今年の秋は短く、夏から急激に冬へと移り変わったかの様に感じています。保育所へ持参する服も、半袖から厚手の長袖へと急激に切り替わりました。
秋と言えば運動会です。既にほぼ全ての学校が運動会を終えました。全校児童が朝から昼下がりまで集うコロナ禍前の形式に戻した学校がある一方、多くの学校は「半日開催」で実施しました。
秋の運動会シーズン。各地の学校では4年ぶりに、新型コロナによる制限のない形で運動会が実施されている。コロナ前のように「一日がかり」に戻す学校がある一方、多くの学校は負担軽減のため短縮開催を続けているようだ。
東京都世田谷区立塚戸小(児童数約870人)では10月14日、午前8時半から午後2時半ごろまで運動会が行われた。昨年まではコロナ対策のため、3年連続で「学年ごとに時間帯を分けて実施」「午前中に終える」という形式。種目も徒競走とソーラン節やダンスなどの表現の演技のみに制限し、子どもたちは他学年の種目のビデオ中継を教室で観覧していた。
だが、今年は4年ぶりに全学年が集まって一日がかりで行われた。赤組と白組に分かれての応援合戦、徒競走、ダンス、大玉転がしや玉入れなどを実施。保護者らの観覧制限もなくし、約2200人が訪れた。児童は長時間屋外にいる経験が少ないため、近隣の小学校から借りてきた約40のテントを校庭のトラックを囲むように設置。児童は出場種目以外はテントの下でいすに座り、声援を送った。(中略)
5月に一日がかりで行った大阪市立鶴見南小。井上伸一校長は「コロナ禍で十分な運動ができていなかった子もおり、体力向上が喫緊の課題。大規模に運動会を開くことは、子どもの意識を高める機会になると考えた」という。準備のための教員の負担も増えそうだが、井上校長は「計画的に練習の時間を設けることで負担は最小限にできたと思う」と話した。
ただ、各地の開催形式をみると、「終日」が当たり前だったコロナ前のような状況には戻っていない。大阪市教育委員会によると、今年5~6月に実施した市立小50校のうち、終日は6校のみ。43校は半日で終わる短縮型で、1校が学年によって実施日を分散させた。(以下省略)
我が家がお世話になっている小学校も、コロナ禍前の「終日開催」から「半日開催」へと変更されました。保護者目線としては、半日開催は非常に助かりました。様々な負担が大幅に軽減されました。
まずは弁当作りです。2019年前の終日開催では保護者と子供は校庭、保護者不在の児童は教室で先生と一緒にお弁当を食べるとされていました。
疲れ切った週末に早起きし、数人分のお弁当を作るのは大変です。お弁当用の買い出しも必要です。
しかも運動会が実施される時期は気温が30度を越えます。お弁当の保存には気を遣います。傷みやすい食材や調理方法は避け、出発直前まで冷蔵庫で冷やし、弁当袋には保冷剤も詰めました。
子供が出場する出番は概ね9時台(遅くとも10時前後)にはやってくるので、それに間に合う様に出発しなければなりません。
当然ですが、保育所に通っている(当時)下の子も一緒です。運動会を見学するのにはすぐに飽きてしまいます。炎天下の下、うろうろするのを追いかけ回して大変でした。
12時過ぎにようやく昼ご飯です。外は非常に暑く、食べる場所を探すのに一苦労です。日陰は朝早くから場所取りされています。教頭先生に「このままでは午後の競技が始まる前に熱中症になってしまう」と相談し、空き教室や体育館を開放してもらいました。
お弁当を食べている最中も下の子は「疲れた。帰りたい。」ばかりを言います。早起きした親も疲れています。「親も早く帰りたい」が本音です。
13時頃に午後の部が再開されました。子供の学年の出番が終わり次第、すぐに帰宅しました。長時間に渡って屋外にいたので、熱中症一歩手前の日焼けで大変な思いをしました。帰宅後はすぐにシャワーを浴び、子供と一緒に昼寝しました。
小学生の子供は15時頃に帰宅しました。流石に少し疲れた様子です。毎週土曜日に通っている習い事も、この日はお休みしました。
それがコロナ禍の最中は「運動参観」という形で1時間限定の授業参観となり、更に2023年からは「半日運動会」となりました。早朝からの弁当作りや長時間の観覧から解放され、午後に別の予定を入れる事も可能となりました。負担感が全く違いました。
学校はどの様にして終日開催から半日開催へと切り替えたのでしょうか。手元にコロナ禍前の運動会プログラムがあったので、今年の物と比較しました。
意外な事に、子供が主体となって参加するプログラム(徒競走やリレー、学年毎の競技や演技等)に大きな変更はありませんでした。入退場の時間を短縮する為か、徒競走やリレーは複数学年が同時に実施される様になっていました。
なお、組体操は簡略化されていました(ダンス形式の取り入れ等)。これは相次いだ事故、コロナ禍による子供の体力低下、そして練習時間が以前より短縮された影響でしょう。
大幅に変更されていたのは、来賓や町内会関係者が参加するプログラムです。コロナ禍前は町内会関係者が主体となって参加するプログラムがあり、大人と子供が一緒になって綱引き等を行っていました。
今年はこれらのプログラムが完全に削除されていました。町内会の運動会を兼ねていた部分を切り離した格好です。これも大歓迎です。子供の様子を見に来ているのであり、町内会関係者が運動する様子を見に来ているわけではありません。
他にも来賓挨拶や運動会の歌も省略されていました。校長先生の挨拶やラジオ体操は引き続いて実施されました。
負担軽減と同時に、他の子供達の様子を見れたのも収穫です。保育所や地域行事等を通じ、子供とは違う学年の子供やその家庭とも繋がりが出来ています。運動会では「○○さんの子供も大きくなったなあ」「1年生は小さい!」等の感想を持ちました。
子供も「(運動参観だった)去年よりは時間が掛かったけど、今年の運動会は早く終わった!」と満足気でした。帰宅後に昼食を食べ、午後からは習い事に出掛けました。無尽蔵の体力が羨ましいです。
教職員の負担も軽減されたでしょう。子供達が出場するプログラム自体に大きな変化は無いので、練習時間はコロナ禍前と同程度だったと考えられます。
ただ、町内会の出場に関する調整が不要となり(プログラム削除に関しては大変だったでしょうが)、片付け等を含めた当日業務は13時過ぎには終了した筈です。コロナ禍前の17時とは雲泥の差です。
学校関係者以外が来訪できる運動会は久しぶりにだったので、ここ数年の間に異動した教職員や育休取得中の教職員も数多く訪れていました。小学校の卒業生も遊びに来ており、さながらミニ同窓会が行われていました。
保護者としては「来年以降も半日開催を継続して欲しい、終日開催への回帰は断固反対」です。多くの子育て世帯は以前より忙しく、土曜日を1日空けるのは容易ではありません。特に小学生以外の子供がいる家庭は尚更です。
もしも1日開催で困っている家庭がありましたら、学期末の懇談会等で先生に相談するのをお勧めします。これだけ多くの小学校が半日開催に切り替えたという現状があれば、学校も再検討せざるを得ません。