2021年度大阪市保育所等一斉入所では、0歳児や2-3歳児の申込数が前年より10%も減少していました。

驚きと共に、「幼保無償化の反動、そしてコロナ禍が影響?」と推測しました。

【2021保育所等一斉入所申込分析】(1)大阪市全体/0・2-3歳児は申込1割減、幼保無償化の反動&コロナ禍が影響?

申込数が大きく減少した傾向は大阪市だけではありませんでした。各地で同様の事態が発生しています。そして「0歳児」で発生しているそうです。

 4月からの認可保育園入園で、かつて「激戦」とされた0歳児クラスに空きが目立つ異変が起きている。各地の1次選考の結果を見ると、なるべく早く保育園の「席」を確保するため、親が育児休業を短く切り上げる「セオリー」が一変している。なぜなのか。

 「コロナ禍での復職は、やっぱり不安。会社が許すうちは、復職は見送ろうと思っています」

 大阪市の30代の女性は、昨年8月に生まれた0歳の次男を、4月から入園させるかギリギリまで悩み、結局、申し込みをやめた。

 原因は昨春のトラウマだ。

 現在3歳の長男は保育園に通っていたが、コロナ禍による登園自粛要請があり、女性が在宅勤務で保育をしながら過ごした。

 今後、感染状況が悪化すれば、また自粛要請があるかもしれない。「そのとき職場復帰していたら、2人の子どもを自宅でみて仕事までするのは、無理だと思ったんです」

 勤務先とも相談をし、復職の予定はこの夏以降に先延ばしすることにした。

 共働きの増加などで保育ニーズが増すなか、これまで激戦となっていたのが0歳児クラスだった。

 持ち上がりで進級する1歳児以上のクラスと異なり、0歳児の4月はほぼ全員が「新規入園」の枠。そのため、このタイミングを狙って、育休期間を切り上げて復職するなど、希望者が多く集まるのがこのところの傾向で、低年齢児に特化した「小規模保育園」が多く整備されるなどしてきた。

 しかし、今回、4月入園に向けての1次選考の状況を、朝日新聞が全国の主要自治体に聞いたところ、例えば東京23区の認可園の申込者数は前年より5千人以上減り、うち0歳児は1468人だった。

 コロナ禍の「生み控え」の影響はまだ限定的と考えられ、育休を延長したり、仕事自体が探せなかったりする保護者が増えたとみられる。(以下省略)

https://digital.asahi.com/articles/ASP3M3F2CP34UTFL001.html

コロナ禍の今、敢えて保育所等へ新規入所しなければならない理由を問い直した家庭が少なくなかったのでしょう。

多くの方がワクチンを接種した来年になれば、状況が好転していると予想できます。0歳児入所であれば、年度途中入所や1歳児一斉入所へと先送りする事が出来ます。

反対に入所を先送りするのが難しかったのが1歳児でしょう。育休延長にも限度があり、ブランクが長引く事への恐れもあります。

大阪市の一斉入所では、1歳児の申込数が前年比0.4%増加しました。増加比は僅かですが、他の年齢との差が際立っています。

あくまで推測となりますが、2021年度一斉入所で0歳児申込数が減少した分は、2022年度一斉入所の1歳児申込数の増加という形で補う事になると見ています。

入所の1年先送りは可能であっても、2年先送りや育休からの退職を選択するのは容易ではありません。この1年でワクチン接種も進み、子供への接種計画も策定されるでしょう。

ただ、暗中模索だったこの1年間の保育とは異なり、今後は適切な対応が行われるメドが立っています。職員・児童・保護者の健康管理を徹底し、諸行事も少しずつ再開されようとしています。

入所の1年先送りを前倒しし、年度途中の入所や復職を考える家庭も増えてくるでしょう。2次調整後も空きがある施設が多く、5月入所を選択する家庭もあるでしょう。

保護者目線で強く訴えたいのは「子供へのワクチン接種の早期化」ですね。16歳未満の子供への接種は海外で治験が行われている段階だそうです。

米モデルナ、小児向けのワクチン治験を開始 12歳未満

米バイオ製薬モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンについて12歳未満の小児向けの臨床試験(治験)を開始したと発表した。米国で接種が進むワクチンは16~18歳以上を対象にしており、小児向けはない。小児に対する安全性や有効性が確認できれば、幅広い年齢層の免疫獲得につながる。

治験は米国立衛生研究所(NIH)と組み、米国とカナダで実施。生後6カ月から12歳未満の小児が対象で、約6750人が参加する見通しだ。12歳以上18歳未満の子どもについては、2020年12月に治験を開始したと発表していた。米製薬大手ファイザーと独ビオンテックも、12歳以上の子ども向けの治験を昨年から進めている。(以下省略)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16DCJ0W1A310C2000000/

小さな子供にもワクチンが行き届けば、ようやく保育所等での感染予防も一息つけそうです。

これまで同様の高レベルの感染対策は引き続き求められそうですが、万が一にも感染やクラスターが発生してしまった場合への恐怖感は大いに軽減されるでしょう。