首都圏や関西での感染爆発が話題になっていますが、実は国内で最も感染状況が悪いのは沖縄県です。

緊急事態措置が続く中、新規感染者数は今週先週比が1.26*で増加が続き、約312と全国で最も高く、過去に例のない水準で増加が継続。20-30代が中心。病床使用率及び重症病床使用率は8割を超える厳しい状況が続き、調整中の者も増加している。夜間滞留人口はお盆に入り再び増加傾向にあり、感染の拡大が継続する可能性。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000820146.pdf

約3か月も緊急事態宣言が続いていますが、感染者は増えるばかりです。感染者数と密接な関係がある夜間人流も思った様に落ちません。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1377005.html

感染者の中で未成年者が占める割合も急増しています。昨年までは概ね5~10%でしたが、8月以降は20%を越えています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000820158.pdf

追い詰められています。そして、遂に那覇市が大鉈を振るいました。限定保育の実施、そして学校の夏休みを延長します。子育て世帯を対象とした、事実上のロックダウンです。

那覇市、保育の受入を一部職種の子どもに限定 20日から コロナ急増受け

 那覇市は19日、保育園や認定こども園など市内の就学前教育保育施設で新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受け、保育の対象を一部の職種に就く家庭の子どもらに限定する「特別保育」を20日から31日まで実施すると決めた。認定こども園や認可保育園だけでなく、認可外保育園などについても特別保育の実施を依頼する。

 特別保育の対象は、保護者全員が(1)社会生活を維持する上で事業継続が求められる職種(2)社会福祉サービスなどの職種(3)そのほか、真にやむを得ない事情がある人―のいずれかに該当し、かつ休暇の取得が困難な場合とする。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1378053.html

詳細は那覇市ウェブサイトに掲載されています。

新型コロナウイルス感染症対策に係るこども園・保育園等の対応について
https://www.city.naha.okinawa.jp/safety/corona_kanren/hogosha/hoiukshisetunotaiou.html

同時に小中学校の夏休みも8月末まで延期されています。

那覇市立小中学校の夏季休業の延長について

令和3年7月22日(木)から8月22日(日)までを夏季休業と通知したところですが、下記の理由により、令和3年8月23日(月)から8月29日(日)の期間、夏季休業を延長いたします。

https://www.city.naha.okinawa.jp/child/osirase/kakientyou.html

これで那覇市内の子育て世帯は身動きが取れなくなりました。様々な事業所に重大な影響を及ぼします。特に多くの母親が勤務している飲食・小売・サービス業等は、従業員が出勤できずに営業できない店舗が相次ぐでしょう。

一方で弊害も大きいです。出勤できなくなった保護者へ所得を填補する制度は不十分です。雇用調整助成金等の申請はどれだけできるのでしょうか。

子供を自宅に放置して出勤する世帯も少なくないでしょう。沖縄の夜の街の少女たち(上間陽子先生)に描かれていたのは、子供を取り巻く事情の深刻さでした(今ならKindle Unlimited読み放題対象、2か月99円キャンペーンも行われています)。

親がいない部屋に中学生が遺されたら、集団で集まって良からぬ事をしてしまいそうです。全ての中学生ではないにしても。

学習も止まります。夏休みの短期延長ならともかく、更なる延長に対応したオンライン授業は実施可能なのでしょうか。授業と比べると、在宅学習やオンライン授業はどうしても効率が落ちます。再開後の補習が不可欠です。

東京や大阪と同様、沖縄での感染拡大を牽引しているのも20代です。子育て世帯の動きを止めても、夜の街へ繰り出す20代は止まりません。親がいない部屋で子供子供間の感染を促す危険もあります。

限定保育の導入や夏休みの延長によって子育て世帯の動きを食い止める措置は、更に別の自治体で実施される可能性があります。特に首都圏は要注意ですね。大阪市にはそうした動きを感じませんが、方針が何度も急転回した過去があります。

様々な場面で「ロックダウン」「一斉休校」と言われますが、様々な弊害もあります。実施するとしたら、十分な準備が不可欠です。現状では全く不十分です。

こうした状況下の沖縄県へ東京や大阪から遊びに行く方の考えは理解できません。コロナの感染拡大がなかなか止まらないのは、こうした人間へのアプローチが弱くて行き届いていないのも理由の一つでしょう。

ワクチンを接種せず、ハイリスク行動を繰り返し、コロナ感染を広げる行動は嫌になります。子供が犠牲になっています。この夏休みは旅行どころか遊びに行く事すら殆どありませんでした。

第5波はいつまで続くのでしょうか。緊急事態宣言が10月以降も継続する事態をも考慮に入れています。