H27保育所等一斉入所に関する結果分析、11回目はリクエストにお応えして旭区を取り上げます。
多くのリクエストをお寄せ頂いて恐縮です。
次回以降は城東区・東成区・住吉区・淀川区・中央区を取り上げる予定です。
リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。
各保育所毎の新入所者数・入所者平均点・入所基準点を取り上げ、H26とH27を比較した上で分析検討を行ってみます。
(入所者平均点・入所基準点の計算方法はこちらに記載しています。)
なお、下記の投稿も参考にして下さい。
【H27保育所一斉入所申込分析】(8)旭区
入所基準点付き保育所等マップ(旭区)
【H27版】大阪市子育て支援施設マップ(非公式)より
種別 | 名称 | H27 | H26 | ||||
入所者数 | 入所者平均 | 入所基準点 | 入所者数 | 入所者平均 | 入所基準点 | ||
民間保育所 | ありんこ保育園 | 15 | 173.5 | 125 | 16 | 183.0 | 165 |
つぼみ保育園 | 30 | 190.9 | 175 | 32 | 196.7 | 175 | |
金光寺保育園 | 12 | 172.2 | 125 | 13 | 164.0 | 135 | |
太子橋保育園 | 13 | 192.5 | 155 | 15 | 185.6 | 155 | |
大阪YWCA大宮保育園 | 32 | 194.9 | 185 | 40 | 193.4 | 155 | |
平和の子保育園 | 26 | 181.7 | 125 | 30 | 182.2 | 155 | |
ありんこ第2保育園 | 46 | 189.9 | 175 | ||||
大宮まぶね保育園 (旧大宮第2保育所) | 27 | 184.0 | 125 | 32 | 194.4 | 175 | |
公立保育所 | 森小路保育所 | 18 | 192.8 | 155 | 33 | 195.0 | 185 |
清水保育所 | 25 | 176.3 | 135 | 29 | 183.8 | 125 | |
生江保育所 | 29 | 177.3 | 145 | 44 | 174.7 | 155 | |
大宮第1保育所 | 15 | 165.6 | 125 | 17 | 178.0 | 155 | |
両国保育所 | 26 | 184.7 | 155 | 30 | 189.9 | 175 | |
小規模A | あい・あい保育園太子橋今市園 | 3 | 155.5 | 155 | |||
大阪YWCAこひつじほーむ | 6 | 147.2 | 125 | ||||
かいせいプチ保育園 森小路園 | 森小路2-16-2にて、平成28年4月までに開所予定(前倒し濃厚か) | ||||||
小規模B | ぬくもりのおうち保育生江園 | 1 | 175.5 | 175 | |||
家庭的 | 片岡家庭保育 | 3 | 165.5 | 155 |
大阪市の保育所等利用待機児童数について(平成27年4月1日現在)より作成
旭区は就学前児童の減少が続いています。
平成27年4月時点では昨年より98人減少し、3,875人となりました。
より大きな影響を及ぼしているのが、保育所等への新規申込者数の減少です。
昨年より69人減少し、376人となっています。
減少率は市内2位です。
市内1位だった都島区は昨年度に多くの保育所が新設された反動という理由がありますが、旭区は目立った理由がありません。
各年齢毎の申込者数を見ると、2-5歳児で大きく減少しています。
この年齢層の子供が区外へ流出している可能性は否定できません。
また、旭区役所近くにおいて、今年4月にありんこ第2保育園が開所しています。
46人が新たに入所しています。
こうした理由から、旭区全体としてみると、保育所等へ急激に入所しやすくなっている様子です。
利用保留数は昨年比から6割減少して47人、保留率も12.5%と市内で低い水準となりました。
劇的に入所しやすくなった地域は、ありんこ第2保育園が新設された旭区役所周辺地域です。
近接しているありんこ保育園・大宮まぶね保育園(大宮第2保育所を民間移管)は入所基準点・入所者平均点が劇的に低下しています。
また、これらの保育所と希望者が重なっている大宮第1保育所・森小路保育所・つぼみ保育園でも低下しています。
一方、これ以外の地域の保育所はバラツキはあるものの概ね昨年と同じ水準です。
金光寺保育園・太子橋保育園はやや入所しにくくなっていますが、清水保育所・両国保育所は入所しやすくなっています。
保育所よりやや入所しやすいのが小規模保育・保育ママ(家庭的保育)です。
住宅密集地を中心に設置されています。
今年度後半から来年4月に間に、京阪森小路駅前に「かいせいプチ保育園 森小路園」が開設される予定です。
地図を見て痛感したのですが、旭区は北東部に守口市が食い込む形となっています。
その為、守口市内にある太子橋今市駅や滝井駅周辺には大阪市の認可保育所等はありません。
守口市内にある施設の方が通いやすい大阪市民がいれば、逆に大阪市内にある施設の方が通いやすい守口市民もいるでしょう。
同時に地理的偏在も見逃せません。
大宮に保育所が集中する一方、高殿東部・新森・今市地区には保育所等がありません。
また、旭区は市立保育所が多いのが特長です。
廃止・民間移管によって減少してきましたが、現時点においても半数弱が市立保育所です。
就学前児童数の減少によって、更なる廃止・民間移管が行われても不思議ではありません。
不思議なのは保育所在籍率の低さです。
在籍率は33.1%と市内平均37.6%を大きく下回っており、やや保育所へ入りにくい淀川区(33.8%)と同水準です。
保育施設の整備が進んでいない一方で保育所へ比較的入所しやすいのは、申込率が低いからでしょう。
鶴見区・阿倍野区・住吉区・東住吉区と並び、市内最低水準です。
保育所等への入所のし易さはほぼ市内平均水準ですが、その背景には申込率・在籍率の低さがあります。
H27一斉入所はたまたま申込数が激減しかつ新設保育所が開所したので、主に大宮地区で一気に入所しやすくなっています。
H28一斉入所では、その反動が生じても何ら不思議ではないでしょう。