こども家庭庁は「保育所への入所予約制」の拡充を促進する方針です。

こども家庭庁は出産を機に退職した親が再就職する際に子供を保育所に預けやすくする。再就職希望者が年度途中に子供を入所させられる制度を使えるよう自治体に補助金を出す。退職せずに育児休業から復帰する親に比べて、保育所の入所が難しい現状を改める。

都市部を中心に多くの自治体は、原則1年の育休が終わるタイミングにあわせて年度途中から入所できる「入所予約枠」を設けている。(以下省略)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA137GR0T10C23A9000000/

具体的には保育利用支援事業(入園予約制)の拡充となります。こども家庭庁の令和6年度保育関係予算概算要求に掲載されています。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/214cacce-0305-4ce9-a120-355df90cf035/714736d3/20230901_policies_hoiku_yosan_06.pdf

こども家庭庁は育児休業取得者に加え、出産を機に退職→子供が満1歳を迎えた後に再就職する家庭も対象に追加する方針です。

しかしながら「入所予約制」と言われてもピンときません。実は大阪市では導入されていません。日経新聞には「都市部を中心に多くの自治体」とありますが、大阪市は含まれていません。

大阪府内では箕面市摂津市等が導入しています。

箕面市は地域内のいずれかの保育所への4月入所内定を10月~11月に出す(具体的な保育所が知らされるのは1月以降)、摂津市は公立保育所のみを対象とした4月入所内定通知を9月下旬~10月上旬に出す形式です。

あくまで推測となりますが、大阪市で導入されていないのは「一部地域では待機児童問題が未だ深刻」「申込者や内定者が毎年1万人以上もいる」「制度が過剰に複雑化する」「早期予約等を受け付けるマンパワーが確保できない」のが主な理由でしょう。箕面市や摂津市が入所予約を行っている頃、大阪市は早くも本申込の準備を行っています。

また、上記2市が導入しているのが4月入所の予約制です。日経新聞が記載している「年度途中から入所できる予約制」ではありません。

年度途中入所予約制については、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが作成した報告書に詳しく掲載されています。

保育所入所時期の柔軟化に関する調査研究事業報告書
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/04/koukai_200427_2.pdf

年度途中入所予約制によって保護者が十分な育児休業期間を取得でき、待機児童が少ない地域では保育士や保育所の負担か軽減される効果があるとされています。

一方で、入所調整の複雑化、職員配置の困難さ、予約枠の確保が困難、保育所との調整が難しい、予約枠維持の為の財政支援が必要、年度終盤の入所希望者がいる、等が指摘されています。

自然な形で導入していると考えられるのは名古屋市です。産休あけ・育休あけ入所予約事業を実施しています。1年間の育児休業を終え、職場復帰する日が入所日となります。

産休あけ・育休あけ入所予約事業
https://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000097495.html

4月に入所する為に育児休業を数ヶ月で切り上げるのではなく、そのまま満1歳まで取得した後の年度途中に0歳児クラスへ入所・復職するものです。

この制度であれば、入所調整に掛かる負担は限定的です。4月入所者と同様に調整を行い、入所時期を「○月」とするフラグを立てるだけです。

「入所予約制」といっても自治体毎に内容が大きく異なります。利用を考えている方は注意して下さい。