マスクの着用が個人の判断に委ねられてから1カ月強(但し学校では1カ月弱)が経過しました。先日にほぼ同じタイミングで保育所・小学校・中学校を訪れる機会があったので、それぞれのマスク着用事情を比較します。

マスク着用率年齢・学年子供保護者職員
保育所0-2歳児着用せず7割10割
保育所3-5歳児7割
小学校1-2年生5割以下6割7~9割(状況によって変動)
3-4年生7割7割
5-6年生9割8~9割
中学校(授業)1-3年生9割3割
中学校(運動部)1年生8-9割ほぼ着用せず
2-3年生ほぼ着用せず

お世話になっている保育所では、日に日に保育士・保護者のマスク着用率が低下しています。とは言っても4月末時点で保育士の約8割、保護者の約7割がマスクを着用し続けています。

保育士のマスク着用は担当するクラスによって明確に分かれています。幼児クラス(3-5歳児)を担当する保育士のマスク着用率は約7割弱です。3人に2人が着用しているものの、3人に1人は外している状況です。

幼児クラスは園児と一定程度(とは言っても近い距離ですが)の距離が取れる上、屋外で遊ぶ機会も多いです。体調を崩す園児も幼児クラス(0-2歳児)と比べて少ないです。マスクを外しても、幼児クラスより感染対策が相対的に行いやすいと言えます。

反対に乳児クラス(0-2歳児)を担当する保育士は、全員がマスクを着用し続けています。乳児は保育士と密接する機会が頻繁です。多少の咳や鼻水があっても登園する児童も少なくなく、至近距離から咳・くしゃみ等を浴びせられる事もあります。マスクが無ければ完全に無防備となってしまいます。

また、乳児クラスは短時間勤務の保育士が多いのも特徴的です。幼児クラスより多くの保育士を必要とします。中年・高齢の保育士も少なくありません。若い先生よりも感染した際の重症化リスクが高く、自己防衛する必要性はより強いです。

保護者は子供の年齢毎の差は感じられません。性別による差もありません。ただ、迎えに来ている高齢者は全員が着用しています。重症化リスクの高低を反映しているのでしょう。

登園手段による違いもあるかもしれません。徒歩やベビーカーで登園している保護者のマスク着用率は高いのですが、自転車で登園している方の着用率は高くありません。自転車を漕ぐ時に着用するのは邪魔です。外したまま自転車で移動し、そのまま登園しているのでしょう。

小学校は先日に行われた授業参観で確認しました。

まずは児童です。明らかに学年が高いほどマスク着用率が高くなっています。授業中は5-6年生が9割、3-4年生は7割、1-2年生は5割がマスクを着用していました。若干ながら女の子の着用率がやや高かった印象です。

興味深かったのは保護者です。3-6年生に限って言うと、マスクを着用していない児童の保護者は全員がマスクを着用していませんでした。例外はありません。反対にマスクを着用している児童の保護者は、概ね全員がマスクを着用していました。

つまり児童のマスク着用に関しては、家庭の方針が強い影響を及ぼしていると言えそうです。学校や先生が「マスク着用は自由です」「外しましょう」と呼びかけても、家庭の方針が上書きしています。

文科省や教委は「子供がマスクを外さないのは、先生が外さないからだ」として、教職員の奪マスクを進めています。しかし、この方針に不信感を持つ保護者が多いのでしょう。

保護者として最も避けたいのは「子供の感染・学級閉鎖」です。子供が学校へ登校できなくなり、仕事を休まざるを得ない事態です。仕事を長期間休む事になっても、マスク不着用を推進する学校等は責任を取りません。5類へ移行したら、尚更自己防衛する傾向が強くなるでしょう。

教職員の着用率は約7割でした。校長先生や教頭先生がマスクと着用していたのが意外でした。市教委からは強い指示があったかもしれませんが、「あくまで自己判断」を貫いている様子でした。高学年を担当する教員の着用率はやや高く、低学年は低くなっていました。

この話には続きがあります。授業が終わった教員が職員室へ戻ろうとすると、何故かそこでマスクを着用し始めました(複数)。マスクを着用した状態で廊下で保護者と雑談をし、そのまま職員室へ戻り、授業参観後に開催されるPTA総会は大半の教職員がマスクを着用していました。

突っ込みどころが満載です。風通しの悪い教室では小一時間に渡って多くの児童に対して話し続ける反面、じっとしているPTA総会(講堂で実施)ではマスクを着用しているなんて。マスクを着用する目的を見失っているかの様に見えました。

中学校へ先日に所用で伺いました。

生徒の着用率は約9割でした。校内で見かけた制服姿の生徒の殆どは着用していました。部活動では2-3年生の多くのがマスクを外していましたが、1年生は大半がマスクを着用したまま運動をしていました。特に女子生徒はほぼ全員が着用していました。顧問の先生からは「部活中は外す様に」という指示が出ている筈なのですが。

少し不安に感じたのは教職員です。約7割の教職員がマスクを外していました。風通しの良くない職員室内でも大きな声で話をする様子が垣間見えました。咳をする音も聞こえました。子供に訊いたところ「先生の着用率は半分ぐらい」と話していました。

実は中学校では職員室で何度もクラスターが発生し、「教員の人繰りが付かない」という理由で臨時休業を行った事があったそうです。今年も職員室での集団感染が発生するのではないかと、強い不安に駆られました。

新型コロナは5月8日から5類へ移行します。5月以降は暑さも厳しくなります。花粉症も山場を過ぎました。マスクを着用する方は自然と減少すると考えられます。

更に5月19日からG7広島サミットが開催されます。政府から国民へ「マスクを外そう」という強い呼びかけが行われるでしょう。既に放送されている政府広報CMでもマスク姿を例外的に取り扱っています。

焦点となるのは、再び新型コロナが大流行した場合も対応です。ほぼ全国で感染者が増加し始めており、第9波の到来が予期されています。GWでは人間の大移動が起こります。ただ、5類移行に伴って日々の感染者数が発表されなくなり、リアルタイムでの感染動向が掴みにくくなります。

私自身としては今後もコロナ対策に留意しつつ、コロナ禍前の様な日常生活に戻っていこうと考えています。子供達も同様です。