2021年度保育所等一斉入所申込状況分析、第1回は大阪市全体の数字をざっと見ていきます。
※10月27日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
申込数急減、全体的に入りやすく
2021年度一斉入所への申込数は前年より1,036人も減少し、14,895人となりました。1,000人以上も減少するのは、平成25年以来(恐らくはそれ以前も)で初めてのことです。
特に大きく減少したのは、0歳児(396人減)、2歳児(364人減)です。増加したのは1歳児(28人増)だけです。
募集数はほぼ前年通りです。0歳児・1歳児の募集数が増加した反面、4歳児・5歳児の募集数が減少しています。
前者は地域型保育事業の増加が、後者は新設保育所の減少が影響していると考えられます。
地域差等があるとの前提の上、2021年度一斉入所では0歳児・2歳児はやや入りやすくなりそうです。
各区・年齢毎の倍率も減少が目立ちます。2倍を超えたのは、天王寺区の2歳児(2.44倍)だけでした。
幼保無償化の反動、そしてコロナ禍が影響か
申込数が大きく減少したのは、主に2つの要因が考えられます。
全年齢に共通する理由は「幼児教育・保育の無償化の反動」です。
昨年10月に無償化された影響か、2020年度一斉入所の申込数は予想に反して大きく増加しました。
共働きする子育て世帯の増加、保育料の減額幅が幼稚園より保育所の方が大きい、希望する保育所等へ入所しやすい乳児クラスへの申込等、様々な背景が考えられます。
その反動が2021年度一斉入所で生じたのでしょう。予定よりも前倒しして入所した結果、今年の申込数が減少したという構図です。
もう一つの理由、特に0歳児クラスに強く影響したと考えられる理由は「コロナ禍」です。
大阪市にある殆どの保育所等は開園し続けましたが、各世帯へ登園自粛のお願いをしました。
6月以降に徐々に正常化しましたが、未だに園内・園外活動は大きく制約されています。様々な行事が中止となり、外遊び等も縮小されています。昼食中もお喋りを控える様に指導されています(園児はお構いなしですが)。
コロナ禍は来年以降も続きそうです。保育所等の運営が以前の状態に復するには、もう少し先になってしまいそうです。
感染予防に気を遣いながら来春に保育所等へ登園して復職するよりも、入所や復職を先送りしたのではないかと考えています。
申込者の中には育休延長の為の申込も含まれているでしょう(実際に問い合わせもありました)。
今後の予定&運営支援のお願い
次回は各区の概略(前半部分、恐らく北区~浪速区)をお届けする予定です。
今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容は2021申込分析、昨年の内容は2020申込分析からご覧下さい。
「○○区の情報を詳しく知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。
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必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、