(給食なし・週4回の弁当持参を求める、とある大阪市立幼稚園の提供情報)

「大阪市民の声」に「大阪市立幼稚園での給食の提供及び3歳児保育を実施して欲しい」との意見が寄せられています。

大阪市立幼稚園での給食の提供及び3歳児保育の実施について
2024年8月30日

市民の声

 こどもが通っている大阪市立幼稚園は、2年保育で毎日お弁当を持参しています。令和6年度から大阪市立幼稚園の2園がこども園へ移行し、3歳児保育も給食が始まったと聞き、ぜひ全園で実施してほしいと思います。遊びは学びという教育方針のもと、何かを強制的にやらされることはなく、こどもたちは毎日のびのびと遊び、表情もいきいきとしています。

 本当に素晴らしい幼稚園ですが、3歳児保育がないので共働き家庭からは候補にもあがらずこどもたちの人数は減っていくばかりです。とてももったいないことだと思います。

 給食については、市立幼稚園は隣やすぐ近くに地域の小学校があることがほとんどだと思うので、提供していただけたら嬉しいなと思いますが、3歳児保育については全園でぜひぜひ実施していただきたいと思います。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000632997.html

この意見に全面的に賛成です。

各幼稚園のウェブサイトを確認した所、給食を実施している幼稚園と弁当持参を求めている幼稚園に二分されています。

たとえば五条幼稚園や常磐幼稚園は給食が皆無です。弁当を週4回も持参して登園しています(水曜日は午前で活動終了)。味原幼稚園も弁当持参ですが、週2回の業者宅配弁当も実施しています。

一方、九条幼稚園は自園調理された給食を週4回提供しています。2024年4月よりこども園へ移行した貫江田幼稚園と玉造幼稚園は、近隣の市立幼稚園で調理された給食を配送して提供しています。

大阪市立貫江田幼稚園(福島区)・玉造幼稚園(中央区)が認定こども園へ移行 2024年4月より

忙しい親世代にとって、子供が長時間を過ごす施設での給食提供は極めて重要です。子育てにおいて「食事を作る」という作業は極めて負担が重いです。メニューを考える、食材を購入する、早起きして調理する、弁当箱に詰める、調理器具等を洗う、持ち帰った弁当箱を洗うと言った作業を日々繰り返します。

共働き世帯が「弁当を提供しない幼稚園」を選択するのは極めて難しいです。片働き世帯でも同様です。給食を提供しない幼稚園への入園希望者が減るのは当然です。

五条幼稚園のQ&Aには「ご家庭で作られたお弁当は、お子さんにとって適量で食べやすいものになりますので幼稚園での食事が無理なく楽しい時間となります。」が、忙しい子育て世帯の現状を何ら理解していない空疎な一文です。

一部の大阪市立幼稚園では給食を提供しています。他の市立幼稚園でも提供する事は可能ですが、しない事に何らかの理由があるのでしょうか。

自園調理が難しくても、近隣の幼稚園から搬入するという方法も取り得ます。玉造幼稚園や貫江田幼稚園が一例です。

また、数年前から給食が開始された中学校の多くでは、調理設備に余裕がある近隣小学校で調理した給食を配送して提供しています。

100人前後という規模が多い幼稚園と比べ、中学校は数百人から1000人近くが過ごす施設です。これだけの人数の給食を配送できるのであれば、幼稚園給食を配送するのは困難ではありません。

3歳児保育も重要な要素です。現在の日本では、殆ど全ての3歳児は幼稚園や保育園といった幼児教育・保育施設へ登園しています。4歳児から入園するのは稀です。

3歳児保育を求めている子育て世帯にとって、4-5歳児保育しか実施していない市立幼稚園は選択肢から外れます。別の幼稚園等へ3歳児から入園し、そのまま卒園まで過ごすのが一般的です。

給食や3歳児保育を実施していない一部の大阪市立幼稚園は、時代から取り残されています。こども園への移行といった抜本的な対策を取らない限り、急激な少子化以上のペースで園児が減少するのは避けられません。