先日、学校から脱マスクを強く促す文書が配布されました。全校集会でも先生からその旨の話があったそうです。

【コロナ第6波】大阪市立学校も脱マスクへ、各校・保護者に通知

配布された数日後、子供に「登下校の時、どれぐらいの子がマスクを着けている?」と訊ねました。返ってきた答えは「ほぼ全員が着けている」でした。意外な結果でした。

もう少し詳しく訊くと、「先生はお友達と少し離れて学校に来るようにと話してたけど、近寄っておしゃべりしちゃう」「今はまだ暑くない、マスクを着けていても平気」「暑さを感じても、少しマスクを外してお茶を飲めば平気」との事でした。

どうも政府・文部科学省や市教委・学校が「脱マスク」を掲げても、現時点では大半の子供や家庭はそっぽを向いている印象です。しかし、こうした反応は頷けます。

まずは気温です。大阪や尼崎にて熱中症で緊急搬送された児童生徒が相次ぎましたが、まだ最高気温は30度に達していません。子供が学校へ向かう時間帯は20度~25度程度です。日向は少し暑く感じますが、日陰は肌寒く感じる程です。

これまでの習慣も大きいでしょう。小学生は徹底的にマスク着用を求められていました。マスクを外す給食は黙食です。それなのに、唐突に「脱マスク」と言われても、なかなか考えが切り替わりません。

保護者の警戒感も根強いでしょう。コロナ禍以来、大阪市立学校は何度も臨時休業等を行いました。緊急事態宣言直後の3ヶ月休校、2021年4月の分散登校、コロナ感染者発生による臨時休業、クラスター発生による長期休業等、思い出したくもありません。

コロナ感染を防ぐのに最も効果的なアイテムとして紹介されたのはマスクでした。マスクを外して感染するリスクを背負うぐらいなら、適切に着用してリスクを回避するのを選択した家庭が多いのでしょう。

そもそも脱マスクの動きは余りに急でした。学校の先生も「唐突に方針が降りてきた、大臣発言は重い。」と話していました。医療は専門的知識が重視されるとしても、当事者たる子供や保護者の考えに配慮した動きはありませんでした。

こうした流れがある以上、子供や家庭の反応が鈍いのは当然です。今後、脱マスクが広がるのか、それとも警戒感が続くのかは分かりません。

なお、子供に「登下校の時、誰がマスクを着けていなかった?」とも訊ねました(普段は余り個人名を訊かない)。返ってきた名前は、以前からマスク着用がルーズで指導されていた子ばかりでした。私も数ヶ月前の朝にノーマスクでお喋りしている光景を観た子です。

案の定、その子達は近距離でノーマスクで大声でお喋りしながら歩いていたそうです。現時点では「脱マスク宣言」が「マスクが嫌いで着けたくなかった子供にとって、堂々とマスクを外せる免罪符」となっています。

こうした事態が起こる事を、学校も薄々予期していた様子です。しかし、文科省や市教委から脱マスクを促す方針や指示が下された以上、学校は従わざるを得ないのが実態です。でも、子供や保護者は大いに戸惑っています。