(男児が意識不明に陥った新居浜上部のぞみ保育園)

新居浜上部のぞみ保育園(愛媛県新居浜市)にて慣らし保育中だった男児(8か月)がリンゴを喉に詰まらせ、現在も意識が戻っていません。

先日、新居浜市特定教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための検証委員会が報告書を市へ提出しました。

去年、愛媛県新居浜市の保育園で、生後8か月の男の子が給食のりんごをのどに詰まらせて意識不明となった事故で、市の検証委員会は、りんごを離乳食とすることへのリスクの認識不足などが事故につながったとする報告書を市に提出しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240325/k10014402111000.html

同報告書は新居浜市ウェブサイトに掲載されています。

新居浜市認可保育所における重大事故の再発防止のための検証委員会報告書
https://www.city.niihama.lg.jp/uploaded/life/134845_607694_misc.pdf

新居浜市認可保育所における重大事故の再発防止のための検証委員会報告書(概要)
https://www.city.niihama.lg.jp/uploaded/life/134845_607953_misc.pdf

報告書より、特に気になった部分をご紹介します。

担任3人はいずれも0歳児保育歴が満1年以下

事故当時に0歳児7人を保育士2人・看護師1人が担任していました。年齢は20代~30代、保育経験は1年9か月~7年でした。決して長くはありませんでした。それに加え、0歳児の担任歴は3人共に満1年以下でした。

0歳児クラスは園児1人当たりの保育士数こそ多いものの、気を遣う場面が続きます。0歳児は大人の手を借りなければ生きていけません。

我が家がお世話になっている保育所では、0歳児保育を長く受け持っている保育士が少なくとも1名は担任として配属されています(少なくとも10年以上、実態は20年以上かも?)。我が家の子供もお世話になりました。

0歳児クラスの担任に0歳児保育経験が豊富な保育士を配属しなかったのは解せません。

登園5日目、給食2日目だった

園児が入所したのは5月でした。事故が起きたのは登園し始めてから5日目、給食は2日目でした。まさしく慣らし保育の真っ只中です。

児童にとって入所直後や慣らし保育中は環境が激変しています。窒息事故等が極めて発生しやすい時期です。

大阪市でも過去に保育事故があり、細心の注意を払った慣らし保育を徹底する様に呼びかけています。

平成最後の入園・入学おめでとうございます 保育事故は初日に多発、提出書類は手元控えを

当該園児は保育所等で過ごす時間を少しずつ延ばし、給食も始めた直後に事故が起きました。0歳児保育歴が浅い3人は目の前の0歳児の対応に追われ、給食の内容が0歳児とって適切か否かを判断する余裕がなかったのかもしれません。

リンゴの大きさは不均衡、大きなリンゴ片も

給食として提供されたりんごの大きさは、約7mm×2mm×厚さ3mmでした。当日の給食が冷凍保存されていました。

ただ、写真を見る限り、大きさにはバラツキがあります。中には縦横約7mmだったり、斜めにカットされたリンゴもあります。

ミルクや舌ですり潰せる食材に慣れている乳児にとって、この大きさのリンゴは未知の食べ物です。保育士が「これは怖い」と気づけなかったのが残念です。

予兆はありました。前日(給食1日目)の食事は殆ど残しました。食べられたのはオレンジだけでした。

月齢に応じた通常通りの給食では無く、より食べやすい食事(ミルクのみ等)だけを提供するという判断も可能でした。

園内の食事は月齢ベースかもしれませんが、個々の家庭における食事内容はバラツキがあります。「早く離乳食に移行しないと」という動機付けは全くありませんでした。

ガイドライン違反に誰も気付かず

同園ではブドウ・プチトマト・節分の豆は適切な注意を払っていましたが、刻みリンゴを加熱しないで提供するのが慣例でした。リンゴに対する注意を怠っていました。

同園では園長が検食を行い、給食に異常等が無いかを確認しています。しかし、検食していたのは幼児食だけでした。離乳食は行っていませんでした。生の刻みリンゴの存在を見過ごしてしまいました。

事故原因は「りんご、梨等の果物は、完了期までは加熱して提供する。」という国のガイドラインを遵守していなかった事に尽きます。

調理師・担任保育士・園長等、誰もガイドライン違反に気付きませんでした。