「大阪市民の声」には多数の苦情や要望が寄せられています。保育所の運営に関する不満も少なくありません。先日は多くの声が寄せられました。
大量離職
保育所に関しての相談です。私の子どもが通っている保育園では、毎年大量に職員が辞められます。
個々に事情があるとは思いますが、離職率がとても高いです。特に役職を担うベテラン職員が毎年多く辞めています。経営は家族経営で行っており、管理職と職員の内部統制等が適切に行えているか、やりがいを奪っていないか等労働環境をとても心配しています。関係課に繋いでいただき、管理者から保護者へ離職率についてどう捉えているか説明いただきたいです。離職率及び正規職員率、経験歴などお調べ頂ければ運営の危うさがお分かりになるかと思います。当該区は競争率も高く転園しにくい地区ですので、施設指導が特に大切だと思います。https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000599367.html
「保育士の離職率」は非常に重要な指標です。一般企業と同じく、運営や待遇等への不満は離職という形で表面化します。
毎年の様に多くの職員が退職されるという事は、何らかの大きな問題が生じているのは間違いありません。多くの保育士は慣れ親しんだ環境や園児から離れるのを躊躇します。それでも退職せざるを得ない、切実な事情があったと理解します。
投稿では「家族経営」を問題視しています。保育所等で生じる様々な問題の一因として「同族経営」があるのは紛れもない事実です。東京都日野市で園児虐待・監査妨害が発生した吹上多摩平保育園もその一つです。理事長・園長・保育士複数が同族で占められ、理事長の息子が権威を傘にして好き放題していた疑いが持たれています。
本件は大阪市が当該保育所へ指導を行っています。任意の対応を促す行政指導という形ですが、一定の効果は見込めます。これでも保育所等が適切な対応を行わなければ、「行政指導を無視した」という事由で更なる指導を求める根拠となります。
パワハラ・園長不在
先に紹介した事例と重なります。パワハラによる大量離職、園長の息子びいき、機能しない管理職・理事を問題視しています。
令和4年度職員が大量に辞められたことを受けて、保護者向けに説明会が行われました。そこには園長および副園長はおらず、園長代理だけが参加されていました。園長は適応障がい、副園長はその面倒を見るため説明会では説明できない、そして園長、副園長は令和4年11月に職員に対するパワハラを理由に辞任したとのことでした。説明会も散々で保護者の不信感は一層募りました。関係者以外入れない機密性の必要な説明会の中、契約もされてない園長の息子を紹介もなく教室の後ろに立たせて、スマホで書記するずさんさで、多くの保護者が紛糾されていました。また、園長代理はパワハラを令和4年11月に確認したにも関わらず、令和5年3月まで園長の処遇は延期されていたとのことです。そもそもこれまでも職員の定着率はとても悪く、パワハラが横行している施設だったことは想像に易いです。大好きな先生が叱責される姿を見て子どもの心は大丈夫か心配です。令和5年度は園長は他施設との兼任、副園長は不在、理事は高齢で病床であるとのことで既に管理運営基準を違反してないでしょうか。パワハラがあったと認められている以上、第三者の調査が必要だと思われますが、過去を含め調査や指導はしてもらえませんか?(以下省略)
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000599397.html
当初の内容通りであれば、保育所を管理すべき職にある人間が全く機能していません。真っ当な園運営は不可能です。たとえパワハラがなくとも、多くの職員が退職するのは当然です。
問題がある園長等を交代させるのは至難の業です。重大な法令違反が無い限り、自治体が辞めさせる事はできません(自発的な退職を促す事は可能ですが)。
多くの保護者が抗議の声を上げても、こうした園の運営を改めさせるのは困難です。抗議するのにも時間と体力が掛かり、育児や家事にも影響が出てしまいます。そうしている内に時間が過ぎ、卒園を迎えてしまいます。
残念な話かもしれませんが、転園して環境を変えるのが最善だと考えています。
また、こうした話は地域の口コミで回ります。同じ地域の他の保育所等と比べて第1希望者が妙に少ない保育所等には注意が必要です。
保護者対応の悪さ、虐待疑い?
子ども、保護者への対応がとても悪いです。
朝の登所、降所では保育士同士のおしゃべりが多く、その間横を通る子ども、保護者への挨拶は一切無し。お迎え時の子どもの保育所での様子も1年の間で2、3回しか聞いたことがない。事務的な書類関係だけ真面目に取り組み、コミュニケーションは、ほとんど無しで取り組んでいる。その中でも子どもへのお昼寝では虐待が疑われる。3歳より上から布団でのお昼寝がなくなるようで、ただただ椅子に座り机に顔を伏せて寝る子は寝る、寝れない子は黙ってタイマーが鳴るまで顔を伏せて座らされるというもの。子どもが言うには椅子に座ってられず、机の下で寝る子もいるとのことである。そのまま保育所の布団を借りて寝れるのかと思うが、タイマーが鳴るまでそのまま机の下で寝かせている。毎日座って腰を曲げて寝かす方法のメリットが分からないのとデメリットが多すぎである。成長発達に影響はないのか、30分も1時間も喋らない、何もしてはいけない、体を動かさない、絵本も読めない状況を保育の中で作っていることは、もはや虐待ではないのかと疑います。(以下省略)
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000599384.html
これは大阪市立保育所の事例です。私立保育所と異なり、市立保育所は大阪市の一部局です。大阪市によるハンドリングが効きやすく、場合によっては「業務命令」という形も可能です。大阪市は「保護者対応は不十分だった。保育室の環境や午睡時の過ごし方を見直していく。」と回答しています。
数年前までは多くの大阪市立保育所は1番人気となるケースが多かったのですが、最近は少し風向きが変わったかのように感じています。魅力的で新しい私立保育所等が増えたのに対し、多くの市立保育所は古い建物で従前通りの保育を行っていると聞きます。
また、大阪市は公立保育所の民営化を進めており、保育士の新規採用を抑制しています。保育士の新陳代謝が進まず、若手保育士が少ないという不満はしばしば聞きます。
保育所等に関する問題を大阪市に相談しても、すぐに改善されるわけではありません。が、多くの事例では大阪市が保育所にヒアリングを行っている様子です。中には行政指導を行ったり、年次の定例監査にて重点的に確認する事もあります。
相談しても門前払いされる心配はありません。保護者は保育の素人です。保育所の対応に納得できなければ、大阪市役所こども青少年局保育施策部保育企画課へ積極的に相談して下さい。