京都市が今春から第2子保育料無償化を実施します。
京都市が今年4月から、第2子以降の保育料を無償化する方針を決めました。
京都市では「合計特殊出生率」がおととし、過去最低の1.08を記録し、子育て世代の流出も問題となっています。
0歳~2歳までの子どもの保育料は自治体ごとで金額が異なり、京都市はこれまで第3子以降のみ無償としていましたが、少子化対策や若年層の流出に歯止めをかけるため、認可保育施設に通う第2子以降の保育料を、今年4月から無償化する方針を決めました。
(京都市 松井孝治市長)「この少子化の流れの中でひとつの政策的なメッセージを出して、京都は子育てを重視しているんだということをしっかりメッセージとして届けたい」
対象となる子どもの数は約5500人で、市が負担する経費は年間で約13億5000万円を見込んでいるということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9843e0888c55bcc78905c4158fe8a56f5d1219e5
詳細は京都市長会見ページに掲載されています。
現状は生活保護世帯や市民税非課税世帯は無償、それ以上の所得がある世帯は第1子が基準額(満額)、第2子が基準額~はぐくみ応援額(基準額の約4割)、第3子以降が無償(但し同時利用でない高所得世帯の第3子は基準額)となっています。
令和7年4月以降は第2子・第3子が全て無償となります。所得制限無し、同時入所要件なし、第1子の年齢要件もありません(同一世帯内で2人目以降が対象)。ほぼ同一の内容である大阪市を参考にしたのでしょう。
ただ、これによって子育て世帯の京都市からの流出が止まるとは考えにくいです。京都市内は地価が極めて高く、高さ制限や用地不足によって大規模マンションの供給も限定的です。保育料が安くなっても、それ以上に住居費が高すぎます。
また、市中心部には子供を遊ばせられる場所が見つからないのもネックです。所用で京都市中心部へ出掛けた際に子供を遊ばせようとしても、御射山公園か鴨川河川敷ぐらいしか思い浮かびません。
これらはあくまで「子育て支援」です。少子化に対する効果は限られます。たとえ保育料が数十万円安くなったとしても、子育てにはその数十倍もの費用が掛かります。特に中学校以降の教育費が掛かりすぎます(実感しています)。
多くの自治体が新たに保育料・給食費・医療費の無償化等を実施しています。あたかも「子育て世帯の取り合い」が生じています。
「子育て世帯」という限られたパイを取り合うのではなく、国レベルで「子育て世帯の増加(←未婚率の低下←若年層の所得向上)」を図るのが重要でしょう。先立つ物が無ければ子供は増えません。