平成27年度保育所一斉入所申込状況分析、第12回もリクエストにお応えして淀川区を取り上げます。
※10月28日に発表された数字に基づています。募集数等は今後の変更が想定されています。
※今年は認定こども園も同時に発表されており、分析対象に含めています。
昨年(平成26年度)と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。
【区全体】
入所倍率はH26の1.30倍からH27は1.15倍へと低下しています。
ほぼ市内平均となりました。
申込数が22人増えた一方、新設保育所・こども園の合算によって募集数が109人も増えた為です。
H26一斉入所において、市内で最も多くの入所保留児童271人が発生したのが淀川区でした(詳細はこちら)。
また、【H26保育所一斉入所結果分析】(13)淀川区で記した通り、内179人が特定保育所等希望による入所保留となっていました。
再開発が盛んな三国・宮原地区を中心に発生していると推測されます(詳細は後述)。
ただ、H27一斉入所申込を見る限り、昨年よりはやや入所しやすくなったと考えられます。
0歳児の申込数は昨年より27人増加しましたが、その他の年齢はほぼ昨年通りとなっています。
ファミリー層の流入が小休止し、代わりに数年前に移り住んできた方で第2子が産まれた方が多かったのかもしれません。
募集数が増えたのは、来春に開所するクオリスキッズ三国本町保育園、今年から保育所と一緒に集計される様になった認定こども園(ひじり保育園・みくにひじり保育園)、今年6月に開所したふたば未来園によるものです。
認定こども園の一括集計によるものとしても、募集数が100人以上も増加したのは市内でここ淀川区のみです。
入所倍率は比較的高かった1-2歳児を中心に低下しています。
1歳児は1.88倍から1.55倍に、2歳児は2.02から1.67倍へと低下しました。
淀川区で困るのは、恐らく「通勤先・通勤途中で預けられる保育所を探すのが困難」という点でしょう。
例えば多くの方が通勤している梅田・淀屋橋・本町周辺は保育所が少なく、あっても入所基準点が淀川区より高い傾向にあります。
通勤途中で見つけようとしても中間地点には淀川が広がっており、河川・河川敷に保育所はありません。
一方、逆の江坂方面は吹田市となり、原則として吹田市民の入所選考後に大阪市民の選考となるでしょう(裏はとっていません)。
【保育所別】
入所倍率が低下してほぼ市内平均となったものの、個別に見ていくと地域差・保育所差は大きく残っています。
H27一斉入所で最も入所倍率が高かったのは、H26/6に開所したばかりのふたば未来園でした。
2.91倍という高い入所倍率です。
新設保育所ですが周辺に2つの既設園を有している安心感と、系列保育所となるふたば乳児園よりも5歳児までの保育を一貫して行う未来園の方が好まれたのか、乳児園から未来園への申込みシフトが発生したと推測されます。
ふたば乳児園を第1希望とする申込みが0だったのが物語っています。
乳児園と合算すると、多くの児童は入所できそうです。
昨年同様に入所倍率が高かったのは、2.69倍となった三国保育所です。
年齢毎の申込数・募集数はほぼ昨年通りとなっています。
同じ三国・宮原地域にあるポラリス保育園・メリーポピンズ保育園も、昨年・一昨年と同じく高い入所倍率となっています。
再開発が盛んなこの地域は、申込数が更に増えると見込まれていました。
ただ、来春に新設されるクオリスキッズ三国本町保育園・既設のみくにひじり保育園(認定こども園)が申込対象となり、申込者が分散し、入所倍率の更なる上昇が抑制されたと推測されます。
クオリスキッズ三国本町保育園の0-2歳児入所倍率は、新設保育所とはして珍しく2倍前後となっています。
市内の新設保育所の募集初年度の状況を見ていると、既設保育所を第1希望とし、新設保育所を第2希望以下とするパターンが一般的でした。
そうした傾向とは異なって第1希望申込みを多数集めているのは、充実したHP及び一斉入所申込前に行われた説明会の効果があったのでしょう。
地下鉄東三国駅前にあるつくしんぼ保育園の入所倍率も高くなっています。
1歳児の申込数が昨年比3.5倍に急増したのが原因です。
認定こども園のひじり保育園も高い倍率です。
大規模マンションが建ち並んで梅田・江坂へ通勤しやすいこの地域は、子育て世帯の流入が盛んなのでしょう。
【まとめ】
淀川区は三国・宮原・東三国地域や塚本地域の保育所は入所倍率が高く、そこから離れるに従って低下する傾向にあります。
今年も同様の傾向です。
ただ、上記の地域に隣接した地域を中心に1-2歳児の入所倍率は依然として高いままです。
また、同一地域に複数の保育所があっても入所倍率が平準化されず、第1希望に偏りが見られます。
入所倍率はほぼ市内平均値ですが、第1希望が集中する保育所へ入所するのは難しい状況(特に1-2歳児)に変わりはありません。
【参考:H26一斉入所の分析記事】
【H26保育所入所申込状況分析】(15)淀川区
【H26保育所一斉入所結果分析】(13)淀川区
【次回の予定】
リクエストにお応えして、城東区を取り上げる予定です。