文部科学省からの事務連絡を受け、大阪市立学校は「脱マスク」へ転換し始めました。先日、お世話になっている学校から「教育活動等におけるマスクの着用について」との文書が配布されました。

文科省からの事務連絡に瓜二つの内容です。大阪市という国内最大規模の大都市であり、国内最悪のコロナ感染が広がったという地理的特性を無視し、事務連絡をコピペしています。

いずれの項目も「マスクを着用する必要はない」を強調しています。従来の「原則としてマスク着用」から、「原則としてマスク不着用(教室内を除く)」へと大きく舵を切りました。

文部科学省の事務連絡を読んで痛感したのは、「文科省の役人が考えるほどに、子供のお行儀は良くない」という事実です。

体育の授業で特に心配なのは体育館です。子供から話を聞いていると、時に換気が不十分な状態で活発な運動を行う事もあるそうです。その状態でマスクを外したら、感染が急激に広がりかねません。

登下校時にマスクを外すのは到底無理です。時折子供と一緒に学校へ登校しているのですが、友達同士で集まった子供はお喋りします。中にはマスクを外して大きな声で話す子供もいます(うちの子の近くに来たら、流石に一言言います)。

距離を取るのも困難です。市街地は歩道や道路が狭く、自動車の交通量も多いです。横に広がれません。

マスクを外した状態で人と十分な距離を確保し、会話を控えるのは不可能です。マスクを着用し、自由にお喋りさせた方が子供の為です。

休憩時間における運動遊びは、2メートル以内に近寄るのが常態化しています。鬼ごっこでは近寄らないと鬼が代わりません。自然観察や写生活動でも、子供は積極的に話します。それが子供の特性ですし、教育です。

脱マスクの目的は「熱中症の防止」とされています。脱マスクと関係なく、学校は積極的な熱中症対策を行うべきです。冷房の設置(特に体育館・特別教室・廊下)、日射し対策グッズの使用許可、高温時の屋外活動の中止等、様々な方法が考えられます。

今回の措置は、熱中症を理由とした脱マスクが狙いだと感じています。熱中症はただの理由付け、本音は「脱マスク」なのでしょう。

個人的にはマスクを外せる社会になるのは歓迎しますが、集団生活を過ごす学校でマスクを着用するメリットは極めて大きいです。この2年間は、コロナ以外の病気に罹る機会も激減しました。

嫌な感じがしたのは、申し訳なく末尾に付け加えられている「児童のマスクの着用を禁止する趣旨ではないことから、熱中症対策を講じた上で、様々な理由からマスクの着用を希望する児童生徒等に対しては適切に配慮を行うこと。」という文言です。

まるで「マスク着用は例外的取り扱いである」とでも言いたげな表現です。これまでの大阪市や大阪市立学校での感染状況を踏まえると、警戒しすぎるに越した事はありません。

子供には「屋外で他の人と確実に2メートル以上(2人が手を伸ばしても届かない距離)離れ続けられる時は、マスクを外しても構わないよ。」と伝えています。近寄る可能性があるシチュエーションでは、今後も着用させます。

我が家は熱中症を警戒しつつ、今後も感染対策に軸足を置きます。