再び小さな子供が犠牲になりました。

ひたちなか署は5日、殺人の疑いで、ひたちなか市田彦、会社員、小沼勝(おぬま・しょう)容疑者(28)を逮捕した。逮捕容疑は、7月15日ごろから23日ごろにかけて、自宅で生後1カ月の長女舞香(まいか)ちゃんをドアにたたきつけたり、胸や腹を拳で殴るなどして殺害した疑い。

同署や県警捜査1課によると、小沼容疑者と妻が23日、ぐったりしていた舞香ちゃんを水戸市内の病院に連れていったが、舞香ちゃんは24日午前5時50分ごろ死亡した。虐待の可能性があるとみた病院が県警に通報した。小沼容疑者は「殺すつもりはなかった」などと殺意を否認している。

小沼容疑者は道交法違反(無免許運転)容疑で7月29日にひたちなか署に現行犯逮捕されていた。

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16018818982784

虐待死事案の約4割を0歳児が、そしてその内の約7割を生後4カ月までとなっています。

心中以外の虐待死事例の年齢別内訳を見ると、0歳児の占める割合が40.7%と前回より減少しているものの依然として最も高く、その中でも生後4か月までの間に死亡している事例は0歳児の中で約7割となっている。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000677535.pdf

小さな子供ほど虐待死しやすい傾向が鮮明に現れています。本事件は生後1カ月での虐待死でした。

生後1カ月の頃は本当に大変でした。気を抜く間もなく、ずっと走り続けていた様な覚えがあります。余りの忙しさで、当時の記憶はあまりありません。

1日中ずっと子供と一緒に生活し、自分の食事や睡眠は不十分この上なかったでした。過酷でした。どの家庭も似たり寄ったりでしょう。

だからと言って子供を叩き付けたり殴ったりして殺害する行為が許される筈がありません。

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(10/6追記)
「泣き声でストレスを感じた」と供述しています。

茨城県ひたちなか市で生後1カ月の娘をドアにたたきつけるなどして殺害した疑いで逮捕された父親が「泣き声でストレスを感じて暴行した」と話していることが分かりました。

ひたちなか市の建築作業員・小沼勝容疑者(28)は今年7月、生後1カ月の長女・舞香ちゃんの胸ぐらをつかみ、ドアにたたきつけるなどして殺害した疑いが持たれています。その後の捜査関係者への取材で、小沼容疑者は取り調べに対し「泣き声でストレスを感じて暴行した」と話していることが分かりました。死亡する11日前と4日前に市の担当者が発育状況の確認を行い、死亡の2日前には市内の病院で1カ月検診を行い、身長・体重や全身の確認がされましたが、異常は見られなかったということです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000194849.html

ニュース映像では古い平屋建てが映されていました。防音が殆ど考慮されず、部屋数も少ないと感じました。どの部屋にいても子供の泣き声が絶えず聞こえてくる構造でしょう。

死亡2日前の健診で異常は無かったとの事なので、日常的な暴行等は行われていなかったのでしょうか。

ただ、事件後に無免許運転で検挙されている点から、ストレス耐性が弱かったのかもしれません。

子供の泣き声は今でも辛いです。衝動的に反応してしまう時があります。

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(10/7追記)
日常的な暴行が行われていた様子です

茨城県ひたちなか市で、生後1か月の長女に暴行を加え死亡させたとして28歳の父親が逮捕された事件で、母親が警察に対し「夫は泣きやまない娘にほぼ毎日暴行していた」という趣旨の話をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。(中略)

舞香ちゃんは7月10日に病院を退院しましたが、そのあと15日ごろから亡くなるまでの1週間余りの間に暴行を受けたとみられています。

捜査関係者によりますと、母親は警察に対し「夫は泣きやまない娘にほぼ毎日暴行していた」という趣旨の話をしているということです。

舞香ちゃんはあざなどはなかったものの、頭の中の出血や内臓の損傷が見られたということで、警察は継続的に暴行が繰り返されたとみていきさつを調べています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201006/k10012650771000.html

時系列でまとめてみます。

日付項目
6月20日頃?出生
7月10日退院
7月13日市担当者が発育状況を確認した
7月15日頃暴行が始まる
7月20日市担当者が発育状況を確認した
7月22日病院で1カ月検診、異常は見られず
7月23日ぐったりした舞香ちゃんを病院へ連れて行く
7月24日朝死亡

推測となりますが、出生から退院までの期間が3週間ほどとなっています(死亡時の月齢から逆算)。少し長目だと感じました(羨ましいですが)。

発育状況や健診も小まめに行われています。ひたちなか市では出産直後の家庭や新生児の様子をきめ細かくサポートしているのでしょう。

ただ、退院直後から暴行が始まっていました。そして、暴行後に発育確認や健診が行われていましたが、担当者は暴行等に気づきませんでした。

目に見えるアザやケガ等があれば暴行に気づいた筈です。しかし、そうした痕跡がなければ、なかなか気づかないのかもしれません。

子供は泣き止まないものです。私も苦しめられました。供の泣き声に苦手意識が植え付けられてしまいました。

仮に発育確認等の場において、夫や妻が子供の泣き声に耐えられないと相談していたら、こうした結果には至らなかったのかもしれません。

子供の発育確認等と同時に、両親のメンタルケアも重要でしょう。メンタルをやられる親も多いですね。私も辛かったです。

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(10/8追記)

夫からの暴行が妻へも向かわないかと恐れ、医師や保健師に相談できなかったそうです。

 茨城県ひたちなか市で生後1カ月の長女舞香ちゃんを暴行し死なせたとして、殺人の疑いで父親の小沼勝容疑者(28)が逮捕された事件で、舞香ちゃんの母親(24)は夫の暴行を認識しながら、市の保健師の家庭訪問や、1カ月健診の際に相談していなかったことが7日、市などへの取材で分かった。

 捜査関係者によると、県警の事情聴取に「自分も暴力をふるわれると思い、怖かった」という趣旨の説明をしており、県警は夫への恐怖心から暴力を伝えなかった可能性があるとみて状況を調べる。県警は7日、小沼容疑者を送検した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/60323

虐待とDVは表裏一体の関係なのでしょうか。子育て中の母親が電話やLINE等で相談できる窓口も必要でしょう。

また、児童相談所でなく「児童・保護者相談所」とすべきなのかもしれません。育児相談や苦しみを伝え、寄り添って解決してくれる機関がありません。

以前にどうしても苦しくなってしまい、区役所へ相談した事があります。でも、5分ほど話を聞き、「数ヶ月待ちだと思いますが」と地域の小児科医リストを渡されただけでした。