の申込数や募集数は落ち着いています。しかし、第1希望としての申込先が一部の保育所やこども園に集中しており、これらは際だって高い入所倍率を示しています。

他区でも同様の傾向が生じています。ただ、天王寺区では「保育所やこども園への集中」ではなく「一部の保育所やこども園への過集中」が生じています。

中でも天王寺こども園(大阪市立天王寺保育所が民間建替移管)・蓮美幼児学園うえしおキンダースクール・蓮美幼児学園たにまちナーサリー・あろんてぃあきっず真法院町保育園は全体の入所倍率が2.5倍を超えています。1歳児や3歳児の入所倍率が際立って高く、他の年齢にも多くの申込みが集中しています。

高所得世帯が多く、認可外保育施設等が充実しているという地域柄が影響しているのか、天王寺区は入所者の平均的な点数が他区より高い傾向が見受けられます。つまり、限られた募集枠に著しく点数が高い世帯が集中している現象が生じていると考えられます。入所に必要な点数の高さは市内有数です。

0歳児は倍率落ち着く、1歳児は一部施設に集中、3歳児は受入能力不足

以下、年齢別に見ていきます。

0歳児は申込数149人、募集数201人でした。数字の上では全ての0歳児が容易に入所できますが、第1希望は一部の保育所やこども園に集中しています。

入所倍率が2倍を超えたのは、天王寺駅前おおぞら保育園(2.67倍)・天王寺こども園(2.67倍、保育士等優先枠あり)・蓮美幼児学園うえしおキンダースクール(4.25倍)です。何らかの加点が前提という高倍率です。

反対にそれ以外の保育所等は、概ね申込数が募集数を下回っています。仮に第1希望へ入所できなくても、殆どの方は第2-3希望とする保育所等へ入所できる見通しです。

様相が一変するのが1歳児です。申込数289人、募集数240人、入所倍率1.20倍です。しかし、半数近くの139人の第1希望は、わずか7保育所等に集中しています。四天王寺夕陽丘保育園(3.67倍)・天王寺こども園(5倍、保育士等優先枠あり)・蓮美幼児学園うえしおキンダースクール(6倍、保育士等優先枠あり)・蓮美幼児学園たにまちナーサリー(募集予定無し)・あろんてぃあきっず真法院町保育園(5.33倍)・大阪宰相山保育園(2倍)・ゆめ玉造保育園(4倍)です。

入所倍率が際立って高く、募集数も少ない保育所等の場合、きょうだい加点があっても入所できない園児が生じる可能性も否定できません。一定以上の加点がなければ、入所するのは極めて困難です。

何らかの加点がある方であれば、たとえ第1希望へ入所できなくても、第2希望へ入所できる可能性が高いです。希望順位ではなく、点数を優先して調整される為です。

しかし、加点がない(=フルタイム共働きの200点のみ)の場合、多くの方と同じ200点で並ぶと考えられます。同点時に優先されるのは申込要件(災害・就労・・・)、親族同居の有無、そして希望順位の高さです。希望順位の高低で内定/保留と結果が分かれ得ます。

申込倍率が高い区にて入所倍率が著しく高い保育所等を第1希望とした場合、第2希望や第3希望で内定となる可能性は相対的に低下します。そうしたリスクを十分に検討して下さい。

1歳児と同様に厳しいのは3歳児です。募集を行う保育所等に申込者が溢れかえっています。中でも(旧)天王寺幼稚園と天王寺和み保育園が一体化されて設置される「天王寺幼稚園(幼稚園型認定こども園)」には、非常に多くの申込があります。

多くの区で同様の「3歳児問題」が生じています。深刻な待機児童問題が乗じていた0-2歳児の保育先として多くの地域型保育事業が新設されましたが、3歳児以降の保育先は十分な手当が為されていません。

特に新たに3歳児から入所するのは著しく困難です。「保育所等への入所は0歳児もしくは1歳児からをベースに」というのが現状認識です。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は淀川区を予定しています。リクエストを頂きました。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、ウェブサイト上に設置しているAmazonリンク楽天リンクらご購入頂けると幸いです(特にAmazonギフト券を購入し、皆様ご自身で利用して頂けると嬉しいです)。