既定路線でした。

戸田東小学校(埼玉県)を訪問した岸田首相は、記者会見にて「小中学校等の卒業式では、換気等の感染対策を行った上で、合唱等を除き、マスクを着用しない事を基本としたい。生徒等がマスクを希望した場合は、着脱を強いる事をないようにして欲しい。」との旨を発言しました。

岸田総理
「卒業式においては、換気など感染に対策を講じた上で国家等の斉唱や合唱のときを除き、児童生徒と教職員はマスクを着用しないことを基本としたいと思っています」

岸田総理は、埼玉県の小学校を視察後記者団の取材に応じこのように表明しましたが、「着脱については無理強いはしない」とも語りました。

また、岸田総理は、きょう夕方に総理官邸でマスクの着用について関係閣僚と協議すると表明しました。

複数の関係者によりますと、政府は、来月13日からを軸に「原則、屋内・屋外問わず個人の判断に委ねる」ようルールを緩和する方針で調整しています。

あわせて個人の判断の参考となるようにマスク着用に関する指針も示します。

指針では、全員の着席が可能な新幹線や高速バスなどではマスクを外すことを容認する一方で、通勤ラッシュの混雑した電車やバスでは着用を推奨する見通しです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/17f69bdf7a0f3659c0a272476b628d40ca362da7

事実上の「令和の奪マスク令」です。入学式はもとより、4月から始まる新学年でも「マスク不着用を原則」とする方針でしょう。

先日に専門家が発した「感染予防や場面に配慮の上、卒業式等のマスク不着用可も考慮されうる」は事実上黙殺された格好です。

【コロナ第8波】専門家「感染予防や場面に配慮の上、卒業式等のマスク不着用可も考慮されうる」

親としては極めて不安です。そもそも「卒業式ぐらいはマスクを外して参加したい」という気持ちが理解できません。それぞれの素顔は体育・給食・外遊び等で見ています。

島根県の丸山知事や鳥取県の平井知事が痛烈に批判しています。

マスクなし卒業式に苦言「一部の人の感性」「外野が言っている」と島根・鳥取県知事

 島根県の丸山達也知事は8日の記者会見で「全員出席できる卒業式が最優先。高齢者と同居する子や、国公立大2次試験の中期・後期日程を控える子が感染を恐れて出席しない可能性がある。私なら行かない」と問題点を提起。「文科省の通知を気にせず、多面的に現場を見ている学校が判断するべきだ」と強調した。

 鳥取県の平井伸治知事も9日の記者会見で「生徒の健康を守りながら部活動などをどう維持するか知恵を絞ってきた。科学的なエビデンスとかけ離れたところで議論をするのは違和感がある」と苦言。「健康を守ることが優先されるべきで、当事者の間では従来通りという意見が強い」との見解を述べた。

 両知事とも「マスクを着けた卒業式では子どもがかわいそう」との意見にも言及。丸山知事は「子どもや親が喜ぶというのは一部の人の感性」と批判し、平井知事は「現場から遠い外野が言っている」とした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5aee23cbf3f4c932f57f6dee58581ef22b383133

全くその通りです。式典だけマスクを外す意義が全く理解できません。子供にとって大切なのは、日々の学校生活です。そこでマスクを外せるように、感染状況をコントロールするのが大人の責務でした。

「卒業式で外せば子供が喜ぶ」という考えは、式典を重視するのは大人の思い込みです。そもそも式典ほど子供が嫌う行事はありません。

学校は本当にマスクを外させるのでしょうか。反対する保護者の意見が数多く寄せられ、対応に苦慮するのは間違いありません。特に基礎疾患があったり妊娠している保護者は困ります。参加したくても控えざるを得なくなります。

教職員に対しては事実上の業務命令が行われるのでしょうか。市教委から「教職員はマスクを外して参加するように」との通知が発せられたら、学校は従わざるを得ません。

一方、岸田総理は「保護者」を指摘していません。参加する保護者には引き続いてマスク着用を求めるのでしょうか。それとも総理の発言から漏れていただけでしょうか。

私としては4月以降の学校生活を心配しています。新年度から学校でもマスク不着用が基本となるのは間違いないでしょう。

周囲の動向に関わらず、子供には当面はマスク着用を継続させるつもりです。外すとしたら、感染状況が落ち着き、夏の暑さが本格化する頃かと見ています。

今回の政府の決定は何ら科学的根拠がありません。「最後の卒業式ぐらいはマスク不着用で参加させたい」とする「余計なお世話」です。

卒業式はマスクを外させても、教室に戻る最中には着用するように指示されるでしょう。大人の欺瞞を子供はすぐに見破ります。