2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第3回は城東区です。
※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
森之宮保育園は3.44倍
城東区の申込数は前年より115人増の1,119人、募集数は6人増の1,026人となりました。申込数が大幅に増加しています。その大半は1歳児です。
1歳児の申込数は前年より78人増の544人、募集数は24人増の417人となりました。申込数が前年より2割近くも増加しています。急激な入所難が生じ、130人以上の保留児童が生じてしまう見通しです。入所倍率は1.30倍になりました。
また、2歳児や3歳児も厳しい状況です。いずれも概ね前年から横ばいですが、2歳児入所倍率は1.54倍、3歳児は1.34倍と高止まりしています。
不安なのは来年(2026年4月入所)の一斉入所募集です。申込数が急増した1歳児が2歳児募集へスライドする事により、2歳児申込数が急増すると予想されます。2025年4月入所の2歳児以上に入所するのが難しくなる可能性が高いです。
全年齢を合算した入所倍率が最も高かったのは、森之宮保育園(3.44倍)でした。1歳児申込数が倍増、そして3歳児申込数が4倍増となっています。1-3歳児は入所倍率が極めて高く、何らかの加点がなければ厳しいと考えざるを得ません。
同園はUR森之宮団地内にあり、隣接地域では大阪公立大学森之宮キャンパスや森之宮新駅の工事が進んでいます。こうした動きが何らかの影響を及ぼしたのかもしれません。
また、すみれ保育園・たつのこ保育園・東中浜ひばり保育園・成育児童センター・関目聖マリア幼稚園・がもう保育園も入所倍率2倍を超えています。保育所等の逼迫感が高まっている印象を受けます。
城東区は保育士等優先枠の利用者が多いのも特徴的です。一斉入所では23人の申込みがありました。その中でも野江まつのはな保育園・城東ちどり保育園(5人)・成育児童センター・諏訪こども学園(4人)・大阪信愛学院・がもう保育園(3人)へは複数の申込みがありました。「保育士が自分の子供を入所させたい保育所等」と言えるでしょう。
1歳児申込78人増で入所難、2歳児も厳しく
以下、年齢別に見ていきます。
0歳児入所倍率は1倍を大きく切っています。数字の上では全員がどこかの保育所等へ入所できます。入所倍率が2倍を超えたのは東中浜ひばり保育園のみでした。
ただ、がもう保育園へは募集数12人に対して22人(保育士等優先枠利用者あり)が第1希望として申し込んでいます。第1希望として申し込んだ児童の内、半数程度の10人前後が入所できない見通しとなっています。
入所するのが急激に難しくなるのが1歳児です。申込数が大幅に増加した事により、昨年までの経験則や肌感覚が参考になりにくいです。
入所倍率が3倍を超えたのはすみれ保育園(3.08倍)・東中浜ひばり保育園(3.29倍)・森之宮保育園(4.5倍)・成育児童センター(3.14倍)・大阪信愛学院保育園(3.20倍)・がもう保育園(3.70倍)・あい・あい保育園鴫野園(3.75倍)でした。
これらの保育所等の1歳児クラスへ入所するに、一定程度の加点が不可欠です。また、募集定員が極端に少なく、さらに保育士等優先枠での申込みがある保育所等では、きょうだい加点があっても入所できない可能性があります。点数に自信がない方は、希望保育所等をもう一度考え直して下さい。
他区も同じ傾向がありますが、城東区でも地域型保育事業の1歳児クラスを第1希望としている児童は多くありません。やはり3歳児で卒園し、他園へ転所する制度が敬遠されています。気持ちは理解できます。第2希望や第3希望としている家庭が多いと考えられます。
とは言え、城東区全体での1歳児申込数は募集数を大幅に上回っています。こうした地域型保育事業が2次調整の対象となる可能性は大きくありません。大半は1次調整で充足するでしょう。点数に自信がなくて入所保留を避けたい方は、これらを第1希望とするのも一つの方法です。
1歳児以上に入所が難しいのが2歳児です。入所倍率は前年を大きく上回る1.54倍となりました。申込数が14人増え、募集数が5人減少したのが理由です。1歳児クラスと比べて2歳児クラスは募集数が少ない保育所等が多く、より慎重な対応が必要となります。
たとえば関目中央保育園は募集数1人に対して5人が第1希望としています。きょうだい加点がある児童の申込みが殆ど無い(既に0-1歳児クラスへ入所している)と考えられるのですが、それ以外の加点(認可外・単身赴任等)を有する児童は一定程度存在します。入所者はフルタイム共働き+一定程度の加点がある児童と決定する可能性が高いと考えられます。
それ以外の2歳児クラスで入所倍率3倍を超えているのは、すみれ保育園(3倍)・森之宮保育園(7.5倍)・関目聖マリア幼稚園(4.33倍)です。加点無しでの入所は難しいと考えています。
更に1歳児クラスとは異なり、2歳児クラスは地域型保育事業での募集枠が殆どありません。募集枠のほぼ全てが保育所やこども園です。「6年保育」は変わらないので、第1希望を変更するハードルは幾分低いと感じます。
なお、がもう保育園の2歳児クラスへは7人(保育士等優先枠を含む)が申し込んでいますが、現時点での募集予定はありません。何らかの事情によって募集数が増えたとしても、優先枠での申込者が真っ先に内定します。それ以外の申込者は希望変更をお勧めします。
考え方が難しいのが3歳児です。0-2歳児とは異なり、3歳児は見た目の倍率より入所しやすいと考えられています。3歳児への進級と同時に幼稚園へ転出する児童が少なくない為です。地域事情等によって左右されますが、1割前後の児童が保育所等から幼稚園へ移るのではと推測しています。
だとしても、3歳児クラスは募集数が少ない保育所等が多いです。真っ先に決定するのは、6点加点がある地域型保育事業等の卒園児です。2歳まで家庭で過ごした園児の場合、高順位で希望する保育所等へ入所するのは大変です。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回以降は東住吉区を予定しています。
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