(事故が起きた小河内保育園、グーグルストリートビューより)

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(追記)
当時の状況が少しずつ判明しています。

おととい、男の子は保育園近くの川で見つかり、その後死亡が確認されましたが、警察が付近の防犯カメラやドライブレコーダーを調べたところ、当時河原のあたりを1人で歩く男の子の姿が映っていたことがわかりました。保育園には出入口は3箇所あり、通常施錠されていますが、ここから男の子が外に出た様子は確認されていないということです。

警察は、男の子が園庭と道路の間の隙間などから外に出た可能性が高いとみて、いきさつを調べています。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6013611.html

広島市西区の市立保育園で16日の保育中にいなくなり、近くの川で見つかり死亡した男児(5)が、保育園の植え込みの隙間から1人で外に出た可能性の高いことが18日、捜査関係者への取材で分かった。広島県警は、事件性は薄いとみている。

https://www.sankei.com/article/20220418-3RY5JAI57ZJDXJVLDDWJ3VEG3M/

園の周囲は木立と金属製のフェンスに囲まれていると思いきや、フェンスの代わりにネットが張られている箇所がありました(2020年11月撮影)。

子供が触ったのか、ネットが偏って大きな隙間も出来ています。子供がかがめばすり抜けられそうです。

隙間が生じている事態に園児・保護者・保育士から指摘が無かったとは考えにくいです。保育園や広島市の管理責任が重く問われます。

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保育園内で保育中の5歳園児が行方不明となって死亡した事件が発生したのは、広島市立小河内保育園でした。

広島市役所の担当者が「西区の市立保育園」とコメントしているのに加え、新聞報道に掲載された園門の写真が同保育園と一致しています。

【広島市のコメント全文】
警察から発表がありましたとおり、西区の市立保育園の園児がお亡くなりになるという事案が発生しました。亡くなられた園児のご冥福をお祈り申し上げ、ご遺族に対しお悔やみを申し上げます。
また、在園児及びその保護者の皆様にもご心配をおかけし申し訳ありませんが、18日(月)以降も引き続き開園し、子どもたちが安心安全な園生活が送れるよう、より一層の管理体制強化を図り、職員一同で取り組んでいくことを保護者の皆様にお知らせしたところです。(以下省略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/783665105ef049bcebfa036eb9b7d888c371cb1c

下記記事の写真とストリートビューが同一です。

保育園の庭で直前まで遊んでいたか 広島の放水路で発見の5歳児
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20220417001472.html?iref=pc_photo_gallery_2

正門から太田川放水路まで120メートルしかありません。5歳児での2-3分あれば到着します。

事故の原因の一つは「土曜の昼」という時間帯でしょう。

園を運営する広島市によると、16日は男児を含め0~5歳の34人が登園し、保育士8人で対応。昼ごろになり、園庭での保育中に男児がいないことに職員が気づいたという。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ4K55KZQ4KPITB00D.html

数少ない保育士が年齢毎に分担し、更に昼食の準備(机や椅子の準備、消毒等)を行う保育士も必要です。園庭で子供と共に過ごす保育士は限られていたでしょう。

そこに何らかのトラブル等があれば、その対応に集中してしまいます。門が施錠されずに開いていても、気付かなかった可能性は排除できません。しかし、それは言い訳になりません。

また、園児の不在に気付いたのは昼であり、本当はいつからいなかったのかは確認されていません。もっと早い時間に外に出てしまった可能性はあります。

少し不思議な感覚なのは、5歳児という年齢です。恐らくは年長クラスです。保育士や保護者の指示が概ね通る年齢であり、勝手に外に出て行ってはいけない事は理解できています。

しかし、どうして5歳児が勝手に外で出てしまったのでしょうか。外部から誘われた何かがあったのか、外に出て行きやすい特性があったのか、何らかの要因を考えてしまいます。

広島市幹部「門を出入りした保護者がいた」

それ以上に強い違和感を抱いたのは、広島市幹部の発言です。

 市こども未来局の山越重範次長は取材に、「園庭で遊んでいた時間帯に、園児のお迎えのため正門を開けて出入りする保護者もいた」と話した。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ4K55KZQ4KPITB00D.html

お迎えにきた保護者が正門を出入りするのは当たり前です。敢えてこうした発言をしたのは、「出入りした保護者が門を開けっ放しにした、施錠しなかった」と責任転嫁する意図が見え隠れしています。

お世話になっている保育園は保護者へ「出入りする際に必ず施錠をする、子供に触らせない」と強くお願いをしています。

しかし、それでも施錠を忘れてしまう事もあります。子供が急に泣き出してしまった、電話が掛かってきた、他の事を考えていた等、理由は様々です。ただ、朝の出入りが多い時間帯ならば、すぐに他の保護者が気付きます。

一方、土曜の昼は少し違います。半日間の土曜保育を要する家庭は決して多くないでしょうから、土曜昼にお迎えに来る保護者は相当に少ないです。施錠忘れ等があっても、他の保護者が気付くのは難しいです。

ただ、それを市幹部が指摘するのは筋違いです。施錠忘れ等に気付くべきなのは保育士です。

同様に大きな問題だと感じたのは、電磁的に施錠を行う設備が導入されていなかった疑いです。保護者が施錠し忘れても、門さえ閉じていれば自動的に施錠されるものです。お世話になっている保育園でも学校でも導入されています。

同園の門を見る限り、そうしたシステムが導入されている様子はありません。(保育時間外は)鎖を巻き付けて施錠しています。

事件が起きた原因は未だハッキリしていません。数日中に保護者説明会が行われ、同時により詳しい事実経過等が報じられるでしょう。

保育中の園内から園児が無断外出してしまう事故は他人事ではありません。対応を迫られる保育所は少なくないでしょう。保護者としても、より一層の安全対策を求めます。