千葉県は学校での「マスク着用は不要」を強力に推し進める考えです。

 千葉県教委は22日、新型コロナ対策の学校でのマスク着用について、教職員が率先して外して指導を行うことなどを盛り込んだ通知を県立学校と市町村教委に出したと発表した。学校生活全般においても「着用は不要」との考えを明示した。通知は19日付。

 県教委によると、4月6日に設置した電話相談窓口に対し、保護者などから「児童・生徒がマスクを外す選択をしたくても外せない状況にある」といった内容の相談が多く寄せられたという。

 こうした声を踏まえ、冨塚昌子教育長は19日の記者会見で「どのような働きかけができるか担当課と協議している。現場の状況を聞き取りながら、必要な対応を取りたい」との意向を示していた。

 通知では「マスク着用は原則不要」と明記。マスクを外す意義について、児童・生徒同士が表情豊かにコミュニケーションを図る機会を尊重し、教職員が一人一人のさまざまな状況を読み取り、きめ細やかな指導・支援をする必要があるとした。

 一方で、着脱は個人の判断を尊重。「基礎疾患等を有する場合などさまざまな事情によりマスク着用を要する者への配慮を十分に行う」ことも求めた。

 県教委は4月28日、コロナ5類移行後の感染対策などを県立学校と市町村教委に通知。学校教育活動で「マスク着用を求めないことが基本」としていた。新たな通知は、現場の実情を踏まえ脱マスクへさらに踏み込んだ格好だ。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1061830

通知文は千葉県教委ウェブサイトに掲載されています。

https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/anzen/hokenn/documents/mask-kenritsu.pdf

「学校生活全般にわたり、原則としてマスクの着用は不要とする。」と強調した上で、「なお、児童生徒にマスクを外したいという気持ちがありながらも周囲の雰囲気等により、自ら外す選択ができない状況が生じないように、教職員が率先してマスクを外して指導・支援を行ったり、教職員から児童生徒に対し、適宜着用の必要がない場面であることを伝えたりする取組を継続的に行うことも必要である。ただし、マスク着用の有無に関し、個人の判断を尊重するとともに、基礎疾患等を有する場合など、様々な事情によりマスク着用を要する者への配慮は十分に行うものとする。また、着用の有無による差別や偏見等が起こらないように留意する。」としていいます。

問題は「周囲の雰囲気等により、自ら外す選択ができない状況が生じないように」という箇所です。果たして児童生徒は本当に周囲の雰囲気等によってマスクを外すという選択ができないのでしょうか。

我が家がお世話になっている小学校では、概ね8割以上の児童がマスクを着用しています。つまり、2割弱の児童はマスクを着用しないという選択を行っているわけでです。周囲の雰囲気等が強く影響しているのであれば、もっと極端な割合になっているでしょう。

更に懸念されるのは「教職員が率先してマスクを外して指導・支援を行ったり」という箇所です。これは教職員にマスクを外す様に求める、事実上の業務命令です。「個人の判断に委ねる」「事業者の判断でマスク着用を求める事もある」という政府方針に、真っ向から反しています。

また、虚飾員がマスクを外して指導等を行う事により、児童生徒がマスクを外そうとする気持ちになるのでしょうか。先日の授業参観で興味深い光景がありました。マスク着用における保護者と児童の関係性です。

興味深かったのは保護者です。3-6年生に限って言うと、マスクを着用していない児童の保護者は全員がマスクを着用していませんでした。例外はありません。反対にマスクを着用している児童の保護者は、概ね全員がマスクを着用していました。

つまり児童のマスク着用に関しては、家庭の方針が強い影響を及ぼしていると言えそうです。学校や先生が「マスク着用は自由です」「外しましょう」と呼びかけても、家庭の方針が上書きしています。

https://yodokikaku.net/?p=53638

思い出したのは「北風と太陽」というイソップ寓話です。教職員が学校にて「マスクを外そう」という北風を吹かせても、感染予防を重視する児童・保護者は「マスクを外せない」と防御態勢を強めるだけです。マスクを外した教職員や児童生徒が増えれば尚更です。

もしも教委が児童生徒からマスクを外させたいならば、安心してマスクを外せる環境を丁寧に作り、外した方が良い理由を家庭にじっくりと説明する必要があります。

前者は換気・二酸化炭素モニターの設置・黙食・体調不良者の欠席の徹底(不利益に扱わないルールも必要)・教職員のマスク着用、後者は学校現場におけるマスク着用のデメリット(コミュニケーション能力の低下?熱中症の危険?)等が考えられます。

しかし、現に起きているのは真逆の事態です。換気は不十分、二酸化炭素モニターは足りない、給食中のお喋り、多少の咳風邪や家族のコロナ感染でも登校、教職員は率先して脱マスク、家庭への説明はプリントのみです。家庭としては自己防衛に努めるしかありません。