2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第1回は大阪市全体の数字をざっと見ていきます。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

前年比931人増、1-3人で大幅増、1歳児は6,936人

2025年度一斉入所への申込数は前年より931も人増加し、15,044人となりました。過去最多の申込数にこそ達しませんでしたが、大幅な増加となりました。急激に進む少子化と相反する現象が生じました。

主な要因はインバウンドを中心とするコロナ禍からの急激な景気回復、そして何よりも第2子保育料無償化(及び導入が検討されている第1子保育料無償化)でしょう。大阪市でも(他自治体と比べて)緩やかに少子化が進行していますが、それを上回る保育需要が生じています。

申込数が顕著に増えたのは1歳児(499人増)・2歳児(118人増)・3歳児(157人増)です。1歳児の申込数6,936人は過去最多です(これまでは2021年の6,638人)。1歳児入所倍率は1.30倍に達しました。残念ながら2,000人近い1歳児が入所保留となってしまう見通しです。

入所倍率が最も高かったのは旭区と東住吉区の1.39倍でした。旭区は1歳児と3歳児の入所倍率が約2倍へと上昇、東住吉区は1-3歳児入所倍率が1.7倍前後へ上昇しています。入所保留児童問題が深刻化するのは不可避です。

こうした地域では積極的に保育所等が新設されていないのが現状です。大阪市が公表している資料等では市内中心部や隣接区での新設に注力し、それを取り囲む様に位置している地域では後ろ向きに見えます。

確かにこうした地域では少子化が進み、保育所等の余剰問題が浮上する可能性が高いです。だからと言って、保育所等への入所を現に希望している子育て世帯の願いを軽視しても良い理由にはなりません。

これら以外に注意が必要なのは下記の通りです。

・中央区1歳児(申込44人増)
・西区1歳児(申込み49人増)、3歳児(倍率倍増)
・港区1歳児(1.52倍)
・天王寺区3歳児(2.29倍)
・浪速区(申込1.5倍増)
・西淀川区1歳児(1.47倍)、4歳児(1.65倍)
・淀川区2-3歳児(倍率2倍弱)
・東淀川区1歳児(1.45倍)、2歳児(2.49倍)
・東成区3歳児(1.78倍)
・城東区2歳児(1.54倍)
・鶴見区1歳児(1.61倍で約150人保留見通し)、3歳児(2.97倍)
・阿倍野区0歳児(申込急増でほぼ1倍)、1-3歳児(高倍率&高得点)
・住吉区1歳児(1.53倍)
・平野区3歳児(申込急増でほぼ1倍)
・西成区全年齢(申込数大幅増)

2025年度一斉入所はとにかく「申込数の増加」が目立っています。昨年までの様相とは異なる区や地域が少なくありません保育所等の選択や順位設定には慎重さが必要です。。コロナ禍の影響は全く感じません。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

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