文部科学省が「令和5年度の不登校児童・生徒は全国で34万6,482人」と公表しました。小学生が130,370人、中学生は216,112人でした。いずれも過去最多です。

不登校の小中学生、34万人で過去最多 3割超「やる気出ない」文科省

 2023年度に全国の国公私立小中学校で「不登校」と判断された児童生徒は前年度から15・9%(4万7434人)増の34万6482人となり、過去最多を更新した。文部科学省が31日に公表した「問題行動・不登校調査」の結果で判明した。不登校児について教員が把握した相談などの内容は「やる気が出ない」が最多だった。専門家らの十分な支援を受けていないケースも多く、文科省は居場所の確保などを進める。(以下省略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/90c23bd3590e985f4c4222fd7b6a5e0075a1d4a9

とある大阪市立中学校に通っている子供からは頻繁に「教室に来ていない生徒が本当に多い。家に居るのか、こっそりと保健室に登校しているのか、別の場所に居るのか、全く分からない。でももう慣れた。」と言う話を聞いています。

反対に小学校からはそうした話は殆ど聞きません。

これを裏付ける数字が大阪市から公表されました。「令和5年度 大阪市立学校における暴力行為・いじめ認知・不登校数」です。

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大阪市立小学校での不登校児童は2,227人(1.97%)、中学校での不登校生徒は4,917人(9.61%)でした。大阪市立中学校へ通う中学生の内、約10人に1人が不登校です。40人クラスなら4人が不登校です。異常事態です。

子供が通っている中学校でも不登校生徒は本当に多いです。小学1年生の頃から知っている近所の子供も、中学校へ入学した後に不登校となりました。最近はどの様に生活しているか、全く情報がありません。

どうしてこれほどに多いのでしょうか。

学校関係者に訊いたところ、「約3分の1は病気や体調不良、それ以外はいろいろ。いじめもある。教室に登校できなくても、保健室や通級指導学級(校内?校外?)で過ごしている生徒もいる。」との話がありました。

学校サイドは認めないでしょうが、中学校の居心地の悪さも一因だと感じています。常に行事や部活動が忙しく、生活指導や服装指導は厳しく、学習する内容は難しく、テストの回数が非常に多いです。小学校の様に楽しく見えません。

反対に先生方にも不登校の児童・生徒への対応に苦慮している様子がうかがえます。ただでさえ毎日の授業・部活動・行事・生活指導・進路指導等で忙しいのに、更に少なくない不登校生徒の対応が重なってしまいます。マンパワーの不足感が強いです。

大阪市は通級指導学級(令和8年度までに全校に完備予定)や「学びの多様化学校」(旧不登校特例校)として大阪市立心和中学校(大阪市浪速区)を開校しました。それでも全ての不登校児童・生徒に適切に対応する程遠いでしょう。

中学校での不登校は進路に直結します。大阪府立高校の入試では、3年間の内申点(通知表)が点数化されます。不登校によって適当な内申点が得られていないと、受験して合格できる府立高校が限られてしまいます。実力テストを受験できなければ、私立高校(全日制)への専願受験も難しくなります。大半が通信制高校へ進学していると聞きました。

様々な社会事情を勘案すると、今後も不登校となる児童生徒は増加すると判断せざるを得ません。

家庭としては、常日頃から学校での様子を先生や子供から聞き、何かしらの異変等を感じたら早めに対応するしかないと考えています。学校任せにしておくと、対応が後手後手となります(特に中学校)。