(11/14追記)
父親が夕方に発見した当時、既に死後硬直が始まっていました。死後数時間が経過したものと考えられます。
父親は12日午前8時ごろ、3人の娘を車に乗せ自宅を出発し、2人を認定こども園に預けましたが、惺愛ちゃんを保育所に預けるのを忘れて帰宅。夕方、迎えに行った際に「登園していない」と言われ惺愛ちゃんを後部座席で発見したということです。父親は、「預けたと思い込んでいた」などと話しているということです。
捜査関係者によりますと発見した際、死後硬直が始まっていて死後数時間経過していたとみられることが分かりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e80f2f8af35c8b25ca93e258b554c58b2d039a1e
何らの助けを求められなかった理由も明らかになってきました。チャイルドシートで固定されていたからです。
また、惺愛ちゃんは3列目に取り付けられたチャイルドシートに座った状態で見つかっていて身動きが取れなかった可能性があるということです。
そして、当初に懸念した通りの出来事が起きていました。無連絡で欠席した児童の家庭へ電話を行うのを職員が怠っていました。
保育所では園児が欠席した場合、職員やクラス担任などが家庭に電話連絡することになっていましたが、11月12日は報告を受けて連絡をする職員が家庭に連絡することを失念していたということです。
(岸和田市の担当者)
「通常なら保育士は別の事務所にいる職員に連絡がない子どもの報告上げて、職員が家庭に電話連絡することになっているし、場合によってはクラス担任が行っていた。12日(土曜日)は少し状況が違っていて、子どもの人数が少ないので、職員も少なくなっている、朝の職員から引継ぎ受けた職員が担当して連絡することになっていた。報告をうけた保育士がその家庭に連絡するのを失念、結果としては連絡したつもりになっていた」
市子育て施設課によると、園児の出欠については▽保護者が登園時にチェックカードに記入する▽保育士が園児の顔を見る▽登園予定の園児がいない場合は親らに連絡する――といった方法で確認するのが基本的な対応だった。
保育所は12日、次女の欠席に気づいていたが、担当の保育士が母親に電話をかけようとした際、別の保護者に対応しなければならなくなり、その間に電話をかけたつもりになっていたという。
これまで、欠席した園児への対応を明文化したものはなく、市は13日に臨時所長会を開き、具体的に文書にして配布した。また、各家庭に連絡した日時や対応した職員、やり取りの内容などを記入する連絡記録簿を新たに作成。職員間で情報を共有し、緊急連絡先に連絡がつかない場合、複数回連絡するよう改めた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e7087781ea554d28753c04924cb93219a874abb
土曜日は出勤する職員が少なく、連絡体制等に穴がありました。心配した通りの事態が起きていました。保育士が保護者へ「渕上惺愛ちゃんが登園していませんが、今日はお休みですか?」と問い合わせていたら、最悪の結果は免れた可能性が高いです。
静岡県牧之原市のバス放置死から何も学んでいません。岸和田市の責任も重大です。
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またも悲しい事故が起きてしまいました。子供を保育所に預けるのを忘れて車内に置き去りにし、発見された半日後に死亡が確認されました。
12日午後5時半ごろ、岸和田市尾生町の市立保育所の駐車場で「車の中で子どもの意識と呼吸がない」と父親から通報がありました。
警察によりますと、乗用車の後部座席で岸和田市に住む渕上惺愛ちゃん(2歳)が、ぐったりした状態でみつかり、病院に運ばれましたがおよそ1時間後に死亡が確認されました。父親は、午前8時前に3人の娘を車に乗せて自宅を出発し、ほかの2人の娘を別の保育所に送り届けたあと、惺愛ちゃんを現場の保育所に預ける予定でした。
ところが、2人を預けると惺愛ちゃんを車に乗せたまま自宅に戻ってしまい午後5時すぎに迎えに行った際に保育所の職員から「登園していない」と言われて車内を確認したところ気がついたということです。警察の調べに対して父親は「保育所に預けたと思い込んでいた」などと話しているということです。
お悔やみ申し上げます。
亡くなった渕上惺愛ちゃんが登園していたのは、岸和田市立桜台保育所です。ニュース映像とストリートビューが一致しています。
これまでも保育所に登園させる予定だったのに車内に置き忘れてしまい、子供が亡くなる事故が何度も発生しました。
本件事故で注目すべきは「土曜日」です。平日とは様々なルーチンが異なる日です。特に保育所等関係では「給食の有無」「登園の有無の連絡」「出勤する職員数」が大きいです。
もしも土曜日は弁当を持参する保育所等でしたら、朝の準備は繁忙を極めます。3人分の弁当を作るだけで疲れてしまいます。ついつい注意が散漫になってしまい、保育所へ預ける事が頭から抜け落ちてしまうかもしれません。子供も疲れていて、車内でぐっすり眠ってしまっていたのでしょう。
登園連絡も大きな要素です。静岡県牧之原市で発生したバス置き去り事故では、登園する筈の園児が無連絡で欠席したにも関わらず園が保護者に確認連絡を行わなかったのが事故に繋がりました。
一方、土曜日に登園するのは一部の園児に限られます。フローは園によって異なります。我が家がお世話になっている保育所では土曜に登園する園児を事前に確認し、申出があったにも関わらず登園しない園児には連絡を入れています。
ただ平日とは異なり、土曜日の無連絡欠席者に対する電話連絡等がどれだけ徹底できているかは定かではありません。特に土曜日に出勤する職員数は限られています。平日と比べて圧倒的に少ないです。
これが如実に表れたのは、広島市立小河内保育園から抜け出した園児が川で死亡した事故です。
【ニュース】小河内保育園(広島市)の園児死亡 園庭の植え込みから外に?
発生したのは土曜日でした。
反対に今回の事故が他と異なる点もあります。それは「11月という寒い時期だった」という点です。他の起きざり事故は何れも初夏に発生し、熱中症で死亡してしまいまいした。
昨日の大阪は11月にしては暖かい日でした。上着を着て出掛けたのですが、直射日光が暑くて脱いでしまいました。事故現場に近い堺市では、13時50分に最高気温23.6度を観測しました。車内はより高い温度になっていたでしょう。2歳児が半日間も耐えるのは難しい気象条件でした。
仮に気温がもっと低かったとしても、水分補給が出来ないのは辛いです。3歳以上ならば自力で水筒から飲む事もできるでしょうが、2歳は難しいです。
子供を助けられる可能性があったのは、無連絡欠席に対する保育所からの確認連絡でしょう。登園の有無を事前に保育所が確認していたかが焦点になると感じました。
あくまで推測となりますが、「土曜登園者の確認」は他の保育所等にも徹底が呼びかけられるでしょう。登園する園児や職員が少なく、なあなあになっている園があるかもしれません。