愛知県東部の拠点都市たる豊橋市にて、保育所等への入所調整に誤りがあったと明らかになりました。
豊橋市は25日、市内の保育園と認定こども園の2025年4月入園者の1次選考でミスがあり、年内に89人に追加内定などの措置を取ると発表した。
発表によると、市は本年度分から公立、私立の入園希望者を一括選考している。25年度は66園で1次選考したところ、8園の受け入れ可能人数が119人分少なく報告されていた。この結果、57人に内定が出ず、32人が希望順位の低い園に内定していた。
市によると、各園と市担当者間のデータのやりとりでミスがあった。結果を通知後、一部の園から「内定者が少なすぎる」との問い合わせがあり発覚した。年内に追加内定や、希望順位の高い園への変更などを連絡する。(以下省略)
同市は「一部の園で受入可能人数が少なく報告されていたこと」が原因だったと発表しました。
一次選考における追加内定等を行います
令和7年4月入園について、令和6年12月2日付けの「保育施設等利用内定通知書」または「保育施設等利用申込結果通知書」により結果をお知らせしたところですが、一部の園で受入可能人数が少なく報告されていたことから、このたび、一次選考における追加内定等を行うこととなりました。
対象となる保護者の方には、12月26日(木曜日)から年内中に電話連絡(※)を行うとともに、文書にて変更後の内定園をお知らせします。
※対象となるすべての保護者の方へ、12月27日(金曜日)午後3時30分までに電話連絡を行いました。電話連絡のなかった方は今回の対象ではなく、12月2日付け通知の結果から変更ありません。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/item/113584.htm#itemid113584
同市は2025年4月入所の申込を9月2日~10日にかけて受け付けました。他市と比べて申込期間が著しく早くなっています。「申込が早過ぎる」と批判される事もある大阪市ですら10月1日~15日までが原則的な申込期間となっています。
より詳しい経緯等は同じページに掲載されたPDFファイルに記載されています。
申込期間が終了した直後、同市は市内の保育所等へ第1希望者数の速報値を連絡しました。ネット上には「メール連絡」との指摘があります。
しかしながら、同市によると一部の保育所等が「第1希望者数」を「内定者数」と誤解してしまったそうです。その後に保育所等から市へ受入可能人数を連絡する際、「受入可能人数-第1希望者数」を「受入可能人数」として連絡してしまいました。
頭を抱えるばかりの単純ミスです。これによって多くの保護者が当惑してしまいました。
原因と対策はシンプルです。ミスの温床となったメール等による速報値連絡は取りやめ、代わりに各保育所等・年齢毎の第1希望者数(速報値)を市役所ウェブサイトに掲載すれば十分でしょう。保護者も情報を知れます。各保育所等へのみ速報する意義を見つけられません。
各保育所等が受入可能人数を連絡するタイミングにも問題があります。申込等を行う前に連絡すれば良いだけの話です。入所調整が進行するタイミングで連絡を行うので混乱します。
もしも第1希望者の人数によって受入可能人数を変更する可能性があるならば、申込後に個別に変更すれば事足ります。
一連の報道や公式発表を見る限り、豊橋市の保育所等入所調整に関する業務フローには著しい問題があると感じています。複雑すぎます。
豊橋市の保育所等入所調整は全て手作業?!
豊橋市も問題意識を有しいます。なんと同市は入所調整を全て手作業で行っているそうです。助けを求める声がUrban Innovation JAPANに投稿されています。
入園審査業務を全て手作業で行っていることから、選考結果が出るまでに相応の時間を要しており、選考結果の通知が遅れるなど、保護者や保育施設に対しても影響を及ぼしている。
https://urban-innovation-japan.com/project/toyohashi-city/2024-9/nursery-school-screening
同市の人口は約37万人です。大阪市で最も人口が多い平野区(約19万人)のおよそ2倍です。これだけの規模の都市での入所調整を手作業で行っているとは、俄には信じがたいぐらいです。
手作業はミスの温床です。今回の入所調整ミスは起こるべくして発生しました。業務フローを簡素化かつデジタル化しなければ、今後も同様のミスを繰り返すでしょう。