市民から寄せられた切実な要望が掲載されているのが「大阪市民の声」です。今回は「歳が離れた子供も保育料多子減免の対象として欲しい」という意見を取り上げます。
市民の声
小学生の子が2人います。最近になってやっぱりもう一人ほしい、と思って区役所へ聞きに行ったりしました。
すると、歳が離れていて世帯収入があると3人目でも1人目のカウントになるといわれました。生活がギリギリだから必死になって共働きできていて、大きくなったけどもう一人ほしいと思っただけなのに。産前に仕事を辞めても前年の所得になるので保育料は高い、となると、ゆっくりみれずに早々と復職しないといけなくなるし、復職しても結局月5万円以上かかるようになります。小学生でもお金はかかります。月5万円も払ったら産後すぐに働けるわけじゃないのに、生活できません。
仕事を少ししかしていない人は保育料も安くて、必死で働いてる人は税金も払ってるのに保育料は高い、なんて変です。
せめてちゃんと3人目は3人目としてカウントしてほしいです。じゃないと、産みたいのに産めません。かなりの高所得者か保育料がかからない低所得者しか産めない。中途半端な所得しかなくても、産みたい人が安心して産める市にしてほしいです。産むには年齢のタイムリミットがあります。本当に切実に願います。
宜しくお願いします。市の考え方
まず、ご指摘のとおり、多子軽減等の実施方法は、国の制度として子ども・子育て支援法や同法施行規則、同法施行令により規定されており、年収約360万円を上回る保育認定世帯の場合における多子軽減の対象は、小学校就学前児童とされております。
本市における多子軽減の適用方法は国と同様であり、今回ご指摘いただいているとおり、上記の所得制限を上回ると第1子としてカウントされることとなるため、お寄せいただいた内容から推察いたしますと3人目のお子さんであっても第1子として多子軽減の対象外となるものと思われます。(以下略)http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000432480.html
ほぼ全ての自治体が「保育所等の保育料の多子減免制度」を導入しています。これは2人目の子供の保育料は半額、3人目は無料となる制度です。保育料が高い小さい子供が半額・無料となるので、家計へのインパクトが非常に大きな制度です。
しかし、この減免制度には大きな落とし穴があります。保育所等へ同時に在園している子供のみで1人目・2人目・・・・と計算する事になっています(なお、幼稚園は小学3年生-年少児の人数を数えます)。
(5) 年長順で1 人目にあたる子どもの保育料には保育料金額表の表中の上段の金額が、2 人目の子どもの保育料は下段の()内の金額が適用され、3 人目以降の子どもの保育料は無料となります。
たとえば子供3人が保育所等へ登園している場合、保育料は1人目満額・2人目半額・3人目無料となります。一方、中学生・小学生・保育園児という家庭であれば、唯一の保育園児の保育料は満額となってしまいます。
また、対象はあくまで保育所・地域型保育事業(小規模保育等)に限られています。企業主導型保育・認可外保育等は対象外です。第1子が企業主導型・第2子が保育所に在園していても、保育料は何ら減額されません。
「多子減免制度」と言いつつ、適用対象は限定されています。多くの子供を育てている世帯の経済的負担を軽減する目的であれば、保育所等に同時に在園している児童のみを数える合理的理由は無いでしょう。
反対に歳が離れた第2子・第3子の出産を控えさせる効果すらあります。「小学生の子が2人います。最近になってやっぱりもう一人ほしい」という考えがあっても、「3人目でも1人目のカウントになる」と聞くと気持ちが萎えてしまいそうです。
歳が離れた3人目であっても、せめて保育料が半額になれば良いのですが。一定の世帯所得がある家庭が、小学生等を育てながら0-1歳児の保育料(満額)を払うのは負担感が大きいでしょう。
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