【ニュース】育休退園制度を予定通り導入の続報です。
7月末に育休退園を予定している原告2名につき、何と8月以降も継続して登園するのを認めたそうです。

育休退園制度 原告2人に通園継続認める
7月22日 18時43分

育児休業の取得を理由に保育園に通っている上の子どもを退園させる制度は違法だとして、子育て中の親が埼玉県所沢市を訴えている問題で、所沢市が退園の期限を迎える2人の原告に対し、通園の継続を認めたことが分かりました。これについて所沢市は、理由は明らかにできないとしています。

所沢市は待機児童を減らす対策の1つとして、今年度から親が育児休業を取得した際、すでに保育園に通っている2歳児以下の上の子を原則として退園させる制度を新たに設けました。
これに対し、子育て中の17人の親が「保育を受ける権利を侵害し、違法だ」などとして、退園の差し止めを求める訴えを裁判所に起こしています。

このうち、今月末に退園の期限を迎える2人の原告に対して、所沢市が通園の継続を認める通知を送っていたことが分かりました。
通知を受け取った原告の1人は「これまで、市から継続は認められないと言われてきた。保育園をやめないで済むのはうれしいが、すでに退園したお子さんもいるなかで、市がどういう基準で判断しているのか分からない」と話しています。
所沢市によりますと、制度の導入に伴って、これまでに9人が退園したということで、退園した子どもの母親の1人は「どんな理由があれば継続できるのか市は答えてくれなかった。審査が公平に行われているのか疑問に感じる」と話しています。

これについて所沢市保育幼稚園課の町田真治課長は「市がどのような基準で判断しているかや、ほかにも継続を認められた人がいるかについては個人情報に当たるため答えられない。それぞれの家庭の状況に合わせて退園した場合に保育が難しいかどうかを審査しており、裁判の原告であることを考慮して、通園の継続を認めたわけではない」としています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150722/k10010162421000.html

唐突に7月末での退園を迫られていた園児や保護者が8月以降も継続して登園できるのは喜ばしい話です。
一方、2名の継続登園を認めた理由、6月末までや7月末に育休退園する他の園児・保護者との平等性等、説明責任が求められる行政の運営という観点から問題があるのも事実でしょう。
そもそも育休退園制度が必要なのか、退園要件の認定が適正に行われているか、疑問を抱かざるを得ません。

育休退園制度の導入をあまりに急いだのがそもそもの原因でしょう。
一部の園児や保護者に重大な不利益を被らせる制度である以上、じっくりと議論を行うべきでした。
行政の一方的かつ早急な制度変更の歪みが噴出した、という印象です。

所沢市の課長が「裁判の原告であることを考慮して、通園の継続を認めたわけではない」とコメントしています。
7月末の育休退園を迫られている他の原告の有無、原告以外の退園者・非退園者の人数が判明すれば、課長のコメントの裏付けが取れるでしょう。