「子供のマスク着用の是非」が迷走しています。関連する発言等を拾い上げます。

日付発言者・発信者内容
昨年6月厚生労働省(通知)熱中症予防のため屋外で人と2メートル以上離れている場合はマスクを外すように注意喚起した
2月厚生労働省(通知)(保育所等では)発育状況等からマスクの着用が無理なく可能と判断される児童については、可能な範囲で、一時的に、マスク着用を奨める。ただし、2歳未満児のマスク着用は奨めず、低年齢児については特に慎重に対応する。(※保育所等外は射程に含まない)
5/10尾崎東京医師会長(記者会見)屋外で換気の良い場所では、それほど感染リスクは無い。屋外では着用の見直しをしていってもいいのではないか。
5/11松野官房長官(記者会見)人との距離が十分取れれば、屋外での着用は必ずしも必要ではない。
5/11山際コロナ担当大臣(知事とのオンライン会談)将来の子供達への影響をどう考えるか。子どもに我慢してもらわなくていい状況をつくっていかなくてはいけない。
5/12読売新聞朝刊「政府は、保育所での新型コロナウイルス対策を巡り、2歳以上の園児へのマスク着用の推奨について、取りやめる方向で検討に入った。」
5/12岸田総理(衆院厚労委)いまの段階で緩和するのは現実的ではない。人との距離が十分とれれば屋外での着用は必ずしも必要ではない。特に気温や湿度が高い時には熱中症のリスクが高くなるので人との距離が十分ある場合には外すことを奨励している。
小池東京都知事科学的知見として、こういう場合はこうだと、国が明確にお決めになるのが最初ではないか
5/13岸田総理(衆院内閣委)「2歳以上の園児へのマスクの奨励を見直す」という報道については政府としてそのような方針を決めた事実はない。子供も含め、基本的予防策として、マスクの着用は大変重要だ。現時点において、マスクの着用を緩和することは考えていない。
松野官房長官就学前の子どもについては、本人の体調が優れず持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理に着用させる必要はない。保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意する必要がある。

岸田総理の発言を額面通りに受け止めるのであれば、「現状維持」です。2歳以上の保育園児へのマスク着用推奨、そして十分な距離(2メートル?)がとれる屋外でのマスク不着用可、いずれも昨年6月・今年2月の厚労省通知に則った発言です。

学校や保育所等におけるマスク着用効果は絶大です。インフルエンザは全く流行せず、子供が風邪を引く機会も激減しました。手洗いや換気の徹底、黙食と言った感染対策が功を奏しています。

それでも感染が広がってしまう事があります。中学校・高校では部活動、小学校ではクラス内で拡大するケースが非常に多かったです。部活動は今も全国各地で多くのクラスターが生じています。

保育園児にマスク着用を徹底するのは難しいです。年長や年中は上手く着用できていますが、着用せずに大声で話す子供もいます。2歳未満の園児が着用するのは非現実的です(2-3歳も辛い)。

一保護者としては「子供のマスク着用を緩めるなんてとんでもない」という感想しかありません。時には感染が広がってしまう事もありますが、現状では各種対策が有効に機能しています。ここでマスク着用を緩めたら、途端にコロナやその他の疾病が拡大します。

夏場に掛けて焦点となるのは、「屋外でのマスク着用」でしょう。現状でも厚労省は「2メートル離れればOK(学校等に限らない)」と通知していますが、学校等ではこれとは異なる運用も為されています。

実は「異なる運用」に問題があります。屋外で2メートル離れていてもマスクを着用して体育を行うと思ったら、体育館で密集してノーマスクでクラブ活動を行う事があります。あべこべです。

学校も保育所等も子育て家庭も忙しいです。様々な組織や人物が異なる発言をしても、受け止める側は大変です。混乱します。そして、自分の都合の良いように発言を受け取り、子供に強要する場面が出てきます。

科学的知見に基づいて決定し、それをワンボイスで発信して欲しいです。バラバラで発信されても困ります。

なお、「屋外なら外しても良い」と強調するのであれば、「2メートル離れれば」を強調して欲しいです。

屋外ならどこでも外しても良い、近距離で大声で話しても良い、そのまま電車に乗車しても良い、と行動しかねません。大阪でよく見かける光景です。