登園自粛期間中の家庭保育は本当に大変だったと思います。「ストレスが爆発した」「親子で不安定になった」という話も聞いています。
決して満足できる金額ではありませんが、大阪市は3月~6月に登園自粛して家庭保育を行った家庭に対し、その日数に応じて保育料が還付・減額されます。
新型コロナウイルス感染症に伴う保育施設等の家庭保育を依頼している期間における保育料の軽減について
今般の新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、この間、保育施設等においては、家庭での保育が可能な方に、家庭での保育の協力をお願いしてきました。
令和2年5月21日に緊急事態措置を実施すべき区域の指定は解除されましたが、引き続き、令和2年6月1日(月曜日)から令和2年6月30日(火曜日)までの間、家庭での保育が可能な方のみ、家庭での保育の協力をお願いしているところです。
家庭保育の協力を依頼している期間中(令和2年3月2日から令和2年6月30日まで(予定))に家庭保育の依頼を受けて保育施設等に登園しない場合は、登園しない日数の保育料を軽減することになります。
減額保育料 = 保育料(軽減前) × 実際に登園した日数 / 25
※ 還付額は≪保育料(軽減前)-減額保育料≫となります。※ 5月については、開所日数が23日のため、土曜も含めて開所日全部登園した場合は23日となります。この場合は、開所日において登園しない日がないため、日割計算の対象となりません。登園日数が22日以下の場合に日割計算の対象となります。
登園自粛1日につき、保育料が4%ずつ軽減されます。月額保育料が1万円なら400円、5万円なら2,000円ですね。
そもそも登園自粛・家庭保育の協力を求めた大きな理由は、「保育所等での三密を避け、保育士の負担を軽減する」という物でした。
各家庭に協力を求めるツールとして、また家庭間での公平性を保つ方法として、「保育料の減額」という措置が行われたと認識しています。
保育料を通じた協力の障壁となったのは、皮肉にも昨年10月から導入された「幼児教育・保育無償化」でした。
これにより、幼児クラス(3歳児以上)の保育料は無償化されました。つまり「家庭保育に協力しても、保育料が減額されない」という事態が起きてしまったのです。
しかしながら、非常に多くの家庭が登園自粛に協力していました。
大阪市内で複数の保育所を運営している企業によると、ピーク時(4月下旬)の登園率は約20%にまで低下したそうです(※大阪市の最終週の登園率グラフは誤り?)。
https://twitter.com/Joe_Sadamatsu/status/1267324180199964673
登園したのはエッセンシャルワーカーや家庭の事情で保育所等を利用せざるを得ない方などに限られていたのでしょう。でなければ、こうした数字にはなりません。
しばしば「外出自粛や営業自粛に応じた方が非常に多かった」と言われています。これと同じ文脈で「登園自粛に応じた方も非常に多かった」と言えそうです。
登園自粛・家庭保育のお願いは暴風警報でも?
今回の登園自粛や保育料減額は、コロナ禍が進行する中で走りながら考えられました。
当初は様々な行き違いや混乱等も起こりましたが、徐々に妥当な結論へ収斂していったと感じています。
様々な事情により、今後も「臨時休園」はせずとも「登園自粛・家庭保育のお願い」を行うケースは生じるでしょう。
真っ先に思いついたのは「台風等の自然災害」です。大阪市内に限らず、非常に多くの保育所等では「暴風警報や特別警報が発表されたら臨時休園とする」という規定が設けられているでしょう。
しかし、エッセンシャルワーカーを初めとして、こうした状況下でも休めない方は少なくありません。
であれば、暴風警報や特別警報が発表されたら、臨時休園では無く「登園自粛・家庭保育のお願い」を行うという考え方も取り得るのではないでしょうか。
登園自粛に応じる園児数・出勤できる保育士数・お迎えが困難な場合の対応・保育料の取り扱い等、検討すべき点は幾つかあるでしょう。
ただ、子育て家庭にとって、頼れる保育所等は何物にも代えがたい存在です。事情の許す範囲で開所され続ければ、とても安心できます。