大阪市では多くの区で「学校選択制」を導入しています。その名の通り、学区外の一定地域(区内全域・隣接校等のパターンがある)にある小中学校へ進学できる制度です。
これに関連して先日、「制服の学校と私服の学校で迷っている」という話がありました。我が家の子供は制服(「標準服」とも呼ばれる)と私服が入り交じっており、双方の長所や短所を日々感じています。
前提として大阪市立中学校はほぼ全校が制服(平野北中学校等は私服)、小学校は制服と私服が概ね半々となっています。
制服の最大の長所は「日々の服装を考えなくて済む」ことでしょう。毎日同じ服装で登校しています。「今日の服はどうしよう?」と考える必要はありません。服に関して子供と喧嘩をしなくて済むのは有り難いです。
最近の制服はよく出来ています。多少のサイズ違いはアジャスターで調整できます。汚れても家庭用洗濯機で洗えるタイプが多く、翌朝までには乾きます。
「お下がり」も入手しやすいです。既に卒業した近所の方から譲って貰える事もあれば、PTA等が主催となって不要制服譲渡会を実施している学校もあります。まだまだ使える制服は他の方に活用して欲しい、という共助の精神が生きています(単純に「勿体ない」という意識の方が強いかもしれませんが)。
服装によるいじめやトラブルが起きにくいのも無視できません。「格差社会」と言われる通り、子育て世帯でも経済状況は大いに違います。私服だと経済格差が目に見えやすい反面、制服には経済格差を覆い隠す力があります。とは言っても、他の様々な事象から経済格差に気づいてしまいますが。
たとえ見知らぬ子であっても、制服を着用していると「○○学校の児童・生徒だ」と分かります。街中で困っている様子を見掛けたら、警戒心を解きながら一声掛ける事もできます。その場で学校へ電話し、困っていた子供に繋いだ経験もあります。
一方で短所は少なくありません。まずは金銭面です。学校等によって差はあるでしょうが、制服一式(冬服上下・夏服上下・ワイシャツ類)を買い揃えるのにに3-4万円ほどが必要でした。昨今の物価高で価格は上昇しているでしょう。
購入できる店舗は限られています。我が家がお世話になっている中学校の場合、地域の制服取扱店で購入する様にとの案内がありました。入学者説明会では中学校に出店しており、その場で採寸や購入手続が可能でした。百貨店を取扱い店と指定する学校もあります。競争原理による価格低減は期待できません。
買い換える手間も掛かります。中学校は3年間着続けるのを前提としたサイズを、小学校は2-3年スパンで買い直すのが一般的だと聞きます。つまり小学校を卒業するまでに制服代として9万円~12万円が必要になります。無視できない金額です。
途中で転校する場合のリスクもあります。転校先でも同じ制服が導入されていない限り、着ていた制服は不要となってしまいます。入学直後に転校してしまうと泣くに泣けません。
気象状況に応じた柔軟な着こなしも出来ません。学校から「衣替え」をする時期が指定されています。たとえ秋や冬に暑い日があっても、夏服を着用して登校すると怒られます。ただ、最近は衣替えの期間を長期化したり、何れの季節でも夏服・冬服のどちらを着用しても良いとする学校も増えています。
どちらにも長所と短所があります。積極的に学校公開や説明会に参加し、学校の雰囲気等を肌で感じて下さい。特に居住している学区外の学校への進学を検討している方は、説明会等への参加は必須です。
都合と合わなければ、個別対応を行う学校も多いです。個別対応をしない学校は入学した児童生徒に対しても柔軟な対応が期待できないので、選択肢から外した方が良いです。
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