保育所等を利用するに際して、保育事故の発生は避けられません。保育士の先生方は事故が起きないように常に目を光らせていますが、全ての事故は防げません。

中には残念ながら亡くなってしまう事もありました。どうすれば保育事故を減らせるのでしょうか。

全国の保育事故2015件で最多 死亡5件、食事や睡眠中

内閣府は18日、2020年に全国の保育所や幼稚園、認定こども園などで起きた事故が2015件に上り、現在の集計方法となった15年以降で最多だったと発表した。前年に比べ、271件の増加。このうち子どもが死亡したケースは5件だった。

死亡事故は前年から1件減。死亡事故が起きた施設は、認定こども園2件、認可外保育施設2件、認可保育所1件。年齢別では0歳が1件、1歳が2件、4歳が2件だった。発生時の状況では、食事中が2件、睡眠中が1件、その他が2件だった。

内閣府は20年1~12月の死亡事故と治療に30日以上かかるけがや病気を伴う事故について集計した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/111309

集計結果は「令和2年教育・保育施設等における事故報告集計」に記されています。

気になった箇所を見ていきます。

2020年の事故件数は2019年より271件も多い2015件でした。昨年はコロナ禍によって保育所等への総登園日数が減少したにも関わらず、事故件数が増加しています。

骨折件数が27%増

集計表には事故等の内訳が掲載されています。事故件数が急増したのは骨折でした。2019年より270件も増加しています。増加率は27%と急増しています。

思い当たる理由は「コロナ禍による外出制限による運動不足」です。昨年は在宅生活を余儀なくされた期間が非常に長かったです。また、外出したとしても、公園等の利用が一部で制限されていました。

運動不足が続いた事により、保育所等で身体を使う際に思うように動かずに骨折してしまった図式です。

なお、運動不足は小学生にも影響しています。今年の運動テストの結果は例年より著しく悪い、という話を聞いています。

5人が死亡、内3人は食事中の窒息か

残念ながら5人の園児が亡くなってしまいました。

その内、3人の死因は窒息でした。

これらは当ウェブサイトでも取り上げました。

・【ニュース・9/10追記】横川幼稚園(八王子市)で4歳児が給食のブドウ(ピオーネ)を喉に詰まらせ死亡
・【2/13更新】大阪市城東区「ゆりかご第2保育園」で1歳児死亡 食事を喉に詰まらせたか
・消費者庁「節分の豆等は5歳以下の子供に絶対食べさせないで、大変危険」(松江認定こども園)

共通する要因は「食材」です。ブドウ・節分の豆・リンゴは小さな子供が喉に詰まらせやすい食材です。これらは保育所等では避ける、小さく切って提供する等の対策が不可欠です。

園での死亡事故を減らすには、食事内容や睡眠時の様子に万全の注意を払う事が必要でしょう。ここが勘所です。

(追記します)