今日の大阪は非常に蒸し暑く、不快な1日でした。案の定と言いますが、今日も学校での集団熱中症が発生しました。流山市立八木北小学校(千葉県)での出来事です。
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千葉県は20日、千葉県流山市立八木北小学校で同日昼前、体育の授業後に5年生の男女12人が熱中症の疑いで搬送された、と発表した。このうち7人が中等症で、5人が軽症だったという。
流山市消防本部中央消防署によると、同小の教頭から「10歳の女性の意識が混沌(こんとん)としている」と119番通報があった。
同小によると、午前10時35分~同11時20分の授業で、体育館で20メートル離れた2本の線を音楽に合わせて往復し持久力を測るシャトルランをしていたという。1人の女児が走るのをやめてうずくまったことから保健室に連れて行き、授業後に他の児童も「気持ちが悪い」「頭が痛い」などと症状を訴えたという。その後、全員が回復したという。学校側は、体育の授業中に児童に水分補給やマスクを外すことを指導し、体育館の窓を開けて換気していたという。
流山市立八木北小学校はTX流山おおたかの森駅から北へ約1.5kmの場所にあります。東京への通勤圏にある事から、子供の数が急増している学校です。グーグルの画像からも運動場に校舎を増築している様子が確認できます。
多くの児童が熱中症を訴えた理由は一目瞭然です。30度近くの暑さ、梅雨時特有の湿度の高さ、熱気が籠もりやすい体育館、コロナ禍で運動不足気味の小学生、脱マスクに気を取られた学校や教員、そしてシャトルランという強度の有酸素運動という、最悪の組み合わせがありました。
今日の暑さは言うまでもありません。加えて湿度の高さが身体に堪えました。マスクが顔にべっとり付く感覚は気持ちよいものではありませんでした。周囲に人がいない時は、私自身もマスクを外すほどでした。
体力テストが行われていた体育館は窓を開けていたそうですが、熱気は籠もりがちです。風通しもよくありません。日光で熱せられ、児童の呼気で湿度は高まっていたでしょう。高温多湿は熱中症の要因です。
子供達の運動不足も見逃せません。筋肉が落ちた事から体内に蓄えられる水分量が減っています。同じ運動を行っても心肺に負担が掛かりやすくなっています。
数週間前から、文部科学省や教育委員会等はしきりに「脱マスク」を訴えました。こればかりが強調されてしまい、あたかも「マスクさせ外せば熱中症は防げる」という(誤った)言説が広がりました。
しかし、高温多湿の状況下では、たとえマスクを外していても熱中症になってしまうのは言うまでもありません。コロナ禍前でも学校での熱中症事案は定期的に発生していました。熱中症対策としての優先順位を誤っています。
極めつけはシャトルラン(往復持久走)です。体力の限界まで走り続けます。身体に大きな負担が掛かる運動です。親世代が小中学生の頃には無かったテストですね。今は踏み台昇降運動が無くなりました。
高温多湿の梅雨時にシャトルランを行うのは、新体力テストの為です。1学期中に行うとされています。4-5月が諸行事で忙しい学校では、6月に行う事が多いと聞きます。6月下旬からはプール授業が始まってしまうので、その直前ギリギリというタイミングです。
今日ほどの高温多湿下において、体育館でシャトルランを行うのは危険が伴う行為でした。たとえマスクを外し、適切に水分を補給したとしても避けるのは難しかったです。八木北小学校以外の学校でも、シャトルランを行って体調を崩した児童生徒はいた筈です。
「熱中症対策としてマスクは外します、しかしながら高温多湿下でも体育は従来通りに行います」と言う、いいとこ取りの論法は通じません。