驚きのニュースがありました。8日16時過ぎに日向灘で発生した地震を受け、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
8日夕方に起きた日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は午後7時15分、次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表しました。
気象庁は南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて相対的に高まっているとして政府や自治体からの情報に応じた防災対応を取るよう呼びかけています。
この情報が発表されたのは2019年に運用が始まって以来初めてです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240808/k10014542271000.html
「南海トラフ巨大地震」や「臨時情報」といった言葉を聞いた事がある方は多いでしょう。気象庁ウェブサイトに掲載された最新情報を引用します。
令和6年8月8日19時15分
気象庁南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)
** 見出し **
本日(8日)16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。この地震と南海トラフ地震との関連性について検討した結果、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。今後の政府や自治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください。** 本文 **
本日(8日)16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。その後の地震活動は活発な状態が続いています。また、ひずみ観測点では、この地震に伴うステップ状の変化が観測されています。気象庁では、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、この地震と南海トラフ地震との関連性について検討しました。
この地震は、西北西・東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、南海トラフ地震の想定震源域内における陸のプレートとフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動いたことにより発生したモーメントマグニチュード7.0の地震と評価されました。
過去の世界の大規模地震の統計データでは、1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1,437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少します。このデータには、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(モーメントマグニチュード9.0)が発生した2日前に、モーメントマグニチュード7クラスの地震が発生していた事例が含まれます。世界の事例ではモーメントマグニチュード7.0以上の地震発生後に同じ領域で、モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度となります。
これらのことから、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。
南海トラフ地震には多様性があり、大規模地震が発生した場合の震源域は、今回の地震の周辺だけにとどまる場合もあれば、南海トラフ全域に及ぶ場合も考えられます。
最大規模の地震が発生した場合、関東地方から九州地方にかけての広い範囲で強い揺れが、また、関東地方から沖縄地方にかけての太平洋沿岸で高い津波が想定されています。
今後の政府や自治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されたからと言っても、確実に巨大地震が発生する訳ではありません。過去の事例によると、1904年以降に発生したM7.0以上の地震が発生してから7日以内に同じ領域でM8.0以上の地震が発生したのは6/1437事例でした。
要するに「1週間以内に巨大地震が発生する確率は1%以下、但し発生する確率は通常時の数倍に高まっている」と言えます。「数千回に1回」から「数百回に1回」へと変化したと考えれば分かりやすいでしょう。
気象庁の記者会見で強調されたのは「通常の防災体制を再確認する」という事でした。具体的には避難場所・防災グッズや非常用持出袋・連絡方法の再確認などが挙げられます。現段階では特別の避難行動等を取る必要はない話していました。
夕方に食料品店へ買い物に行きました。念のため、水やレトルト食品を購入しました。普段から防災グッズは充実させています。
夏場で怖いのは停電です。この暑さを冷房なしで過ごすのは無理です。もしも長期に渡って停電したらお手上げです。
今晩は家中の全てのバッテリーやスマホ等を充電します。災害時は通信が命綱です。以前に購入した大型のポータブルバッテリーが役に立つかもしれません。準備しておきたい方は、今からでも注文して下さい。
多くの子供達が日中を過ごす保育所等でも、普段からの防災対策を再確認すれば十分でしょう。既に年数回は避難訓練等を行って手順を確認している筈です。仮に巨大地震が発生しても、同様の避難行動を行えば大丈夫な筈です。
心配なのは保護者側の対応です。保育所等の危機意識と比べ、保護者の意識は決して高くありません。行動や日中の所在地も制限されます。
巨大地震が起きても、すぐに保育所等へ誰かが迎えに行けるでしょうか。都市部では鉄道網が寸断されたら動けません。関西ではここ数年に何度も台風によって鉄道がほぼ全面的に運休しました。
我が家の場合は「私が迎えに行く、どうしても行けなかったら保育所等で一夜を明かす。」という認識で統一しています。
小中学生の子供も学期中とは異なる場所で過ごしている時間があります。子供には「習い事等で地震が起きたら、先生の指示に従う。移動中に地震が起きたら、できる限り気を付けて帰宅する。帰宅するのが難しければ、どこかの避難所へ避難する。」と伝えました。
南海トラフによって居住地や保育所等がどれだけの被害を受けるかは、各自治体が公表している「ハザードマップ」に詳しく記されています。「(自治体名) 南海トラフ ハザードマップ」と検索すると出てきます。
大阪市は南海トラフによる想定津波浸水域を公表しています。
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000299877.html
帰省先や旅行先でも同様に注意する必要があります。帰省先や旅行先のハザードマップまで確認した事がない方が多いと思います。しかし、慣れない場所で災害等に遭遇してしまうと、通常通りの避難行動を行うのは難しくなります。今年1月に発生した能登地震でも多くの方が帰省中に被害に遭いました。
中には海に近い地域への帰省や旅行を考えている方もいるでしょう。南海トラフ臨時情報が出たからと言っても中止する必要があるとは思いませんが、万が一にも地震に遭遇した際の避難経路等は要確認です。安全に避難できる場所でなければ、帰省等の取りやめも検討せざるをえないでしょう。
臨時情報を受け、既に様々な自治体や企業等が行動を始めています。お盆の帰省中に友人と会う予定があったのですが、早くも「南海トラフ対応で難しいと思う」との連絡がありました。
皆さんも南海トラフ巨大地震に注意しつつ、お盆を過ごして下さい。