お盆が終わりました。6月に告知した通り、帰省は7月4連休に済ませました。お盆はステイホームになるとの予想は当たりましたが、この感染爆発は想像を超える規模です。

夏のスケジュールに苦慮、4連休で帰省?8/1-2で小旅行?以後はステイホーム?

大雨被害や首都圏の感染爆発に隠れてしまっていますが、大阪や関西でも今週末に掛けて爆発的な感染が起こる可能性が高まっています。

まずは大阪府における第4波以降の感染者は下記の通りです。


大阪府の最新感染動向より作成

先週1週間(8/9~8/15)の感染者は、ついに過去最多の9,989人となりました。8/14に過去最多の1,828人の感染者が確認されています。

7月以降は概ね前週比1.3倍のペースで感染者が増加しています。特に7/12の週と7/26の週は前週比1.9倍~2.16倍という急激なペースで感染が広がりました。

ただ、この2週の間には、東京五輪の開会式に合わせた4連休が設けられいました。4連休中は検査数等が減少し、感染者の発表数も控えめでした。

こうした事情から、7/12・7/19・7/26の3週間は一体的に捉える方が現実に即しているでしょう。

この3週間の感染者に対応する期間(=1~2週間前)の人流は第4波以降では最も高い水準で推移しました。

第47回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より

特に7/10~7/23頃の人流が著しく高くなっています。下半期の開始、東京五輪開幕に向けた祝賀ムード、禁酒令に耐えきれなくなった飲食店、大学の前期講義の終了等、様々な要因が考えられます。

第4波では緊急事態措置において幅広い業種へ休業要請を行いました。また、大阪府からは「医療の極限状態」「重症病床使用率がオーバーフロー」といった情報発信もありました。

その結果、GWとも重なり、繁華街の人流は急激に減少しました(上記グラフの4月下旬~5月上旬)。感染者数も減少に転じました。

しかし、第5波では様相が異なっています。政府・自治体・専門家から、人流を強力に抑制するメッセージが全然発表されていません。

尾身先生は「人流を第4波の最低水準(=5割削減)まで落とす必要がある」との旨を指摘しています。であれば第4波と同様の措置を行えばよいところ、そうした発言は出てきません。

高齢者へのワクチン接種による死者減、若者へのワクチン接種のお願い、抗体カクテル療法、在宅医療の充実、災害級の感染、デパ地下の入場制限等、第4波における強烈な措置と比べると非常に緩い発言です。

緩い発言の背景には、東京五輪パラ・高校野球に代表される部活動の全国大会等、様々なイベントが開催される点は無視できません。緩い発言ですら厳しく矛盾を指摘されており、より厳しい発言を行ったら更に激しく非難されるのは避けられません。

こうした緩いお願いや矛盾したメッセージを発する状況下で、人流が本当に5割も減少すると思っているのでしょうか。より強いメッセージや措置に踏み込めない理由があるのでしょうか。

ここ数日の関係者の発言に共通して感じるのは「高齢者が殆ど死ななくなっているので、経済活動を優先したい。現役世代の健康? ワクチン接種まで我慢して。感染しても自己責任。」という意識です。

大曲先生の発言が分かりやすいですね。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と強い言葉で現状を表現。このペースが維持されると2週間後の8月25日には、週平均の感染者数が5113人になるとの予測値も示して「救うべき命が救えなくなる」と警告し、「もはや自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階」と個々人の徹底した感染対策を求めた。

https://digital.asahi.com/articles/ASP8D4S95P8DUTIL01W.html

暗に「行政はが出来る事はない」と示唆しています。

第4波の様な強力な人流抑制策を行う事に対しては、経済界からの強い強い反発があるのでしょう。それは理解できます。

しかしその結果、ワクチン2回接種を行っていない世代(=高齢者以外の大多数)や医療機関・医療従事者へ過大な負担を負わせています。

果たしてこれは正しい選択なのでしょうか。現役世代や子供達の健康等を脅かすのをやむを得ないと認容する政策は、納得できません。

明日8月17日には、緊急事態宣言や重点措置の対象地域を拡大するとの方針を決定すると報じられています。

しかし、宣言等が発出されるだけでは、人流が大きく減少するとは考えにくいです。東京オリパラや甲子園が行われているのに外出自粛を要請されてもストンと落ちません。

このままだと感染爆発は早々には収まらないでしょう。自主的な外出抑制やワクチン接種の進展により、少しずつ感染者が減少していくしかないでしょう。

ただ、京都大学の西浦先生が「緩やかに沈下するとは思えない」と厳しく指摘しています。きっと鎮火しないのでしょう(絶望)。

家族ベースでの対策としては、感染リスクが高い場所(特に人混み・フードコート・三密)を徹底して避け、可及的速やかにワクチン接種を行うしかありません。

大阪市でのワクチン接種はようやく余裕が出てきました。今朝9時に予約枠が開放されたのですが、12時時点でもモデルナ予約枠が若干残っています。アストラゼネカは大半が残っています(追記:13時過ぎにモデルナはなくなりました)。

【モデルナ】

【アストラゼネカ】

https://osaka.v-yoyaku.jp/271004-osaka

人流抑制や医療体制の充実はもう期待できません。大阪府でも在宅を強いられる感染者が急増します。もう中等症軽症病床も宿泊療養施設もフル運用が近づいています。

自分の身は自分で守るしかありません。強く強くワクチン接種をお勧めします。