2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第11回は鶴見区です。リクエストを頂きました。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数等は申込者数に含んでいます。


昨年と比較して、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、保育士等優先枠の申込は緑で表示しています。

1歳児・3歳児が申込急増、前年からの影響続く

鶴見区の申込数は前年より66人増の746人、募集数は1人減の625人となりました。申込数は2019年度を上回る過去最多を更新しました。コロナ禍等によって減少していましたが、増加傾向に転じています。

申込みが増加した要因は1歳児と3歳児です。1歳児が61人増、3歳児が28人増となっています。2024年度一斉入所で0歳児や2歳児申込みが多く、1年後も影響が続いている構図です。

その結果、1歳児と3歳児の入所倍率が跳ね上がっています。1歳児入所倍率1.61倍は市内3位の高さ、3歳児入所倍率2.97倍は市内ワーストです。1歳児は140人以上が入所保留に、3歳児で入所できるのは半数程度の見通しです。

保育所等の不足感は強いです。こうした状態で第1子保育料も無償化されると、ますます入所しにくくなります。

細かい数字を見ていきます。

まずは0歳児です。区全体の0歳児入所倍率は0.75倍に留まっています。入所倍率が2倍を超えたのは、やけの保育園ととまり木保育園今津中園のみでした。いずれもここ数年中に新設された保育所等です。新しい園舎に心が惹かれる気持ちはよく分かります。

それ以外の保育所等は落ち着いています。1倍を超えている保育所等もありますが、少なくとも第2希望としている周辺他園等には入所できるでしょう。0歳児はほぼ全員が入所できます。

問題は1歳児です。多くの保育所等に極めて多くの第1希望が集まっています。入所倍率が3倍を超えた(優先枠申込みによる実質倍率も考慮)のは、茨田東保育所・三愛こども園・トレジャーキッズよこづつみ保育園・ポピンズナーサリースクール鶴見緑地・えがおの森保育園いまづ・やけの保育園・もろぐちこども園・よこづつみこども園でした。募集枠のほぼ全てをきょうだい加点等がある児童が占めるでしょう。

周辺にある他保育所等の入所倍率も高いです。第1希望とした保育所等へ入所できなかった場合、第2希望や第3希望に書いた高倍率の保育所等には内定しにくいと考えられます。

同区は企業主導型保育や認可外保育施設が決して多くない為、保育所等以外の手段を見つけるのは容易ではありません。

どうしても保育所等へ入所したい方は、第1希望を申込者が相対的に多くない保育所等へ変更する、第2希望に入所しやすい地域型保育事業を記入する、等の対策が必要です。

違和感がある数字が現れているのがトレジャーキッズよこづつみ保育園です。募集数1人に対して24人が第1希望として申し込んでいます。園全体の定員や地域事情を踏まえると、この第1希望は不合理な数字です。こうした現象は4年前から続いています。一部の申込者には何らかの意図があると感じます。

1歳児と比べると2歳児は落ち着いています。9人が第1希望としているトレジャーキッズよこづつみ保育園は、1歳児で入所できなかった園児が再び申し込んでいるのでしょう。0歳児・2歳児・3歳児募集数よりも1歳児募集数が少ないのは歪です。

3歳児入所倍率2.97倍は異常な数字です。大阪市内全体の3歳児入所倍率1.16倍の3倍近い値です。申込数が前年より27人も増え、募集数が26人も減少したのが理由です。

募集数を大きく減らしたのは放出保育園(8人)とソフィア横堤保育園(5人)です。両保育所等は昨年・一昨年と募集数を大きく下回る第1希望しかありませんでした。そこで募集数を削減したのかもしれません。

反対に申込数が大きく増えたのは、茨田地域にある保育所等が目立ちます。認定こども園茨田大宮こども園(2人)・茨田第1保育所(5人)・茨田第2保育所(3人)・茨田東保育所(3人)・俊英舘第二保育園(5人)です。

この地域では他の年齢でも申込数が増えた保育所等が数多くあります。子供、もしくは保育を必要とする世帯が急激に増加している可能性があります。深刻な状況がうかがえます。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は鶴見区を予定しています。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

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