静岡県裾野市のさくら保育園虐待事件後、朝日新聞で「崖っぷちの保育 ~子どもの安全を守るには~」と始まりました。始まりました。

崖っぷちの保育 ~子どもの安全を守るには~
https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=1673

保護者・弁護士・研究者・園長等、様々な関係者に話を伺っています。本日掲載されたのは「意見を言わないのは「いい親」か 保育虐待なくすため親ができること」という記事でした。特に共感できた点をご紹介します。

外部の目

 今回の虐待事件で、保護者たちがどのように関わったかはわからないので、あくまで一般論ですが、保育の安全や質を守るためには、「外の目」が大事です。働いている職員だけで閉じてしまうのではなく、保護者や地域など、いろんな人の目が入るようにしなければいけません。

 保護者は園を信頼して預けるものだと思いますが、どのようにして安全が確保されているのか説明を受け、不安があれば改善を求め、実際に改善されているか、日常的に関心を持つことも大事です。

 ――保育園の取材をしていると、送り迎え時に玄関で子どもの受け渡しをして中の様子が見えないという園もよくあります。

 大変危機感を持っています。日常的に、園に親が入るのは大事なことです。

我が家がお世話になっている保育所は、保育室内で園児を受け渡しています。保育室に入り、朝は子供を検温し、荷物をロッカーに入れ、昨晩から今朝の出来事等について保育士と話をし、子供を受け渡す形式です。夕方も概ね同じです。

常日頃から保育士や保育室内の様子を見ているので、何か違っていたらすぐに気付きます。例えば物が壊れている、床が汚れている、保育士さんの元気がない、休んでいる子供が多い等が肌感覚で分かります。

他の年齢の保育室の様子も廊下や園庭から見れます。少なくとも物理的には風が通しがよい園です。

もしも異変を感じたら、ケースバイケースで保育士に「お願い」する事が多いです。大抵の事はすぐに対応して頂いています。

朝の登園時間が終わった後に、保護者が忘れ物を持ってやってくる事もあります。園児を閉じ込められる様な密室もありません。隠れて虐待が行われている、行える状況ではありません(万が一にもこの信頼が裏切られたら、ショックが大きいです)。

もしも「虐待かもしれない」という光景を見たらどうするかと自問自答してみました(見た事はありません)。保育士本人に直接問いただすのは気が引けます。主因保育士や以前に受け持って頂いた事が有るベテラン保育士に「相談」すると思います。「○○先生は良い方ですが、××するのが気になっています。悩んでいます。これはどうなんでしょうか?」と。

初めからクレームや改善要求をするのではなく、「自分の思い違いかもしれないけど・・・・」といった感じでソフトに相談したいです。

それでも続くようであれば、園長や第三者委員(近隣他園の園長が多い)、更には自治体の保育担当部署に話を投げかけるでしょう。

こうした判断に迷うのであれば、同じ保育所に子供を預けている保護者に相談するのも有意義です。特に上の子が同じ保育所を卒園している保護者は、過去の事例や園の考え方を理解しています。「この話なら○○先生に相談すると良いよ」等の気づきが得られます。

一部の園には匿名で手紙やメールを投稿できる制度もあります。こうした物も利用したいです。

保護者会の重要性

 コロナ禍で、親どうしが情報を共有する機会も激減していると思いますが、保護者どうしがつながっておくことは重要です。いまは設けていない園も多いですが、保護者会の役割は大きい。園側も、保護者会があることで、その意見を冷静に聞ける部分はあると思います。

 保育者側、園側も、すべてを抱え込もうとせず、保護者と一緒に育てるという考え方が大事だと思います。

 かつては、保護者も保育者も一緒になって保育運動をしたり保育園運営をしたりしていた園が数多くありました。

 今も、例えば在宅勤務で時間のできた保護者に手伝いに来てもらったり、昼食を一緒に食べに来てもらったりといった試みは検討できないでしょうか。

お世話になっている保育所では保護者会が結成されています。第2子~第3子が保育所に通っている母親(時折父親)が会長に就任する年が多いです。

コロナ禍で甚大な影響を受けたのは、保護者会活動や地域との関わりでした。

以前は様々な園行事等に保護者会や地域が関与していたのですが、コロナ禍以降はそうした行事が中止を余儀なくされました。少しずつ復活していますが、現在は保護者会等が関わらない形となっています。コロナが未だに猛威を振るう大阪では仕方ありません。

記事で指摘されている「保護者に手伝い」や「昼食」も同様です。コロナ禍前まではありましたが、現在は全て中止されています。

来年度はもう少し活動を広げたいと言った話は水面下で行われていますが、まだまだ余談を許しません。

なお、小学校の保護者会(PTA)活動は概ねコロナ禍前に戻りました。まだ戻っていないのは地域との関係(盆踊り)や食事を伴う行事です。

裾野市のさくら保育園で発生した虐待事件は、ひょっとするとこうした「外部の目」が少なくなったのと関係しているかもしれません。子供が特定の保育士を警戒する様子を保護者が目撃できていたら、異変に気づけたかもしれません。

多くの保護者の目に触れられる、風通しの良い園であって欲しいです。