2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第5回は旭区です。リクエストを頂きました。
※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
入所倍率市内ワースト
旭区の申込数は前年より34人増の528人、募集数は5人減の379人となりました。入所倍率1.39倍は東住吉区と並んで市内ワーストです。同区では0-3歳児の全てで申込数が増加しています。
中でも2024年度一斉入所において他区より極端に高かった1歳児倍率(1.76倍)が1.96倍へと高騰しています。2人に1人しか入所できません。また、0歳児も申込数が増え、入所倍率はほぼ1倍たる0.97倍ととなりました。希望する保育所等へ0歳児が入所するのは容易ではなく、5月以降の年度途中入所は困難です。
この様な減少に至った原因はシンプルです。保育所等の新設が無かった為です。令和5年度も6年度も応募事業者ゼロです。事業者は少子化による定員未充足を懸念しているのでしょうが、現に多くの子育て世帯が保育所等の不足で苦しんでいるのが現状です。これで第1子保育料無償化が導入されると、危機的な状況が生じます。
1歳児と並んで入所するのが困難なのは3歳児です。入所倍率が1.97倍へと急騰しました。森小路保育所・大宮まぶね保育園での募集減が響いています。地域型保育事業の卒園児の入所が決まったとしても、3歳から新たに保育所等を利用したい子育て世帯が入所するのが難しいと感じます。
全年齢を通じた入所倍率が最も高かったのは、トレジャーキッズたかどの保育園(7.33倍)でした。特に1歳児の入所倍率が9.33倍と異常値を示しています。申込数が前年の11人から今年は28人へと倍増した為です。きょうだい加点があっても入所できない児童が生じる可能性が否定できません。
他に3倍を超えたのは、つぼみ保育園(3.04倍)と森小路保育所(3.61倍)です。いずれも多くの0-3歳児が第1希望として申し込んでいます。フルタイム共働きでも入所できない児童が相次ぐでしょう。
この3保育所はいずれも区南部に位置しています。地下鉄関目高殿駅、もしくは京阪森小路駅の徒歩圏にあります。大阪市内中心部への通勤に便利な地域であり、共働きする子育て世帯が集中しているのではないかと考えられます。
都島区・城東区も要検討
区内での保育所等への入所が難しいと考えるのであれば、道路を挟んで接している都島区で検討するのも一つの方法です。都島区は区全体の入所倍率が0.78倍と極めて低いです。特に0歳児は0.54倍、1歳児は1.00倍です。旭区の半分程度の数字です。
都島区は十年ほど前から数年前にかけて数多くの保育所等を新設しました(一時期は毎年の様に都島区内を散策していました)。が、2019年度~2020年度一斉入所をピークとして申込数が減少傾向となっています。2019年度一斉入所での0歳児申込数は180人でしたが、2025年度一斉入所では118人まで減少しました。募集数は微減に留まっています。
旭区・都島区境は殆ど勾配がなく、歩道が整備された道路も多いです。子供乗せ自転車を利用すれば、都島区東部の保育所等へ登園できます。
城東区という選択肢もあります。都島区より保育所等へは入所しにくいのですが、旭区と比べると雲泥の差です。ただ、通勤に便利な地下鉄谷町線から離れてしまうのが難点です。京阪本線での通勤が前提となりそうです。
どの年齢も厳しい、1歳児は保留児童100人超に
以下、年齢別に見ていきます。
0歳児第1希望は先に紹介したトレジャーキッズたかどの保育園と森小路保育所に集中しています。定員の殆どはきょうだい加点がある児童で埋まってしまうでしょう。加点が無い方や強く拘る理由がない方は、他保育所等への希望変更を検討して下さい(都島区・城東区を含む)。
1歳児は深刻です。100人以上の1歳児が入所保留となってしまう見通しです。
入所倍率が3倍を超えたのは、ありんこ保育園(3倍)・つぼみ保育園(3.88倍)・森小路保育所(3.86倍)・清水保育所(5.33倍)・トレジャーキッズたかどの保育園(9.33倍)・あい・あい保育園太子橋今市園(4倍)です。何らかの加点で無ければ入所するのが難しい保育所等です。
中でもありんこ保育園とあい・あい保育園太子橋今市園は募集予定数が1人のみです。きょうだい加点がある児童でも入所できない可能性があります。0歳児より1歳児募集数が極端に少ない保育所等は、年度後半に生まれた第2子以降が入所しにくいリスクがあります。
それ以外の保育所等に多くの申込みが集まっています。地域型保育事業への申込みも多いのですが、1歳児募集予定がない施設もすくなくありません。
2歳児も厳しいです。つぼみ保育園や両国保育所には定員の3倍以上の第1希望があります。募集数の約3割は、区北端にあるあけのほし幼稚園が担っています。反対に南部地域は入所難です。
3歳児は第1希望がつぼみ保育園に集中しています。保育士等優先枠での申込みがあるので、実倍率は5倍以上となっています。数人が第1希望としている大阪YWCA大宮保育園・あけのほし幼稚園は、現時点での募集予定がありません。
旭区は保育所等が少なすぎます。区としての保育所等整備が明らかに不足しています。毎年の様に多くの保育所等が新設された市中心部より後回しにされ、挙げ句の果てに「これ以上の保育所等は不要」との本音が聞こえてきそうです。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は阿倍野区を予定しています。
「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。
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