早くも大阪府内のコロナ感染者がリバウンドし始めようとしています。3月27日の感染者数は3,493人でした。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/0327.pdf

1週間前たる3月20日の感染者数は2,908人でした。1週間で585人も増加しています。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376069/0320.pdf

この1週間で著しく感染が拡大したのは20代です。従来から社会活動が極めて活発な世代であり、重点措置の終了や年度末によって加速しています。

この年代は会食等で感染が広がりやすく、ここを起点として他の年代にも広がります。「20代の感染増から感染の山が始まる」というのが経験則です。

心配なのは子供の感染です。うちの子は第6波での感染は免れましたが、「間一髪」だったのが正直な感想です。実は隣席の児童が感染したり、一緒に登下校している児童が感染したりしていました。

その度に自宅待機させるべきか否かと悩みました。ただ、感染したという話を聞くのが遅く、休ませる時期を逸してしまいました。その間に体調の変化もありませんでした。

同時に痛感したのは「体調に変化がない子供を自主的に休ませる難しさ」です。咳や発熱と言った体調変化があれば、早めに休ませるのは容易です。

数年前なら「これぐらいなら大丈夫だろう」と登校園させていても、今は簡単に休ませています。社会的コンセンサスも取れています。しかし、「体調に変化はなくてもひょっとしたらコロナに感染しているかもしれない、だから休ませる」というのは別問題です。

第6波の大阪市立学校では、濃厚接触者の特定が事実上機能していなかったのが実情でしょう。先生は「保健所から示された基準に則って判断している」と話していましたが、一定の前提知識やトレーニングをない先生が適切な判断を行うのは難しいでしょう。

また、教職員の感染者も多発し、それどころではなかったという側面もありました。欠勤する教職員が抜けた穴を埋めるのに追われてしまい、担任外の先生が授業を行うのもしばしばでした。子供の行動や変化に気付くのは普段以上に難しい状況でした。

あくまで保護者目線となりますが、欠勤者が溢れかえる学校に濃厚接触者の特定を委ねるのは酷です。極めて困難です。

代わりに是非行って欲しいのは、クラス全員へのPCR検査です。大阪府寝屋川市や沖縄県を初め、全国各地の自治体で行われています。

①陽性者が1名の場合は、当該クラスの児童・生徒及び担任にPCR検査(スクリーニング検査(希望制))を実施する
https://www.city.neyagawa.osaka.jp/material/files/group/125/taisyohousi.pdf

昨年5月から、沖縄県では、学校と学童クラブにおいて1人でも陽性者が発生した場合、クラス全員に対してPCR検査を実施してきました(民間に事業委託)。昨年9月からは、これを保育園・幼稚園に拡大しました。さらに、今年4月からは、学習塾やスポーツクラブなど、子どもたちが集まる場へと実施対象を拡げることにしたのです。

実のところ、頑張って濃厚接触者を特定するよりも、空間を共有していた子どもたち全体に検査を行って、陽性者を特定する方が確実なのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/takayamayoshihiro/20220327-00288501

全国で最も感染状況が悪い大阪市で行っていないのは全く理解できません。子供の感染が収まらないのも当然です。感染者と同じ空間に長時間滞在した子供に対して検査等を行わず、発症するまでは自由に登校・登園させているわけですから。

こうした積極的な措置を行わないのは、大阪市保健所のマンパワーが限界に達しているのと無関係ではありません。最重要業務である高齢者施設のクラスター対応や発生届の入力や追いつかず、学校への対応が後手後手(放棄)になりました。

新型コロナウイルスの「第6波」で、各地の保健所は再びパンク状態に陥った。大阪市保健所では高齢者施設のクラスター(感染者集団)の把握が追いつかず、感染者情報2万件以上の入力遅れや不適切な業務委託が起きるなど混迷を極めた。背景には想定の甘さや内部の連携不足があった。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ3V61TNQ3LPTIL00Y.html

これは明らかな人災です。保健所の業務逼迫の影響は高齢者の死者増のみならず、子供の感染増にも及んでいます。保健所の尻ぬぐいを家庭に押しつけられています。一市民として怒っています。怒りの対象は保健所ではなく、適切なマンパワーを配置しなかった大阪市に対してです。

今週末から新年度が始まります。子供達も一斉に動き出します。重点措置が解除され、学校や保育所等の行事に対する制限も大幅に緩和されます。中にはコロナ禍前の様に激しい屋内活動をノーマスクで行う学校もあるでしょう。

この状態で第7波が起こり始めるのは地獄です。再び重点措置を発出するのは躊躇され、学校や保育所等の対応は後手後手に回り、医療機関の入院率は下がりきっていません。

本当に心配です。