お世話になっている保育園から「特定教育・保育施設等利用者負担額決定(変更)通知書」を手渡されました。これは各家庭が負担する保育料を決定・通知する書類です。「利用者負担額」として記されている金額を見る度に、「高いなあ」「でも仕方ない」等を感じています。
しかし、今回手渡された通知書は違っていました。「令和06年度分利用者負担額」の欄には「月額0円」と記されていました。大阪市が令和6年9月から実施する「第2子保育料無償化」の適用となった為です。
複数の児童が同時に保育所等に在籍していると、大阪市では保育料が半減(第2子)ないし無償(第3子以降)となります。あくまで「同時在籍」が要件とされているので、年が離れたきょうだいがいる世帯は適用対象から外れていました。きょうだいの年齢差による、不平等な制度でした。
しかし大阪市は「同時在籍」から「同一生計」と改めました。これによって既に卒園したきょうだい等も「第1子」と数えられ、。保育所等に在籍している0~2歳児の「第2子」は「保育料無償」となります。
0歳~卒園までの6年間に渡って満額の保育料を負担した第1子の頃と比べたら、隔世の感があります。様々な社会制度が変わる過渡期に子育てしていると、第1子と末子では置かれた環境が大きく異なります。
第1子保育料無償化の行方は?
大阪市の横山市長は「第1子保育料無償化」も検討しています。
しかし、保育所を必要とする児童数が限られている第2子と比べ、多くの児童が対象となる第1子は非常に難しいでしょう。
そもそも大阪市には保育所等への入所を希望する全ての第1子が入所できるだけの定員がありません。特に年度後半生まれの0歳児は0歳児一斉入所が事実上困難、そして1歳児一斉入所は多くの申込みが集まります。
それに加えて「第1子保育料無償化」は保育所等への需要を誘発させます。様々な社会的事情によって保育は供給量が制約されており、今以上の超過需要が発生します。
運良く保育所等へ入所できれば保育料無料、でも入所できなければ家庭保育もしくは相当額の保育料を必要とする認可外保育施設や企業主導型保育を利用する事となります。保育所等へ入所できなかった方が抱く不公平感は極めて大きいです。
需給の大きな乖離及び著しい不平等性という観点から、「第1子保育料無償化」はデメリットが非常に大きいです。