【H28保育所等一斉入所結果分析】(10)旭区／区役所周辺は激戦・北部は1-2歳児募集僅か

【H28版】大阪市子育て支援施設マップ（非公式）より

H28保育所等一斉入所結果分析、地域編です。第10回は旭区を取り上げます。なお、同区に関する過去の分析記事は、「検索：旭区 分析」からご覧下さい。

分析精度の向上の為、今年から各保育所・年齢（0-2歳児）毎の「推定入所最低点」（以下「最低点」とします。）を掲載します。

就学前児童数の減少がストップ、ほぼ前年通りの旭区

旭区では就学前児童の減少が続いていました。しかし、平成28年度はようやく下げ止まり、前年比54人の増加に転じました。

保育所等は新規整備と廃園が同時に進行しています。申込数・保留数・在籍率等は前年から大きな変動は生じていません。

路線網を地図で見ていると気づかされるのですが、旭区は梅田・淀屋橋・谷町等のビジネス街へ乗り換えなしで通勤できます。また、おおさか東線が全通すると、新大阪・淡路へも出かけやすくなります。利便性は意外と秀でているのかもしれません。

年齢毎の入所最低点に大きな違いなし

各保育所・年齢毎の推定入所最低点によると、旭区では年齢毎の入所最低点に大きな違いはありません（一部の例外を除く）。多くの保育所で0-2歳児の入所最低点は同一水準です。

これは「どの年齢であっても、入所に必要な点数はほぼ同じ」である事を物語っています。年齢によって入所しやすい・入所しにくいという違いがあまり生じていません。

その為か、0歳児最低点が200点という保育所がやや多く感じられます。反対に1-2歳児で201点を越える保育所は2歳児の極一部のみです。

旭区役所周辺は激戦区

旭区内で比較的入所しにくい保育所は区役所周辺に集中しています。具体的にはありんこ第2保育園・大宮まぶね保育園・森小路保育所です。この3保育所は0-2歳児最低点が全て200点以上となっています。フルタイム共働きが前提です。

この3保育所がある地域のは旭区の中心的なエリアです。商業施設や駅に近く、利便性が極めて高い場所にあります。梅田・淀屋橋方面への通勤者・商業施設等で働く方の希望者が多いと推測されます。

比較的入所しやすいのはありんこ保育園・かいせいプチ保育園森小路園です。前者は、同一法人が新築園舎で運営しているありんこ第2保育園に希望者が流れた為でしょう。後者は保育年齢が限られているのが敬遠されていると考えられます。

西部地区は南高北低

次はおおさか東線（城東貨物線）に近い、西部地区です。年齢毎の違いはありますが、全体として「南にある保育所ほど入りにくい」という傾向があります。

最も入りにくいのはつぼみ保育園です。0-2歳の最低点は全て200点です。地下鉄沿線に近く、都島駅周辺にも自転車で通えそうな場所にあります。同保育所の入所倍率は毎年2倍を超えています。

一方、北へ向かうにつれ、徐々に入所しやすくなります。駅から離れるのに加え、保育所へ登園する住民がいない淀川が近い為でしょう。金光寺保育園の2歳児を除き、フルタイム共働きに準ずる点数～パートタイム勤務でも入所できそうです。

東部地区はやや高め

区役所周辺ほどではありませんが、清水駅を中心とする東部地区もやや入りにくい傾向があります。殆どの保育所でフルタイム共働きに準ずる点数が必要とされます。

注意すべきは清水保育所の0歳児です。昨年は募集数3人に対して8人の第1希望がありました。殆どがきょうだい在籍児童で埋まってしまったと見ています。保育士不足等により、市立保育所は0歳児募集数が少ない施設が目立ちます。

ただし、両国保育所は例外です。0歳児募集数が9人もありました。清水保育所・両国保育所は極めて近い場所にあります。募集人数等を見ながら、第1希望を柔軟に変更する考え方も必要かもしれません。

北部地区は1-2歳児募集数に要注意

最後は太子橋今市駅を中心とする北部地区です。守口駅に近い太子橋保育園も含めて考えていきます。この地域には点数以前の問題があります。それは「1-2歳児を募集している施設が極めて少ない」という点です。

1歳児を募集しているのは大阪YWCA大宮保育園・太子橋保育園、2歳児は大阪YWCA大宮保育園のみです。1-2歳児は保育所の選択肢が殆どありません。

その為、募集枠がある保育所へ希望が集中しています。特に大阪YWCA大宮保育園は高く、1歳児が200点（倍率3倍）・2歳児が205点（9倍！）です。

この地域では多くの1-2歳児が自宅最寄の保育所へ入れていないでしょう。次に近いのは区役所周辺ですが、ここは激戦区で入所できる保証は全くありません。待機児童・入所保留児童が多く発生している可能性が懸念される地域です。

区役所周辺も含めて考えると、千林大宮駅の北側に新設保育所が望まれます。「守口市内での設置も認める」など、柔軟な考え方が必要かもしれません。

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